MENU CLOSE

方法論研究会(河本英夫)

  • English
  • 日本語

「方法としてのオートポイエーシス」

 2014年3月1日(土)、東洋大学白山キャンパス6号館第3会議室において、国際哲学研究センター第2ユニット主催の方法論研究会第二弾として、研究員の河本英夫氏による発表「方法としてのオートポイエーシス」が行なわれた。なお、この研究会は、東洋大学「エコ・フィロソフィ」学際研究イニシアティブとの共催によるものである。

1 河本氏はこれまで『メタモルフォーゼ:オートポイエーシスの核心』(2002年)や『システム現象学』(2006年)、『臨床するオートポイエーシス』(2010)等の著作を通じて、とりわけ「オートポイエーシス」概念を軸とした哲学的な理論を構築してきた。今回の発表では、こうしたこれまでの研究成果にもとづきつつ、この「オートポイエーシス」概念が「方法」という観点からどのように応用可能かに切り込んだ。オートポイエーシス・システムを記述したり理解したりすることは、意識や知覚といったモデルを用いては、あるいは言語一般によってすら困難である。河本氏は、マトゥラーナ、ヴァレラ、ルーマンといった「オートポイエーシス」概念を定式化した論者らの議論から出発しつつもそれに修正を加えながら、またドゥルーズ=ガタリの考えとの違いなどに触れながら、動的平衡システム、自己組織システム、システムの創発、二重作動、カップリングといった鍵となる考え方について、図や写真等も用いて丁寧に解説を加えていった。発表全体を通じて、プロセスのさなかでの現実性の出現、システム‐環境のカテゴリーの解明、二重作動のカテゴリーの整備、触覚性事象の解明、カップリングの考察・活用、外的指標と内的選択肢の分離など、「方法としてのオートポイエーシス」を考えるときの重要論点がそれぞれ提示された。

2 センター内外から多くの来場者があり、ディスカッションも盛況であった。河本氏のオートポイエーシス理解とドゥルーズ=ガタリの思想との違い、オートポイエーシスに基づく倫理学の可能性といった思想的論点にとどまらず、実際のリハビリの現場体験に基づいた発言など、多種多様な議論があった。予定時間を大幅に超える密度の濃い研究会となった。