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「連携」によって、豊かな地域社会の創造へ

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花川区長と坂村学部長

新キャンパスにて、坂村学部長(左)と花川区長(右)

1887年、哲学者・井上円了によって創立された、130年の伝統を誇る東洋大学。今年4月には、東京都北区赤羽の新キャンパスに「情報連携学部」を開設します。新しいコンセプトによって生まれる同学部は、どのような教育を展開し、北区との連携により地域はどう変わるのか。同学部学部長に就任する坂村健氏と北区長の花川與惣太氏が語り合いました。

若い世代が集う活気ある北区を目指して

― 北区への東洋大学誘致の目的についてお聞かせください。

北区長花川氏

北区長
花川 與惣太

はなかわ・よそうた/1935年岩手県生まれ。61年明治大学大学院(政治経済)修士課程修了。71年北区議会議員に初当選、北区議会議員(3期)、東京都議会議員(5期)を務める。2003年北区長に就任。座右の銘は「我以外皆我師」。

花川 以前、北区にあった大学が移転したこともあり、新たに大学を誘致したいという思いがありました。大学が区内にあることで若い世代が集まり活気にあふれ、北区のイメージアップ、知名度の向上にもつながります。こうした思いから、大学の誘致については基本計画2010で計画化いたしました。
 東洋大学情報連携学部を開設する場所は、旧赤羽台中学校の跡地です。跡地利活用は、2007年に跡地利活用計画を策定。2010年度にプロポーザルを実施し、学校法人東洋大学から、地域活性化や区と連携した地域課題解決などの素晴らしいご提案をいただき、この地に来ていただくことになったのです。

坂村 赤羽は、東京に古くからある成熟した街。そういう街を今の情報通信の時代にマッチさせるにはどうしたらよいのか、やりがいを感じています。また、高齢化が進む街で、大学の専門知識やサポートが地域の課題解決に役立ち、地域活性化に貢献できると思っています。

― 情報連携学部が目指すものについてお聞かせください。

坂村氏

東洋大学
情報連携学部 学部長
坂村 健

さかむら・けん/1951年東京都生まれ。工学博士。84年からオープンなコンピュータアーキテクチャ「TRON」を構築。携帯電話、家電、デジタル機器、自動車などの組み込みOSとして世界中で使われている。東京都「ICT先進都市・東京のあり方懇談会」座長としても活動中。

坂村 今は「情報社会」です。この10年、20年で、世の中が大きく変わっているのは、ICT(情報通信技術)によるところが大きい。そういった時代に柔軟に対応できる人材を育てる必要があり、教育の仕方も変えていかねばなりません。私たちは「情報」をベースとして、既存の学問を作り直したい思いで、新学部を立ち上げました。もうひとつ大切なのは、「連携」です。これからの時代、一人で全部をやるのは難しく、多様な人とコラボレーションしていく必要があります。そのため、単に知識を与える場所ではなく、自分で考え、行動を起こし、「連携」できる人材を育てる新しいタイプの学部を目指しました。また、社会人の再教育にも力を注いでいき、将来的には様々な経験・背景を持つ人が「連携」していく学部にしていきます。

花川 北区は23区内でも高齢化率が高く、大学周辺のエリアも高齢化が進んでいます。情報をベースに、高齢者も社会参加できるような仕掛けづくりなどを協働してできないかと期待しています。

高齢者、産業、教育分野でさらなる連携拡充を

― 東洋大学と北区、今後はどのように連携していきたいですか?

坂村 北区を研究の実践の場として、さまざまなことを試していきたいと思っています。例えば、高齢者の自立に役立つ移動ロボットや見守りセンサー、車いすの方が安心して移動できるナビゲーションシステムなど、研究・開発を進めて、皆さまにご活用いただきたいですね。また、経済の活性化にもご協力させていただきたく、区内の中小企業や商店街の方との連携も深めていきたいです。

花川 東洋大学とはこれまでも、包括協定を締結し、高齢者にやさしい街づくりや産業分野での連携事業などを実施してまいりました。新学部開設を機に、連携事業の拡充と新たな分野での連携を推進していきたいです。
 3月19日開催の「東洋大学ウェルカムフェスタ」において、新たな連携施策の覚書を締結する予定です。1つめは、産業分野を中心とした、地域と大学の円滑な連携を橋渡しする窓口の設置。2つめは、学生さんにボランティアとしてご協力いただきながら推進する社会貢献、社会連携事業など。3つめは、情報連携学部の専門性を活かしたプログラミング教育など教育の情報化推進です。今後、施策の詳細を検討し、2017年度中の事業開始を目指しています。

坂村 文部科学省も2020年を目指し、小学校からのプログラミング教育の必修化を検討しています。しかし、学校の先生がいきなりプログラミングを教えることは難しいかもしれません。そういった時に、私たち大学が、地域のコンピュータ教育をサポートすることもできると思います。
 本日、花川区長とお会いして、区長の「北区を変えていきたい」という強い思いを感じました。私は、北区と東洋大学の連携が必ずうまくいくと確信しました。

新キャンパスを拠点に、北区の存在感を広く発信

― 新学部開設によって、北区赤羽はどのような街に変わっていくと思いますか?期待されていることをお聞かせください。

花川 最近では、赤羽はメディアで取り上げられることも多く、若い方たちから注目を浴びている地域でもあります。若者や学生が集い、北区に愛着を持ってもらうことで、北区の最重要課題である「子育てファミリー層・若年層の定住化」にもつながると思っています。東洋大学との連携により、教育、産業、生涯学習の分野も充実することでしょう。本当にたくさんの期待を寄せていますが、これからも連携を密にしながらWin-Winの関係を築いていけたらと思っています。

坂村 学内のカフェ等は、学生以外の方も利用できるスペースなので、そこでも地域交流ができるようになるでしょう。建築デザインは、建築家の隈研吾氏が手がけ、建築・設備総合プロデュースは、私が担当しました。とてもユニークな建築物なので、ぜひ見学にいらしてほしいですね。
 新学部には先端を行く頭脳を集積させ、地域と連携して研究するなど、これまでの大学にはない試みを始めます。今後、北区と赤羽の存在は、世界的にも注目されていくと思いますし、高みを目指していきたいです。

2017年4月、北区赤羽に東洋大学 情報連携学部が誕生!

「情報連携学」とは、ICT(情報通信技術)を活かして人・システム・組織・分野を連携させ、新たなビジネスを生み出す土壌を作るための学び。多くの産業でIctが活用される現在、コンピュータ・サイエンスは重要性を増しています。プログラミングのスキルを活かして、アイデアを素早く形にし、インターネットを通じて新しいサービスやプロダクトを世界に送り出すことも可能になりました。これからの時代に求められるのは、アイデアと知識、知恵を持った人と人をつなげる「連携」であり、複数のシステムをつないで活用する「連携」。「連携」を学ぶことは、グローバル化する社会を生き抜くスキルを学ぶことでもあります。

連携できる力が未来の鍵

赤羽台キャンパス
建築・設備総合プロデュース:坂村健
建築デザイン:隈研吾
東京都北区赤羽台1-7-11
最先端のIoTを取り入れ情報連携学部のコンセプトを具現化した'スマートキャンパス'建築設計は新国立競技場などを手がける隈研吾建築都市設計事務所が担当している

  • コース横断のチーム実習
    4つのコースを横断してチームを組み、共通の課題に取り組む実習を複数年通して実施します。
  • 全コースでCS教育
    プログラミング力をつけるのがCS(コンピュータ科学)。連携の基盤として、CS教育を重視し、全コースでCS初級とプログラミング教育を実施します。
  • コミュニケーション力の重視
    異なる専門、多様な国籍を持つ者同士で、共通の課題解決を行うため、「英語」をはじめ、「プレゼンテーション」や「ディベート」などの実践的コミュニケーション能力を身に付けます。

リンク:情報連携学部情報連携学科

「住みたい街」北区赤羽

情報連携学部が開設される赤羽は、どんな魅力がある街なのか。その歴史や発展を続ける現在をご紹介します。

 

北区赤羽台 「住みたい街」として人気急上昇している赤羽エリア
今、熱い視線を集めている赤羽エリア。下町のような懐かしさを覚える街の雰囲気も魅力で、近年では、JR京浜東北線や埼京線、東京メトロ南北線が通る交通アクセスの良さからも「住みたい街」としての人気が急上昇しています。
 その歴史をたどると、戦前の赤羽は、多くの軍工廠が集まり「軍都」の様相を呈していました。また、大正時代以降は、隅田川沿岸に大小の工場が立ち並び、工業地帯にもなっていきました。古くから、こうした場所で働く軍関係者や工場労働者たちで賑わいを見せていた赤羽の街。戦後になると軍工廠は解体され、学校や病院、巨大団地群へと変わり、住宅地へと変貌を遂げていきます。こうした中でも、赤羽は東京の北の玄関口として、地元の人のみならず、埼玉県の川口や戸田、鳩ケ谷などからも買い物客が訪れるなど、商業の街として栄えていきました。

LaLaガーデン 活気あるれる赤羽スズラン通り商店街「LaLaガーデン」

 現在は、再開発団地などの建設も進み、この春には東洋大学赤羽台キャンパスも開設されます。このように街は変化しつつも、個性豊かな店が軒を連ねる商店街の活気は変わることはありません。また、近くに荒川、隅田川が流れる自然豊かな街であるのも大きな魅力といえるでしょう。古き良きものと新しきものが混在する、北区赤羽。大学と地域との連携によって、街はさらに活性化し、新しい価値が生み出される可能性にも満ちています。未来に羽ばたく赤羽に、これからも目が離せません。


企画・制作/東京新聞広告局
※2017年3月19日東京新聞掲載原稿