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修了生によるリレーエッセイ「赤ひげだより」~第9回・大澤先生編~

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大澤弁護士編

第9回目の大澤一隆さんは平成21年の司法試験に合格され、現在、虎ノ門共同法律事務所に勤務されている弁護士の先生です。

 

大澤先生 法律事務所の風景写真

私は本学4期既修の大澤一隆と申します。修習期は新63期であり、現在、虎ノ門共同法律事務所という事務所で勤務弁護士をしています。私の働いている事務所はいわゆる街弁的なところですので、民事・刑事問わず様々な案件を扱っており、その中には非常に面白い事件(表現が不適切かもしれませんが)もありますが、業務内容は一般的なものであり、今までエッセー文を寄稿された諸先生方に比して特殊な事務所にいるというわけではないと思います。

そこで、今回は、私が携わっている活動のうち、皆さんにはあまり馴染みがないであろう弁護士会の会派、いわゆる派閥の活動についての話をすることにします。

私は弁護士登録に伴い東京弁護士会に所属しましたが、東京には東京弁護士会(東弁)、第一東京弁護士会(一弁)、第二東京弁護士会(二弁)という3つの弁護士会があります。東京で弁護士をやる以上は、この3つの会のどれかに入らねばならないのですが(これと同時に日弁連への登録も行われます。)、どの会に入るかは個人の自由です。もっとも、就職先の事務所の意向で決まることが多いと思われます。

東弁の中には、さらに法友会、親和会、期成会、水曜会といった派閥があり(派閥には必ずしも入る必要はないので無派閥の人もいます。)、この4つの派閥もさらに枝分かれします。私の所属する法友会も1部から12部までの部で構成されています(9部は欠番)。ちなみに私は11部達成会に所属しています。また、この各部とは別に登録15年目までの若手弁護士によって構成される法友全期会という会もあります。そして、私は、昨年度は11部達成会の執行部を務め、本年度は法友全期会の執行部を務めています。

このような話をすると、「弁護士はみな独立して仕事しているはずなのに、どうして派閥なんてものがあるのか?」と疑問に持つ方も少なくないのではと思います。また、「具体的に派閥は何をしているのか?」という素朴な疑問も持たれるでしょう。もちろん母体の規模(日弁連>東弁>法友会>法友全期会>達成会)によって活動内容やそのスケールも変わってきますが、概ね以下のような活動をしています(かなりざっくりですが。)。

(1)政策…弁護士を取り巻く内外の問題についての政策決定(タイムリーなものだと震災・原発問題や法曹人口・法科大学院制度問題)

(2)人事…日弁連会長、東弁会長等の各会の役員の輩出(毎年、どの派閥から誰が立候補するなどの話題で選挙シーズンは盛り上がります。皆さんご存知の上田智司先生(親和会)は平成22年度の東弁副会長です。)

(3)若手育成…各種研修のセッティング

(4)懇親…各種イベント(飲み会、旅行、ゴルフ、ソフトボール、ボーリング、スキーその他もろもろ)のセッティング

私は現在、法友全期会の執行部として法律相談・メンターシップ委員会に配置され、若手支援を目的とした法律相談(中野サンプラザにて法律相談会を実施。形態としては1~3年目位の若手弁護士が先輩弁護士と二人一組で相談を受け、場合により事件を共同受任することで、若手のスキル・キャリアアップ及び経済支援に資することを目的としています。ちなみに、もちろん相談者の権利救済も目的です。)の開催の準備作業をしていますので、上記(3)の活動に携わっているといってよいのではないでしょうか。ただ、上記法律相談の第1回の開催は7月ですので、具体的にどのようなものになるか私自身まだよく分かりません。そして、上記(1)の政策についての詳しい議論内容もよく理解していません。一方、法友全期会の執行部会の後には必ず懇親会がありますので、結局のところ、私は現時点ではお恥ずかしながら上記(4)の懇親を楽しんでいるだけという状況です。

しかし、実はこの懇親こそが派閥活動の中で非常に(特に若手にとっては)重要なものなのではないかと私は考えています。

基本的に弁護士は個人事業主(多くの勤務弁護士もボス弁との関係は委任契約に基づくものであり、労働者ではありません。)ですから孤独な存在です。そのため、派閥活動に参加しなければ、活動範囲は所属事務所内に限られてしまいます。そうすると、事務所内の問題で悩んだときに相談できる人がいないという状況に陥ったり(幸い私は事務所に恵まれましたが。)、悩ましい案件を抱えた時に事件の処理方法についての視野が狭くなってしまうという弊害が生じるのではないかと思います。このような時には、弁護士の悩みは同じ弁護士でなければ理解できませんから、他業種の友人に相談してみてもあまり意味はありません。

ですから、弁護士にとって、他の事務所の弁護士と交流を持つということは、自身の精神の安定のためにも、弁護士としての見識を深めるためにもとても大切なのですが、そのような他の事務所の弁護士と交流する機会を与えてくれる場が派閥であると思います。そして、派閥活動に参加している先輩弁護士の多くは、弁護士として道を踏み外すことなく、公益活動も行いながら、経営の面でもある程度成功している弁護士です。また、同期や後輩の弁護士にも非常に優秀な人たちが多くいます。そのような先輩弁護士、同期弁護士、後輩弁護士と接する機会を持ち、酒を酌み交わしながらざっくばらんに様々な情報交換をすることは、自身の弁護士としての視野を広げるために非常に役立ちます。何よりも、世代を問わず多くの弁護士と親しい人間関係を作れるということ自体が素晴らしいことだと思います。 

以上の次第ですから、私は、業務の傍ら、今後もできる限り派閥の活動に参加していくつもりです。そして、いずれはこのような活動を通じて社会に貢献できればと考えています。

皆さんも司法試験に合格され、法曹3者の中で弁護士という道を選択された際には、是非とも派閥の活動にも積極的に参加していただければと思います(もちろんご自身の業務が第一ですが。)。参加すればいろいろと楽しいこともありますし、弁護士同士の良い人間関係も築けますから損はしないはずですよ。 

プロフィール

既修者コース平成21年3月修了

司法試験 平成21年 合格

東京弁護士会所属