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修了生・在校生が語る大学院の魅力(播本崇史さん)

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文学研究科中国哲学専攻 博士後期課程修了生

東洋大学文学部非常勤講師 

 自分の学問領域に限定されることなく、幅広く学べたところが魅力の一つです


Q.大学院に、進学しようと思った動機・経緯は?

小学校低学年のとき、世を騒がせた連続殺人事件があり、転校した先の小学校の子が被害者の一人でした。また大学入学したての頃、中学校で同級だった女の子が、通り魔事件の被害者となりました。そうしたことから、大学に入学してからは、人にとって一番大切なものは何だろうなどと、漠然とした疑問を抱くようになり、中・高と中断していたキリスト教会にも、再び通うようになりました。そのようななかで、大学での学び(中国学)と教会での説教との切り結びに興味を持ち、きちんと学んでみたいと思い、大学院への進学を意識するようになりました。長い中国の歴史においては、実に多様な人間像が記録されており、学部の授業で、そういった先人たちに学ぶ面白みに気づかされたことが、中国哲学専攻に進学した直接的な動機となりました。

Q.なぜこの大学院を選んだのか?

受験を考えたときには、他のいくつかの大学院とも一度は比較検討しました。結局のところ、ここに自分の関心を深められる環境があると思えたことが一番大きな決め手となりました。学部時に受けた中国学の講義で、キリスト教に関する内容があり、それがたまたま当時の関心事とも重なったことから、卒業論文の題材に取りあげました。それは、大学院進学後の研究テーマともなりました。学部に引き続き、当時在籍しておられた先生の指導を仰ぎたいと思ったことがこの大学院を撰んだ理由です。                    

Q.大学院で学んでみて気づいたこと・発見したことはありますか?

自分なりに分かったつもりでいても、本当に分かるということは、なかなか容易ではないということです。当然と思っていたようなこと、分かった気になり知識として獲得していたようなことでも、改めて検証し直してみると、そこに新たな発見や有益な気づきがあり、これまでの理解では不十分だったということが多々ありました。それはいまだに起こりうることですが、大学院では、そのような学びの楽しさに、改めて気づかされました。                 

Q.大学院の魅力は?

中国哲学専攻には、中国哲学・中国文学等、様々の講義が開講されており、自分の学問領域に限定されることなく、幅広く学べたところが魅力の一つです。在籍する院生たちの関心が多様性に富んでいたため、それぞれの専門を基底としつつ、日頃から自由に意見交換や議論ができたことは、非常によかったと思います。古典世界の文化の担い手たちが、どのような世界に生きていたのか、自分だけの学びでは至りつけないようなことに、仲間との交流が気づかせてくれました。また、本部を東洋大学に置く「白山中国学会」という学会でも、様々な分野の先生方や先輩方から質疑をいただいたり、研究発表を拝聴することができ、刺激的で充実した学びの場が設けられていました。さらには、東洋学研究所と国際哲学研究センターに、院生研究員やR.A.として在籍させていただき、西洋哲学やインド哲学等、学際的な環境のもと研究することができました。また、図書館利用に際して、他大の図書館を比較的自由に利用できたことも、魅力の一つです。東洋大学付属図書館も充実してますが、白山校舎にないものについては、他大の図書館に文献複写や現物貸借を依頼することができ、さらには、近隣の大学図書館(山手線コンソーシアム加盟大学や、佛教図書館協会加盟大学)を、気軽に利用することができます。文献を気ままに手にとって確認し、直接コピーもできたので、結果的に時間も短縮され、安上がりになったので助かりました。

Q.論文の研究テーマ・授業の内容

明代に来華した天主教(キリスト教)思想と中国伝統思想との邂逅、その融合と衝突がテーマでした。西来の神父たちは、現地で修得した漢語によって布教活動を行いました。天主とは何か、人は死後どうなるのか、善や悪の基準は何であるか、罪から救われるにはどうすればよいか等等、全て漢語によって説かれています。当時の明人は、キリスト教の知識が皆無でしたが、そういう人々に対し、神父たちがどのようにその教説を説いていたのか、ということに興味がありました。そこで、神父たちが伝統的な漢語概念をどのように理解し、どのような教説に活用し応用していたのか、ということについて研究しました。例えば、両者の世界観は全く違いますが、明末天主教説の人間観については、儒教が説いてきた人間理解の思惟構造を応用していることが分かりました。そのことからは、東西思想に通底する人間観の原像を窺い知ることができると言えます。そのためには、儒教理解をしっかり踏まえねばならず、大学院の授業で取り組むこととなりました。また、哲学や文学といった学問的枠組みに限定されず、多様な側面を有していた人物たちの思想や、古代史に対し、批判的検証を加えた実証的な近代学術のあり方、等等、授業での具体的な文献読解に基づきながら、改めて学び知ることができました。            

Q.大学院での学びが、今どんな形で役立っていますか?

現在は、東洋思想文化学科で非常勤講師をしています。学部から大学院で学んできたことを、後輩たちに少しでも還元できればと思っています。

Q.お金のやりくり方法や授業料などの捻出方法や、生活費のやりくり方法など工夫した点や家族や職場のエピソードなどがあれば教えてください。

実家暮らしでしたが、大学院からの学費、書籍代、生活費等については、すべて自分で賄うようになりました。前期課程在籍中は学部時代から行っていた損保会社でのアルバイトを継続し、学科T.A.やS.A.を、後期課程では、学科T.A.やR.A.を担わせていただきました。一時、T.A.と損保会社というダブルワークに陥ったため、損保会社のシフトを変更するなど工夫はしましたが、土日はもちろん、盆正月も含め、1日も休日の無い日が続いた時期がありました。そのため、資金面での不安は全くありませんでしたが、自分の作業にじっくり集中する時間が取れなくなってしまい、結局損保会社のアルバイトを完全に辞めることにしました。当時の指導教授の先生からも、生活の安定と、研究とのバランスの取り方が大事だ、というようなことをよく言われていました。

Q.今後、東洋大学大学院を目指される方たちへのメッセージを

各分野での著名な先生方がおられ、図書館も充実しており、東洋学研究所や国際哲学研究センター等での学際的な研究環境も整っています。きっと自分自身の研究に活かせることでしょう。

プロフィール

東洋大学文学部中国哲学文学科卒業後、同大学院文学研究科中国哲学専攻に進学。大学院修了後は、非常勤講師として現在に至る。                                             

(掲載されている内容は2016年5月現在のものです)