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方法論研究会(竹中久留美)

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「方法論」第1回研究会(竹中久留美)

1 2014年2月21日、東洋大学白山キャンパス第2会議室において、第二ユニット主催「方法論」研究会第一回として、国際哲学研究センターのプロジェクト・リサーチ・アシスタントを務める竹中久留美氏(文学研究科博士後期課程)の発表「ヒュームと唯名論」がなされた。

 今回の発表は、竹中氏が現在準備中のデイヴィッド・ヒュームについての博士論文の一部をなす。竹中氏は、まずヒューム哲学の根本原理を確認するために「知覚(perception)」、「印象(impression)」、「観念(idea)」といった中心的な概念に説明を加え、これらがヒュームの著作においてのみならず、17世紀以降のヨーロッパの哲学史のなかでどのように位置づけられるかについて述べた。なかでも、諸々の「単純観念」が「想像力(imagination)」のはたらきによってどのように「複雑観念」になるのか、そして、その際の統合や連合の性質がいかなるものなのかという点は、発表後半部のヒュームにおける「唯名論」という主題を論ずるうえでの理論的な土台であった。竹中氏によれば、ヒュームにとっては実体の観念も様相の観念も、想像力によって統合された単純観念の集合、すなわち複雑観念にすぎず、そしてそれらは各々個2別の名前を有している。この名前によって、人はこの集合を想起することができるわけである。われわれが一般名辞を用いるときに、個物のすべてを試すことができないとしても、「習慣(custom)」ないし「習癖(habit)」の力によって、一つの観念を想起するだけで、類似や想像力の働きによって個別の観念が形成されるということである。竹中氏は、最後のこうした議論を受けて、そこからさらに論じるべき点として恒常的連接および「タイプ」概念や実体の観念の問題等に言及をした。

 全体を通じ、ヒュームの著作はもちろん先行研究にも目を配った説得的な発表であった。研究会には学内外からヒュームに限らず西洋哲学を専門的に研究する若手を中心とした研究者らが集い、ヒューム思想および竹中氏の解釈についての熱のこもった議論が繰り広げられた。