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教員が語る大学院の魅力(史学専攻 村田 奈々子教授)

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長期的な展望に立って学べる喜び

村田先生


Q.教員としてご自身の専門分野を踏まえ、「研究者として研究」することの意味とは?

 研究することとは、「新たな発見」と「地道な努力」

近現代ギリシアと東地中海地域の近現代についての研究を専門としています。

この分野は、日本では未開拓の分野です。古代にくらべて、今日のギリシアは国際社会における役割が大きなものではないのがその理由のひとつです。

とはいえ、この地域の歴史が「無」だったわけではありません。未開拓の領域の研究は新たな発見に満ちています。一方で、史料収集など一から自分で開拓するという地道な努力も必要です。

 

Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。

 もっと知りたいという知的好奇心から研究者になりました

大学に入学した時は、研究者になることは考えていませんでした。

しかし、学部のときに、先輩に誘われて近現代バルカン史に関するギリシア語の文献講読の勉強会に参加したことで、近現代のギリシアの歴史についてもっと知りたいと思うようになりました。ギリシアを訪れて、実情を目にし、ギリシア人と交流をすることで、その思いは強くなりました。

 

Q.教員としてご自身のご専門分野について、現在までにどんなテーマを研究されているのかご紹介ください。

 近現代のギリシア国家、および歴史的にギリシア文化圏にあった地域の歴史について研究してきました

これまでの研究は、三つに大別されます。

第一に、19世紀から20世紀にかけてのギリシアの国民国家形成をめぐる、政治・文化・社会上の諸問題です。

第二に、近代ギリシアにとっての古代ギリシアの意味と役割、そこから派生する近代ギリシアのアイデンティティ形成を軸とした問題群です。

第三に、近現代ギリシア史を、国家としてのギリシアの歴史だけではなく、東地中海から、ヨーロッパ、北米、オセアニアにも及ぶエスニックな意味でのギリシア人、およびギリシア文化の担い手を対象とした、地理的により広い枠組みの中に位置付けるための、地域的連関を考察してきました。

 

Q.研究者として、つらかったことや、嬉しかったこと?

 相談できる研究者が日本ではほとんどいなかったことは大変でしたが、アメリカの大学院で恵まれた環境で研究できたことは嬉しかったです。

日本では未開拓の分野であるため、相談できる研究者がほとんどいませんでしたし、史料に関する情報交換をする機会もありませんでした。すべてにおいて独力で研究を進めなくてはならなかったことは大変なことでした。

しかし、アメリカの大学院では、史料の点からも、相談できる研究者という点からも、非常に恵まれた環境で研究を続けることができたことは嬉しかったです。

 

Q.大学院で学ぶことの魅力とは?

 長期的な展望に立って学べる喜び

学部での勉強は、まだ「研究」といえるほどのレベルにはとても達しません。あるテーマについて本格的に探究したいと考えるのであれば、大学院に進学して長期的な展望に立って学ぶことが必要となってきます。史料を探し、それと向き合い、解釈し、論文として仕上げるには時間がかかるものです。大変な労力を要しますが、そこには必ず喜びがあります。

 

Q.大学院で学びを考えている受験生にメッセージを一言。

 知的喜びを味わうという贅沢な経験

研究するということは、決して楽しいことばかりではありません。むしろ、つらいことのほうが多いでしょう。

しかし、そのつらい研究を通して、新たな発見をしたり、一つの論文を仕上げたりした時の喜びは、何物にも代えがたいものです。大学院での研究は、知的な喜びを味わうという贅沢な経験をみなさんに与えてくれるはずです。

 


プロフィール

氏名: 村田 奈々子(むらた ななこ)

経歴: 現在、東洋大学大学院文学研究科史学専攻 教授

東京大学文学部西洋史学科卒業、ニューヨーク大学大学院歴史学科博士課程修了

専門: 専門は近現代ヨーロッパ史(近現代ギリシア史)

著書: 『物語 近現代ギリシャの歴史』(中公新書、2012年)

    『学問としてのオリンピック』(共編著)(山川出版社、2016年)など

http://ris.toyo.ac.jp/profile/ja.edc2ffb6341b37ae52492d0c9f7e633e.html


 (掲載されている内容は2017年5月現在のものです)