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ミャンマーにおける多文化共生現地調査報告

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ミャンマーにおける多文化共生現地調査報告

 国際哲学研究センター第3ユニットでは「多文化共生社会の思想基盤研究」を課題としているが、その調査の一環として、宮本久義研究員、渡辺章悟研究員及び井上忠男客員研究員の3名でミャンマーの宗教的状況に関する現地調査を行った。2014年2月28日にヤンゴンに到着。翌3月1日、ヤンゴン市内のMaha-Sasana Yeiktha Meditation Center及びInternational Medetation Center (Imc)を訪問した。現在、ミャンマーの瞑想センターが世界的に関心を集めている様子を確認した。そのあと、ビルマ独立の父アウン・サン将軍記念館(House of Memories of Bogyoke Aung San)及び同将軍の名が冠せられたヤンゴン最大の市場(Bogyoke Aung San Market)を視察したあと、多数の信者が訪れる世界最大規模の仏塔シュエダゴォン・パヤー(Shwedagon Paya)を見学。聖なる仏塔というほどの意味で、ここにはブッダの8本の聖髪が奉納されているという。2日はヤンゴンに次ぐ第二の都市マンダレーに移動し、まず、アマラプラ地区のマハーガンダーヨン僧院(Mahagandhayon Kyaung)を視察。同国約30万の仏教僧の養成施設の一つで、約1,100人の修行僧が厳格な修行生活を営んでいる。そのあと、Dhamma Mandapa Vipassana Centreを視察。ここではセンターのマネージャーであるウ・アウン・ティン(U Aung Tin)師から説明を受け、短時間ではあったが瞑想を体験した。もう一か所Dhamma Mandala Vipassana Centreも訪れたが、1か月の研修が始まったところで、中は見られなかった。「世界最大の仏典」とされる700基以上の石造仏典を収めるMahamuni Payaを視察。ホテルに行く途中、得度式の行列に遭遇した。男子は馬、女子は牛車に乗っていて、仏教徒としての儀式ではあるが、日本での七五三の行事に近いと感じた。3日早朝にヤンゴンに戻り、巨大大理石石仏寺院Loka Chantha Abhaya Labhamuni大仏を視察。午後は、ミャンマー民主化のシンボル的存在である民主国民連合Nld(アウン・サン・スーチー党首)の事務所を訪問。スーチー氏関連のドキュメンタリー著書『アップ・クローズ』(Up Close)の著者モエ・リン(Moe Linn)氏と対話の機会を得た。夕方、市庁舎や最高裁判所が立ち並ぶ市の中心部にあるスーレー・パヤー(Sule Paya、聖髪の仏塔)を訪問した。庶民に愛される浅草のようなところにある。すぐそばに大きなキリスト教教会とイスラーム礼拝堂があり、多宗教が混在する環境がよくわかる。ミャンマーといえばすぐに仏教国というイメージが浮かぶが、東南アジアの国々も長い歴史の中で、さまざまな宗教を受け入れてきたのである。帰国のため空港に行く途中、テレビ・ニュースで何度も放映されているスーチー女史の自宅前を通過した。

 人口の約9割が仏教徒であるミャンマーで、現在盛んに行われているのが瞑想である。外国人も非常に多く研修に訪れる。今回の調査目的の一つはその実態を視察することであった。ヨーガや禅に共通するヴィパッサナーという修行法が主流で、今後、瞑想というきわめて平和的な修行方法が多文化・多宗教社会においてどのような意味や役割を持っているのかを検証していきたい。

ミャンマー

ダンマ・マンダパ・ヴィパッサナー・センターの瞑想堂の前で。左より、井上客員研究員、渡辺研究員、センター事務局長ウ・アウン・ティン師、宮本研究員