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第1ユニット 第3回研究会報告(2011年)

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井上円了『哲学一夕話』と西田幾多郎

第1ユニット第3回研究会報告

第1ユニット第3回研究会が、2011年11月30日に東洋大学白山キャンパス6405教室で開催された。研究会では、白井雅人研究助手による「井上円了『哲学一夕話』と西田幾多郎」という研究報告が行われた。

西田幾多郎が井上円了の『哲学一夕話』を読んだことをきっかけにして、哲学の道を志すようになったということは、よく知られている。しかし従来、円了の哲学と西田哲学との関係は詳しく論じられてこなかった。白井研究助手は、井上円了の『哲学一夕話』を詳しく検討しながら、西田幾多郎の『善の研究』との親近性を指摘し、両者を明治哲学の一つの流れの中に位置づけられ得ることを論じた。

『哲学一夕話』とは、円了先生の弟子たちが対話しながら、弟子たちの説が両方とも行き詰まり、最後に円了先生が裁断を下すという構成をとっている。その時円了先生が提唱するのが、弟子たちのいずれの説にも偏らない「円了の大道」である。この円了の大道は、差別と無差別の両面を含みながら運動していく「一大活物」として実在のダイナミズムを表現している。一方、西田幾多郎が『善の研究』で論じた純粋経験も、統一と矛盾衝突の両面を含みながら運動していく実在のダイナミズムを表していた。円了も、西田も、一と多、差別と無差別、統一と矛盾衝突という両面を含みながら運動していくダイナミズムを主題としている点で、両者は同じ哲学の系譜に属していると考えられるのだ。

第1ユニット第3回研究会報告

質疑応答も活発に行われた。西洋哲学との関係性、中国哲学の立場から見た用語法の特徴、同じようにインド哲学の立場から見た用語法の特徴、西田と陽明学の関係などを中心に、議論が深められた。