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第3ユニット 国内出張

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第3ユニット国内出張 京都・奈良の宗教行事に見る多文化共生の実態の調査および僧侶からのインタビュー調査

 第3ユニットの多文化共生研究のなか、とりわけ神仏習合の研究という課題を推し進めるため、渡辺章悟研究員と堀内俊郎研究助手が、以下の国内出張を行った。趣意は以下の通り。まず、インタビュー調査として、3つのお寺のご担当者より、共生の思想や近年の日本人の宗教意識について伺う。とともにまた、実地調査として、年末年始に京都・奈良で行われる仏教及び神道の伝統的宗教行事に参加し、宗教儀礼に見る文化的共生の実態を調査する。1

 12月30日、浄土宗大本山清浄華院の真野龍海法主に、一時間、面談頂いた。共生思想の一つの大きな流れとして椎尾弁匡の「共生(ともいき)」運動がある。椎尾は「願共諸衆生」すなわち衆生と共に往生するということを目標に掲げて共生運動を行った。対して、真野法主からは、生き物(有情・衆生)をサンスクリットではsattvaというが、その語の語源解釈(nirukti)としてはsahatvaつまり「共に(saha)あること(tva)」というものがある。共生の淵源は実はそこにあるのだというご見解を賜った。 

 31日、智山派総本山智積院をご案内いただき、また、職員の杉本氏に面談した。様々な現代的課題に仏教がどう答えていくかという問題意識や、全日本仏教会も参加するという「Interfaith(諸宗教間交流)」駅伝の取り組みについて伺った。同日夜、黄檗宗大本山萬福寺の教学部長の中島知彦氏と面談。中国の僧隠元が開山であることからお経の読み節等が中国語的である部分もあるという話し等を伺う。歳末回向を視察し、24時から、本堂での大般若経六百巻転読法要を視察した。

2 1月1日午前5時、八坂神社本殿で白朮祭(おけらさい)の神事を視察。同日、昼、薬師寺金堂で修正会吉祥悔過法要を視察。続いて山田法胤管主による新春法話を聴講。数百人が聴講していた。その後、近くにある唐招提寺も視察した。2日、広隆寺でおこなわれる「釿始め」を視察するため出かけたが、大雪のため中止であった。代わりに嵯峨野の大覚寺に赴き、大覚寺の心経堂など嵯峨天皇書写の般若心経や絵心経などの資料や儀礼について調査した。

 僧侶にインタビューして様々な話しを伺うことができ、また、仏教側も現代人のニーズに応えようとしていることが垣間見られた点で、今後の共生思想研究に大きな示唆を受けた出張であった。