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教員が語る大学院の魅力(国際観光学専攻 藤稿亜矢子准教授)

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自身が高校生、大学生のころに、さまざまな地球環境問題が顕著となり「このままでは地球の将来はない」ような気がしてしまったから

 藤稿亜矢子先生


Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。

研究することとは、「好奇心」と「忍耐」

常に広い視野と好奇心を持って、世の中で起きていることにまず興味を持つことが重要だと思いますが、そこからひとつのことを選んで深めるのが研究。その段階では、ひたむきに継続できるような忍耐が重要です。私の専門である環境学では、現在進行形の問題の解決が重要なので、研究することの意味とは、微力ながら社会に貢献することだと思っています。

Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。

自身が高校生、大学生のころに、さまざまな地球環境問題が顕著となり「このままでは地球の将来はない」ような気がしてしまったから

もともとは、グローバルな課題解決に興味があって国際関係の仕事で貢献してみたい、と思っていましたが、そのグローバルな課題をつきつめていったら、私の場合は「環境問題」にいきつきました。更にその環境問題を深く見ていったら、もともと地球を作っている「生態系の破壊」が根源的な問題だと感じ、環境問題の中でも特に自然環境保全に一生関わりたいと思ったことがきっかけです。表向きに自分のたどってきた考えを整理するとこうなりますが、根本的には、子供のころから「自然と生き物」が大好きであることも大きな要因となっているでしょう。

Q.教員としてご自身のご専門分野について、現在までにどんなテーマを研究されているのかご紹介ください。

「人と自然の共生」をテーマとして、自然環境や生態系の保全、その実現のためのシステムと制度の多様性について研究しています。

自然保護は、問題が起きている地域のコンテクストによって適した方法も変わってきます。また、その環境ともっとも近い所にいる地域コミュニティの参画が必須です。このようなことから、地域コミュニティが内包された形での自然保護施策設計に興味があり、ずっと研究してきました。現在は、エコツーリズムやサステナブルツーリズムといった自然環境へ配慮しながら地域活性化に貢献できる可能性を秘めている観光形態について、着目しています。

Q.研究者として、つらかったことや、嬉しかったこと?

研究なんてつらいことが8割。でも、それだけに残りの2割の喜びが大きい。

つらいことは、たくさんありすぎて書ききれません。私の研究はフィールド調査が欠かせませんが、深い自然の中に行けばそれだけ身体的な緊張(感染症のリスクなど含め)は強いられますし、また途上国では生活に多くの不自由があります。一番つらいのは、やはり水が少ない場所に行く時ですね。正直、そのような場所に行っている間は、お風呂はもちろんシャワーもままならないこともありますので、ひどい風貌になっているため、日本の知人には会いたくないです(笑)でも、美しい風景や生き物を生で見ることはこの上ない感動ですし、またさまざまな国でさまざまな人々と出会えのも魅力的です。また、フィールドとは逆に、何時間も何日もパソコンの前に座って書き物をし続けるのもつらいものですが、それも完成した時の達成感が帳消しにしてくれます。

Q.大学院で学ぶことの魅力とは?

大学院生は、教員とともに研究していく研究仲間

大学院で学ぶことは、大学までの「知識を得る」という比較的受け身な学びとまったく異なります。もちろん、教員や自分より優れた 先輩研究者から知識を得ることはたくさんあるのですが、自分から知識を取りに行くかどうか、またその知識を使うかどうか、というところで差が出ます。文献、フィールド、さまざまな場と自ら積極的に接触し、それを使っていくことすることが重要です。教員も、「先生」というよりは同じ研究者仲間の先輩ですから、お互いに知識や考えを共有して切磋琢磨していけるのが大学院なのでは。

Q.大学院で学びを考えている受験生にメッセージを一言。

自身で考え行動できる力を得よう

先述のように、大学院では、与えられた課題をやるというより、自ら知識を取りに行き、その知識を使って、研究を組み立て実践していきます。そのためには、日頃から自分自身で深く考えなければ出来ません。こうした自ら考えて行動する力、というのは、実は研究者のみならず、すべての社会人にとって大きな強みとなりますので、将来的に研究者になるにしても企業で働くにしてもきっと役立ちます。


プロフィール

氏名: 藤稿 亜矢子(とうこう あやこ)

経歴: 現在、東洋大学大学院国際地域学研究科国際観光学専攻 准教授

1992年上智大学外国部学部卒業。社会人を経て、2003年東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻入学、同研究科同専攻博士課程修了。環境学博士。自然環境の保全と持続可能な利用に関わる研究を経てWWF(世界自然保護基金)ジャパンに勤務。2014年より現職。

専門: 自然環境学、共生システム

論文等:TOKO (2016) : Community-Based Eco Tourism as a Tool for Conservation- a Case from Cambodia: Journal of Environmental Information Science 44 (5), pp149-156 

藤稿亜矢子 (2015) : 参加型アプローチ:サステナブルツーリズムの適応に関する考察. 現代社会研究, 12号pp51-60

Toko (2008): Development of a Conceptual Framework for Measuring Social Capital:Journal of Environmental Information Science36 (5), pp87-94


(掲載されている内容は2016年5月現在のものです)