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第2ユニット WEB国際講演会(哲学の方法としての直観と反省)

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哲学の方法としての直観と反省

WEB国際講演会

10月13日(土)、東洋大学白山キャンパス5号館4階特別会議室において、前年に引き続き第二回目となるWEB国際会議「哲学の方法としての直観と反省」が行なわれた。今回のWEB国際会議は、昨年10月15日に開催されたWEB国際会議「普遍的方法論の可能性:デカルトとフッサール」の成果を継承するものである。「直観」と「反省」をめぐる豊饒な問題系について、国内外で活躍する4人の哲学研究者――第一に、現象学を超えて哲学的諸概念の解明へと切り込み、大きな成果を世に提供しているパリ第1大学のジョスラン・ブノア氏、ブノア氏と長い交流をもちつつ現象学と論理学を一つの視点に収める理論を構築している慶應義塾大学の岡田光弘氏、「直観」について、ヨーロッパ哲学とは異質の観方をもつ西田幾多郎の哲学についてヨーロッパ哲学との関連で研究している本センター客員研究員の黒田昭信氏(セルジー・ポントワーズ大学)、それに本センター研究員で現象学、とりわけてもフッサールの発生的現象学を研究しているこの企画の立案者である山口一郎研究員(東洋大学)――がそれぞれの立場から発表を行ない、4人に対し、現象学や間文化哲学を専門とするウィーン大学教授のシュテンガー氏およびデカルト哲学を専門とする国際哲学研究センターの村上勝三センター長がコメンテーターとして発言した。

岡田氏、山口研究員、村上センター長の三名は東洋大学会場から、ブノワ氏、黒田氏の二名はパリ会場(フランス高等師範学校)から、シュテンガー氏はウィーン会場(ウィーン大学)から参加し、この三拠点をインターネットで接続することにより、WEB国際会議が実現した。

司会を務めた村上センター長のあいさつのあと、まず、山口研究員が「直観と反省をめぐって――西田とフッサール」という題目で発表を行ない、西田幾多郎が『自覚における直観と反省』などで展開する議論をフッサール後期現象学との対比的考察をとおして、いかなる方法論的観点が問題にされうるのかを論じた。

次いで、フランスにおける西田をはじめとする日本思想を講じる黒田昭信氏が「行為的直観と自覚――諸科学の方法の基礎と哲学の方法」という表題で発表し、西田幾多郎における「行為的直観」と「自覚」との差異について、「創造的自己」と「ポイエーシス的自己」の区別という観点から論じた。黒田氏の発表はフランス語で行なわれた。

WEB国際講演会

三番目に、同じくパリ会場から、ジョスラン・ブノワ氏が「「超反省」に対するいくつかの反省」という表題で発表を行なった。ブノワ氏は「反省」という概念の伝統的な理解がはらむ諸問題を指摘しながら、メルロ=ポンティの『見えるものと見えないもの』のなかから「超反省」という考えに注目し、この考えがもつ方法論的な価値を提示した。

最後に、岡田光弘氏が「論証形成における直観的明証性と形式的明証性」という表題で発表を行なった(発表は英語)。岡田氏は当センターの前年のウェブ会議の主題であった「普遍的マテーシス」の問題を引き継ぎながら、とりわけ「直観的明証」と「形式的、演繹的明証」との差異に着目しながら、「論証形成」の問題を、科学および哲学の普遍的方法論の問題として論じた。

以上の四名の発表に対し、ゲオルグ・シュテンガー氏からまず山口研究員、黒田氏、ブノワ氏に対し、「直観」と「反省」という概念の哲学的理解をめぐる、ときには厳しい批判も辞さないきわめて有意義なコメントをいただいた。岡田氏の発表に対しては、村上センター長より、「直観」という概念をめぐり、デカルトおよびライプニッツに関し、最新の知見に基づいたコメントがあり、活発な質疑があった。最後に、全発表者のあいだでの討議が行なわれた。

全体を通じ、ネット空間上のウェブ会議システムを介した発表・討議であり、しかも議論においても日本語、フランス語、ドイツ語、英語が乱れ飛ぶなど、諸々の制約はあったが、第二ユニットが掲げる東西哲学を貫く世界的な方法論研究の可能性という点では、内容的にも形態的にもきわめて貴重な機会であった。