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2016年度 第7回未来を拓くトップセミナー「アスリートの健康とストレス」を実施しました(朝霞キャンパス)

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2016(平成28)年10月14日(金)、2016年度の第7回目となる「未来を拓くトップセミナー」を朝霞キャンパスにて開催しました。本セミナーは、各界において指導的立場で活躍している方々を講師としてお招きし、将来への指針となる講演をいただくことで、学生のキャリア形成の一助とするために開催しています。

今回は、講師に株式会社attainment代表、陸上競技選手の室伏由佳氏をお招きし、「アスリートの健康とストレス~男女共学100周年からダイバーシティの実現~」というテーマでご講演をいただきました。会場となった朝霞キャンパスの講義棟314教室には、約320名の本学学生、教職員が集まりました。

未来を拓くトップセミナー24年間アスリートとして過ごしてきた室伏氏は、「自分の競技を成立させるために、24時間365日、それを第一に考え、優先して過ごしてきました」と冒頭に語り、年表や映像を用いながらこれまでの自身の経験をお話されました。

室伏氏は、円盤投とハンマー投の投擲2種目を両立し、数々の大会で記録を残してきました。円盤投もハンマー投も、遠心力をつけてできる限り遠くへ飛ばして競い合う競技で、身体的には相当の負荷がかかるスポーツです。これらスポーツのトレーニングを我流で行うといつかは限界が訪れます。大学時代、最長で1日約10時間のトレーニングを続けていた室伏氏も、世界を相手に戦うためには我流のトレーニングでは通用しないことに気付いたといいます。そこで大事になるのが「自分をよく知る身近な人や専門家に話を聞くこと」、そしてそれを踏まえて「少し頑張ればできそうだという目標を設定すること」だと述べました。こういった目標設定こそが、室伏氏の競技人生、そして現役を退いた今を支えているといいます。

「女性におけるライフスタイルの変化は女性の身体にも影響を及ぼします。最近では女性アスリートの競技人生も延びており、婦人科疾患にかかるリスクも増加しています。当人は定期的に診断を受けること、周囲の人は疾患に関する理解に努め、サポートしていくことが大切です」そう述べた室伏氏もまた、現役中に婦人科疾患のほか慢性腰痛症、肩の神経障害等のスポーツ障害に苦しめられてきました。「当時、病気に関する情報が無く、誰に聞けばよいのか、何から始めればよいのかわからず、常に手探りの状態であった」ことを明かし、そのような状況下でも「決して諦めることなくわからないことは追究してきました」と強調しました。

そして、これまでの自身の経験を踏まえ、次の4つのポイントを提示し、学生へ訴えました。

●自らが置かれた環境と可能性を考える
  
厳しい環境に身を置いたときに自らの可能性が引き出される

●「してもらう」から「してあげる」行動力を持つこと
  100%の努力をし、つらい経験をした人は異なる分野の人とも「共感」ができる

●「真実」を求めること
  誰が見ていても見ていなくても、正しく自分を保つ

●「期待」を持つこと
  
自分、他者に「肯定的」な期待感を持ち続ける

トップセミナー室伏由佳氏

「現役時代の終盤になり、初めてアスレチックトレーナーが常駐する環境を得ることができました。そのトレーナーからいただいた言葉を大切にして現在も過ごしています。『思い込まない・抱え込まない・諦めない』ことが、誰かと接するとき、また自分自身が何かに向かうときには必要になります」――。もともとこの3つは室伏氏自身も苦手であることを明かしましたが、それらとこれからも格闘しながら自己実現をしていきたいという熱い想いを学生に伝え、今回の講演を締めくくりました。

 

今回のセミナーに参加した学生の声

・2011年の日本選手権で室伏さんが優勝する姿を現場に観に行っていました。当時、そんな素振りが全く見られなかったのですが、背景に様々な苦労をされていることを今日初めて知りました。そのような状況下でも挑戦し続ける勇気と力は自己実現や信念があったからだと思いました。自分自身も信念を持って挑戦し続けていきたいと思います。

・私も陸上をやっていたので、結果を出すことの大変さなどがわかります。オリンピックや世界選手権など、世界と戦う中で、多くの故障を経験し、それと向き合っていることが本当に素晴らしいと思いました。今回の話を聞き、自分と向き合うことが大事だとわかりました。

・近年は小さい頃から本格的にスポーツに取り組んでいる子どもたちも多く、身体が未発達な段階であるがゆえにさまざまなスポーツ障害を抱えている子も良く見ます。養護教諭として学校現場に出た際に、そのような子どもたちに対して、症状・状態からどこがどのように痛いのか理解・共感してあげられるように、また、状態が良い方向へ向かうための正しい情報を提供してあげられるように、自分の知識の幅を広げ、深めていけるよう努力しようと思いました。

・わからないことをそのままにするのではなく、できる限り追究していくことの大切さを感じました。ネットの普及により情報が得やすくなった一方で、正しい情報を得ることが大切になってくるのだと思いました。

・私は将来、指導者を目指しているのですが、このセミナーに参加して、将来の夢に対するアプローチの方法が大切だと感じました。将来の夢に対して、小さな目標を持ち1つ1つ確実にクリアしながらモチベーションを上げていこうと思います。

・「思い込まない、抱え込まない、諦めない」ということを忘れずに頑張りたいと思います。

・「ギリギリの土壇場で、自分の能力が引き出される」という言葉が印象に残りました。

・女性の体の疾患について知ることができました。「負の年表」というのは普段見ることができないので、女性アスリートの「現実」を見ることができて良かったです。とても勉強になりました。

・競技を続けていく中で、ご自身が経験した病気や怪我を通して、どのように競技に向き合っていくべきか考えることはすごく大切なことだと思いました。置かれた環境に対して自分がどうしていけば良いのか、スポーツだけでなく今後の社会生活でも大変役に立つお話を聴くことができました。

 

講師プロフィール

株式会社attainment代表/陸上競技選手 室伏 由佳氏


12歳から短距離・跳躍選手として陸上競技を始め、15歳から円盤投に転向。1999年円盤投の日本記録を樹立。21歳からハンマー投げを始め、国際的にも稀有な投擲2種目を両立。2004年ハンマー投日本記録樹立、アテネオリンピック女子ハンマー投出場。世界選手権2005年ヘルシンキ大会ハンマー投出場、2007年大阪大会は円盤投に出場。2010年広州アジア大会女子ハンマー投銅メダル。2012年競技引退。

室伏由佳氏2006年博士課程後期満期退学(体育学修士号)。現在、研究を継続しながら、複数の大学において客員教授、非常勤講師を務める。スポーツ現場では、小学生から大人まで、またアスリートに向けて、各種運動指導および講演会で講師を務める。

 

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