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第2ユニット 第2回「ポスト福島の哲学」講演会

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エティエンヌ・タッサン「フクシマは今 エコロジー的危機の政治哲学についての12の提言」

第2回「ポスト福島の哲学」講演会

本年度第2回目の「ポスト福島の哲学」連続講演会では、9月16日の国際シンポジウム「グローバルな現実に向きあう哲学」で招聘したパリ第七大学教授エティエンヌ・タッサン(Etienne Tassin)氏が、「フクシマは今 エコロジー的危機の政治哲学についての12の提言」という表題で講演を行なった。

第2回「ポスト福島の哲学」講演会

ハンナ・アレントをはじめとする20世紀の政治哲学を専門とするタッサン氏は、2011年3月の東京電力福島第一原発事故以降の「フクシマ」をめぐる状況について、とりわけ、『全体主義の起源』を著した政治哲学者ハンナ・アレントや、アウシュヴィッツ、ヒロシマ、チェルノブイリなど20世紀の破局的な出来事にたゆまぬ考察を展開した政治哲学者ギュンター・アンダースらの議論に基づいた考察を展開した。タッサン氏によれば、「フクシマ」という出来事は単なる一つの偶然的な事故として捉えるべきではなく、アンダースがその著書を『ヒロシマはいたるところに』と題したように、われわれの現代科学技術文明そのものに構造的に結びついたものとして捉えなければならない。アレントとアンダースがともに見てとっていたように、現代の科学技術は、人間が自然を統御する道具ではもはやなく、人間全体の生存を破壊しうるまで「自律」的なものへと変容した。タッサン氏によれば、「フクシマ」という出来事が指し示すのは、原子力の脅威に結びついた世界の全般的破壊可能性である。こうした議論を踏まえこうした角度から今日における「世界」や「政治」のあり方について哲学的に問う必要性が指摘された。

講演会にはセンター内外からの参加者があり、少人数ながらもきわめて活発な議論が展開された。