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修了生によるリレーエッセイ「赤ひげだより」~第11回・中澤範行先生編~

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中澤範行弁護士編

第11回目の中澤範行さんは平成23年の司法試験に合格され、現在、セメダイン株式会社に勤務されている弁護士の先生です。

中澤先生お写真1

私は、2013年4月に弁護士登録した中澤範行と申します。これまで「赤ひげだより」に寄稿された先生方と異なり、「組織内弁護士」(企業内弁護士・行政庁内弁護士)でして、簡単言ってしまえば「会社員」として働いています。現在、私が勤務しているのは、「セメダイン株式会社」という接着剤の会社です。「セメダイン」という接着剤をご存知の方もいらっしゃると思いますが、そのまま会社名でもあるのです。

中澤先生2それでは、弁護士が会社員としてどんな仕事をしているのか。

まず、「組織内弁護士」についてご説明しましょう。「組織内弁護士」とは、「インハウスロイヤー」などと呼ぶこともありますが、官公署又は公私の団体において職員若しくは使用人となり、又は取締役、理事その他の役員となっている弁護士をいい(弁護士職務基本規程第50条)、特に、企業の従業員、使用人、役員として職務を遂行している弁護士のことを「企業内弁護士」と呼びます(社内弁護士と呼ぶ場合もある)。私も当てはまる「企業内弁護士」は、会社の法務部等に所属して、契約書の作成・チェック、取引先・相手方との交渉、株主総会対策、知的財産戦略・管理、労働問題対策、コンプライアンス関連、規制法・監督官庁対応、訴訟の管理、訴訟代理人、顧問弁護士対応といった、法律のプロとしての知識・経験を活用する業務を担当しています。

次に、私自身の仕事をご紹介いたします。

私は、セメダイン社の「人事総務部総務課」という部署に所属しています。「総務課」というのは、一般的に、企業内の事務業務を全てつかさどる部門で、他部門をサポートする役割を担っています。会社の受付業務、事務用品・備品の調達、職場環境の整備から株式業務、文書管理、広報窓口まで幅広い業務を担当し、どの部署にもあてはまらない業務は総務課の担当になることが多いと思います。セメダイン社では、法務に関する業務についての専門の担当部署はなく、総務課が担当しています。

 そして、私自身が総務課員として携わっている業務としては具体的には次のようなものがあります。法務関連のものとしては、契約書の作成・チェック、株主総会の運営、クレーム対応、顧問弁護士との窓口など訴訟対応、取締役会の窓口、適時開示文書の作成、コンプライアンス関連、その他法律相談などが挙げられます。これらの他にも、総務課の仕事は全般的に業務範囲に含まれています。ですから、例えば「あれとこれをくっつけたいのだけれどどの接着剤がいいか教えてほしい。」という接着に関する相談の電話に応対して担当部署につないだり、配達された荷物の受取りをしたり、倉庫の整備や朝礼の準備などもしています。とにかくいろいろなことをさせてもらえるので、日々充実していて退屈する暇などはありません。

あ

これまでの経験から、「企業内弁護士」という働き方は非常に面白いというのが実感です。会社の一員である以上、社外の人間ではなく経済活動の主体の一員ですから、どうしたら会社の利益になるかを考え、最終的な意思決定に加わることができる、いわば法的知識を駆使して経済活動におけるプレイヤーの一員となることができるという点が魅力です。また、法的リスクを考慮しながら利益の最大化を目指すのですから、法律家の常識だけでなく会社や業界の常識も持ち合わせ、法律面と経営面の両者にまたがる複眼的な思考をしなければならないという難しさがある点にもやりがいを見いだせます。ちなみに、企業内弁護士は、会社内のさまざまな部署・立場の人との間で、法律と経営の両方の観点での調整を図らなければならないのですから、なによりもコミュニケーション能力が要求されます。

これから法曹を目指す皆さんには、キャリアの選択肢の一つとして「企業内弁護士」に興味を持っていただけましたら幸いです。ただ会社組織や企業活動というものに興味を持っていただくだけでも、会社法のイメージがつかみやすくなるような気もいたします。

 

プロフィール

未修者コース平成21年3月修了

新司法試験 平成23年 合格
東京弁護士会所属