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修了生・在校生が語る大学院の魅力(徳竹圭太郎 さん)

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教育学専攻 博士前期課程修了生 徳竹 圭太郎さん

広く教育についての見識が深められる

徳竹 圭太郎

Q.大学院に、進学しようと思った動機・経緯は?

 友人達と運営していた教職系サークルで模擬授業や教育研究を行う中で、本当にこのまま教師になっていいのか、自分は子供達を育てることが出来るのかという葛藤が生まれ、大学院進学を考えるようになりました。人より2年長く学生を続けるということに対する恐れはありましたが、他大学の修士課程に進学予定だった友人の「2年遅れるんじゃない。2年間、ここで戦うんだ」という言葉に勇気付けられ、進学を決意しました。修士課程卒業後、都内の私立中高一貫校に非常勤講師として勤務し、授業実践を行う中で追求したい課題を持ったため、2017年度、東京工業大学の博士課程に進学しました。

 

Q.なぜこの大学院を選んだのか?

   教育を学問として追求していくためには、認知心理学、情報工学、社会学、哲学など、様々な学問分野についての知識が必要になります。学部時代に教育工学という学問分野に興味を持ち、他大学の院で学ぶことも考えましたが、東洋大学の大学院には、教育に関する様々な分野の第一人者が集まっており、広く教育についての見識が深められると考え、進学を決めました。また、私立大学でありながら、国立大学並みの授業料であったことも、進学を決めた理由の一つです。

               

Q.大学院で学んでみて気づいたこと・発見したことはありますか?

 研究テーマを立て、論文としてまとめ上げていく中で、物事を客観的に見る姿勢が身についたと思います。教育という分野に限らず、あらゆる実践の場では実践者の主観が重視されますが、それと同様に客観的で信頼性の高い情報を集めて、判断を下すという考え方は非常に重要です。自身の考えは本当に正しいのかということを深く考え、それを検証するための手法を確立し、実証していくという思考のあり方は、大学院で研究テーマを追求していく中でこそ得られるものであると考えています。              

 

Q.大学院の魅力は?

 私は修士1年目の10月から、私立学校の非常勤講師として働き始めました。大学院の授業や研究との両立は困難でしたが、東洋大学の大学院は社会人学生を対象とした夜間授業も多くあるため、問題なく単位の取得や研究相談を進めることができました。私のように、現場で働きながら学びたいと考える人を支援するための環境が、東洋大学にはあります。 

 

Q.大学院生活でつらかったことは?

 教育のような現場があるものを研究テーマとしようとする場合、「必然性がある課題」を発見することが重要になります。現場の中で得られた課題を、いかに解決するか考える中で、良い方法やツールが生み出されます。しかし、現場経験のない学生だったため、先行研究を読んでまとめていても、中々追求したいと思うテーマに出会うことができませんでした。修士2年目にようやく研究テーマが定まった頃には、に常勤講師として働き始めていたため、研究時間の確保と教材開発で時間が削られ、どちらに対しても満足するまで取り組むことが出来ませんでした。

 

Q.論文の研究テーマ・授業の内容

 修士時代には「社会科歴史系教科における創造的思考力の指標の開発」という研究を行い、熟達社会科において育成すべき創造的思考力とは、具体的にどのような力であるかという指標の開発を行いました。この頃から,学習者の創造性の育成に興味を持ち、現在では協調学習を支援するためのシステム開発と、そこから得られる教育情報の処理をテーマに研究を進めている。

 

Q.指導を受けた教員とのエピソードを教えて下さい。

1)算数数学特講 長谷川勝久 先生

 算数・数学特講という授業名でしたが、数学教育に関する内容だけではなく、構造的なテキストデザインや、コンセプトマッピングアプローチによる生徒の構造的な理解の促進・評価について学ぶことも出来ました。講義形式ではなく、他の院生とのグループワークやディスカッションを通して、学びを深めることが出来ました。大学院の授業の中で、最も印象に残っている授業です。

 

2)社会科教育法 栗原久 先生

 テキストの輪読を中心に、社会科の授業で教えるべきことは何か、どのような方法が有効かといった教科教育に関するディスカッションを行いました。教師の立場・子供達の立場から見た教育の違いについて、深く考えさせられました。教職経験を積んだ今、もう一度あの授業を受けてみたいと感じます。今度こそ、先生を論破できるかもしれません…

 

Q.大学院での学びが、今どんな形で役立っていますか?

 私は現在私立学校の講師をしています。生徒に問題を提示し、それの解決策を考えさせる「問題解決型」の授業を展開していますが、問題が生じる原因について追求できるように、コンセプトマップを用いて知識構造を整理させています。現在大学入試改革に伴い、現場では「アクティブラーニング」の必要性が叫ばれていますが、単に授業の手法を工夫するのではなく、生徒達の能力をどのように伸ばしたいのかという授業目標を明確にし、それを達成させるためにはどのような活動を組む必要があるのかを考えることが重要です。大学院では、教育に関する幅広い領域の知見を深めることが出来ましたが、それ以上に研究活動を通して身についた、「どこに課題があるのか」「それを解消するためにどのような方法が考えられるのか」「その方法は本当に有効だったのか」というPDCAサイクルの考え方は、現在私の授業設計、評価の根幹になっています。

 

Q.大学院の費用などはどのように工面していましたか?

大学院進学の費用は親が出してくれました。私が大学院進学を決めたのは大学4年になってからでしたが、家族は大学入学段階で進学の準備をしてくれていたようです。生活費はTAや学校の講師をやりながら捻出していたため、時間的な余裕は一切ありませんでしたが、現場で実践経験を積めたのは大きかったと思います。

 

Q.現在の1週間、または1日のスケジュールは?

4時00分起床 出勤前に授業の最終調整
7時00分出勤
8時35分勤務開始 空き時間で教材研究、授業作成
15時15分退勤
16時00分大学院の研究室に向かう 足りない分の授業準備、データの準備、先行研究探しなど
23時00分帰宅
0時30分

就寝

 

Q.今後、東洋大学大学院を目指される方たちへのメッセージを

 大学院では学部の頃よりも色々な学問分野に触れる機会が多くあり、自分の知識が増えていくのを実感します。それだけでも充実感はありますが、やはり大学院は研究機関です。研究者の世界に一歩踏み出し、未知なる課題を追求していくのだという姿勢を大切にしてください。

 


プロフィール

徳竹圭太郎 さん

東洋大学大学院在学時から都内の私立高校の講師として勤務。社会科の授業研究に従事する中で、工学的なアプローチによる授業改善の必要性を感じ、東京工業大学の博士課程に進学。現在、私立学校の講師をしながら、教育工学に関する研究を行っている。

 


(掲載されている内容は2017年5月現在のものです)