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井上円了哲学塾 公開講座 第6回が開催されました

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E6「人間が生き物であることを自覚した科学者が組み立てる知」

2013(平成25年)12月14日(土)16時20分より、本学8号館8B11教室において、井上円了哲学塾リーダー哲学講義第5回が開催されました。

 講師はJT生命誌研究館館長中村桂子氏で、「人間が生き物であることを自覚した科学者が組み立てる知」というテーマで御講演いただきました。塾生・学生、および一般の公開講座申込者で聴講者数は約180名でした。

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 中村氏はまず東日本大震災の時に感じた自然の力について触れ、自然との向き合い方、科学技術のあり方について考え直すべき、と話されました。その中で中村氏は一番大事なことは「人間は生きものであり、自然の一部であるということ」であり、生命の物語である生命誌と、生命科学の違いについて説明されました。生命の物語とは宗教・道徳・政治・教育・司法・習俗などを含む全生活的なものであり、それは「生命論的世界観」と言い換えられるものだと中村氏は語り、またそれに対し近代文明は「機械論的世界観」であり、「機械論的世界観は自然を死物化する」という大森荘蔵氏の意見に対する共感を述べられていました。さらに全体的な「略画的世界観」と科学的な「密画的世界観」を「重ね描き」することが重要で、その重ね描きをしている人物として、西洋科学の素養を持ちながら自然に溶け込んだ日常を送った宮沢賢治と南方熊楠を評価されていました。

 最後に中村氏は、自然において「愛づる」(めづる)、すなわち「生きる本質を問う」ことが重要であり、日本の自然に基づいた日本人の文化のすばらしさを今生かすべきではないか、ということばで講演を結ばれました。