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法科大学院修了生によるリレーエッセイ:第六回

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海堀弁護士編

画像:海堀弁護士 第6回目の海堀さんは平成21年度の新司法試験に合格され、現在、木下・海堀法律事務所に勤務されている弁護士の先生です。

 和歌山弁護士会の海堀です。和歌山弁護士会は会員数130名程度の小規模な弁護士会です。小規模な弁護士会では「多重会務者」と言われる状況が生じており、私は「子どもの権利委員会」、「刑事問題対策委員会・裁判員裁判対策本部」、「公害対策・環境保全委員会」など7つほどの委員会やプロジェクトチームなどに所属しています。
事務所では、一般の民事事件や家事事件、刑事事件や少年事件など幅広く取り扱っていますが、これは地方都市の弁護士事務所一般の状況であると思います。強いて言えば私の場合は同じ弁護士会の同期の弁護士に比べて、観護措置をとられた少年事件の援助依頼を受けることが少し多いように思います。

少年事件の援助依頼を受けたときには、非行を行った少年と鑑別所で何度となく面会する、家庭訪問する、学校訪問する等の活動を通じて少年の抱えている問題や家庭における問題などを分析し、また少年と一緒にこれら問題などについて考えていくこと等により、少年とともに過去の事件内容やその原因、今後の指針など一緒に考えていくといったことが主な活動内容になります。
少年事件においては非行内容、要保護性が審判における審理対象となりますが、非行内容は過去の事柄であるものの、要保護性については少年の可塑性の高さから付添人弁護士の活動内容などによっては要保護性を低下させることもできるものと考えています。
このような活動の中で、家庭環境などの問題から子どもたちを従前の環境に置いておくことができないと考えられる場合に出くわすこともあります。このような場合、児童相談所などと連携をするなどし、家庭とは別のところに住まいを確保する必要があることがあります。児童相談所などの一時保護所などもあるのですが、定員の問題などで利用できない場合もあり、各地域で子どものシェルターというものを設置する動きがあります(*すでに設置されている子どもシェルターとしては全国に8か所(宮城県、東京、神奈川、愛知、京都、岡山、広島、福岡)あります。以下のリンク先参照)。和歌山弁護士会でも子どもシェルターを設置するかプロジェクトチームで検討中であり、私もそのプロジェクトチームの一員です。プロジェクトチームの活動として全国の子どもシェルターの視察や、和歌山県内の入所対象となる子どもの人数を児童相談所に問い合わせるなどしています。
このような子どもに関わる活動は決して利益につながる仕事であるとはいえません。しかし、子どもは保護されるべき存在であります。適切な保護を受けられない場合に、子どもは自力で解決することが難しいことから、適切な保護を受けられるよう弁護士として取り組まねばならない仕事であるのではないかと考えています。

私はまだまだ弁護士としては駆け出しの存在でありますが、このような子どもに関わる仕事は少年事件の援助依頼を受ける中で影響を受けて関わるようになったものです。「弁護士は、日常の仕事の中で様々な影響を受け、自ら選ぶと否と関わらず方向づけられていくもの」と法科大学院の実務家教員の先生方が話してくださっていたことを今、思い出しています。
法科大学院生の皆さまが、法科大学院の先生方等から様々な刺激を受け、法曹として活躍されるようになることを期待しています。

プロフィール

既修者コース平成18年3月修了
新司法試験 平成21年度 合格
和歌山弁護士会所属

全国の子どもシェルター
社会福祉法人 カリヨン子どもセンター(東京都)
特定非営利活動法人 子どもシェルター てんぽ(神奈川県)
特定非営利活動法人 ロージー・ベル(宮城県)
特定非営利活動法人 子どもシェルターモモ(岡山県)
特定非営利活動法人 ピピオ子どもセンター(広島県)
特定非営利活動法人 そだちの樹(子どもシェルターここ)(福岡県)
特定非営利活動法人 子どもセンターののさん(子どもシェルターはるの家)(京都府)

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