スマートフォン向け表示
  1. トップページ >
  2. Academics/教育 >
  3. Graduate School/大学院 >
  4. Graduate School of Welfare Society Design//大学院福祉社会デザイン研究科 >
  5. 教員が語る大学院の魅力(人間環境デザイン専攻 水村容子教授)

教員が語る大学院の魅力(人間環境デザイン専攻 水村容子教授)

  • English
  • 日本語

最期まで住み続けることのできる地域・住まいを研究する

水村容子先生

Q.教員としてご自身の専門分野を踏まえ、「研究者として研究」することの意味とは?

研究することとは「説明のつかない社会の現象を捉え構造的に説明できるようにすること」

私は建築計画学・住居学を学び、その中でも、特に高齢者や障がいのある人が暮らす住宅について研究を行っています。住宅という建築空間は、我々人間の日常生活が展開する場所ですが、そのような日常生活の内容は、時間軸・行為軸・空間軸により普遍的な傾向が見出されるものですし、そのような傾向を見出すことがより暮らしやすい豊かな空間の創造につながるのです。建築や空間の計画に限らず、こうしたこれまで誰も説明してこなかった現象から普遍的なモノゴトの構造を導き出し、より豊かな生活の構築に繋げることが、研究のひとつの役割であると考えています。

Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。

具体的な調査対象者との出会いが、私が研究者になったきっかけです

博士前期課程の論文のテーマは、薬害のため上肢に障がいを生じた人々の生活環境整備に関する研究でした。私とほぼ同世代であった調査対象者の皆さんは、社会的な偏見や物理的環境の不整備に屈することなく、様々な方策を取り入れ住環境を整備していました。そのとてもクリエイティブな在り方に感動を覚え、「このような人の生活の営みをもっと研究を通じて明らかにしていきたい」と思い研究者への道を目指しました。私にとって、研究対象が人である場合には、彼らは常に人間の素晴らしさや感動を与えてくださる素晴らしい存在であり、その感動が次の研究への原動力となっています。

Q.教員としてご自身のご専門分野について、現在までにどんなテーマを研究されているのかご紹介ください。

「最期まで住み続けることのできる住まいや地域に関する研究」が現在のメインテーマです

高齢者や障がいのある人を配慮した住宅について一貫して研究してきましたが、その中で日本と相対化をはかるという観点から、北欧のスウェーデンをフィールドとした研究を展開してきました。福祉国家と称されるこの国では、非常に重い障がいを持つ人、そして癌などの病気によって終末期を迎える人であっても、在宅での生活を続けられる環境や仕組みが整備されています。日本は現在、世界に類をみない超高齢社会に突入しており、「地域包括ケアシステム」の構築が急がれています。そのためには、医療や介護サービスの在り方を考えるのと同時に、まちづくりや安心して暮らすことのできる住宅の整備も必要条件となっています。そのような「最期まで住み続けることのできる住まい・地域」を作り出すためには、どのような仕組みや物理的環境整備の視点が必要であるかということについて研究を行っています。

Q.研究者として、つらかったことや、嬉しかったことは?

三つの不安:将来の仕事・将来のパートナー・家族の不安、の間で苦しんだこと

大学院へ入学した年に父が他界しました。独りになった母、そして自分の将来の仕事や結婚生活。大学院へ進学すると同時に、そうした三つの不安を抱えることになり、かなり精神的に辛かったことを記憶しています。そうした時に私を救ってくれたのは、大学院での友人や研究で出会った人々でした。最終的には、苦しみつつも評価する論文を書き上げることができたことが何よりの喜びでした。

Q.大学院で学ぶことの魅力とは?

高い次元から事象を捉え分析的に考えられるようになります。

大学院では、当然のことながら学部時代よりも専門領域について深く学びます。そのことは、自分自身の専門性を高めるだけではなく、社会に存在する様々な事象をより高い次元から捉え分析する力をも養うことにつながります。モノゴトの解釈とは、様々な前提条件の上に存在するものです。深く学ぶことにより、そのようなモノの見方・世界観をも獲得できるのです。そのことが大学院へ進学することへの、最大の魅力ではないかと思います。

Q.大学院で学びを考えている受験生にメッセージを一言。

自分をより一層高めて、素晴らしい人生を掴んでください

様々な学問領域について深く学ぶと同時に研究を通じて試行錯誤を重ねることは、高い専門性の獲得のみならず、人生を豊かにする思考・姿勢をも習得できます。自分をより一層高めて、素晴らしい人生を掴むために、ぜひ進学をお考えください!


プロフィール

氏名: 水村 容子(みずむら ひろこ)

経歴: 現在、東洋大学大学院福祉社会デザイン研究科人間環境デザイン専攻 教授

      1990年 日本女子大学家政学部住居学科卒業、スウェーデン王立工科大学にスウェーデン

          政府給費生として客員研究員

      1998年 日本女子大学大学院人間生活学研究科博士後期課程修了。博士(学術)

      2006年より、東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科

専門: 建築計画学、住居学

著書: 『スウェーデン「住み続ける」社会のデザイン』(2014年) など


(掲載されている内容は2016年5月現在のものです)