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教員が語る大学院の魅力(日本文学文化専攻 岡崎友子教授)

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「日本語」を研究することは「自ら」を知ること

 岡崎先生


Q.教員としてご自身の専門分野を踏まえ、「研究者として研究」することの意味とは?

 「日本語」を研究することは「自ら」を知ること

私たちは日々、日本語でものを考え、コミュニケーションを取りながら生活しています。その日本語を知るということは自らを知ることでもあり、さらに古代語を研究することは、私たち日本人のルーツを知ることにもなると思います。鏡を見ることでは得られない、人の内側への探求が日本語研究では可能であると考えています。

Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。

高校の古文と海外旅行がきっかけです。

短大を卒業後、旅行会社に就職しました。それはそれで楽しく働いていたのですが、休暇・研修で海外に行くうちに、海外で日本語を教える教師になりたいと思うようになりました。そして、数年間勤めた後、大学に編入し日本語教育の勉強を始めたところ、色々な大学の授業を受けるうち、そもそも古文の文法が好きだったことを思い出すようになりました(高校の頃、ノートに古文の本文を書きうつし、形態素で切り、品詞・活用形・意味を書くのが趣味でした)。そこで、学部時代の指導教員に相談したところ、大学院進学を勧められ受験し、研究者への道を歩むようになりました。ちなみに大学院は別のところで、新しい指導教員に付くことになりました。そのゼミが自由なのですが、学問では大変厳しかったので、研究者として良い経験を積むことができたと思っています。

Q.教員としてご自身のご専門分野について、現在までにどんなテーマを研究されているのかご紹介ください。

上代から近現代までの指示詞・接続詞の用法と変化を研究しています。

「これ・それ・あれ」「こう・そう・ああ」といった指示詞を研究しています。

現代語では指示詞はコ・ソ・アの3系に整然とまとめることができるのですが、古代語では指示代名詞がコ・ソ・カ(ア)の3系、指示副詞がカク・サと2系と、かなり違った体系であるように見えます。それを疑問に思い、調査・研究を始めました。研究を始めて10年くらいは、現代・古代語(中央語)を中心に分析していたのですが、今は方言、外国語との比較もおこなっています。さらに近年は、指示詞と関係が深い接続詞「そこで、それで」「されば」等も研究対象としています。   

また、コーパス研究(日本語歴史コーパス)も行っています。コーパスは、電子テキストに読み・品詞・活用等の形態論情報が付与されているので、従来の紙等の総索引よりも、語の収集が遥かに早く確実であるのと、より高度な検索や集計を行うことができます。国立国語研究所で、開発と活用のお手伝いをしています。

Q.研究者として、つらかったことや、嬉しかったこと?

大学院時代は、楽しい毎日でした。

たぶん、まわりから見ると、かなり辛い生活をしているように見えていたと思います。上記に書いたように、一度、社会に出て進学し、学費・生活費はすべて自分でどうにかしていたため、ほぼ休み無く毎日働き、そして大学院に通っていました。そんな生活の中でも、古代語を調査するうちに見えてくるもの、そして将来の夢があったので、辛い・辞めたいと思ったことは一度もなく、楽しく過ごしていました。チャレンジの途中は、そのようなものではないでしょうか。

また、苦労して得た研究成果が、憧れていた学会誌に掲載された時の喜びは、表現できないほどでした。さらに、まわりの理解があったことも、良い結果を生み出せた理由だと思います。両親・友人には色々と助けてもらいました。

Q.大学院で学ぶことの魅力とは?

学問がそこにある。

学部でも、もちろん色々な事を学ぶことができます。しかし、研究となると、学部は未熟な第一歩というところではないでしょうか。 大学院ではたくさんの書籍・論文を読み、教員そして内外の他の大学院生と交流し議論することで、研究すること(分析・理論の構築)の本当の姿が見えてきます。学会に積極的に参加することも重要で、色々な人から多くの刺激を受けることができます。

大学院は、思考することの楽しみを見いだせるのが、一番の魅力であると思っています。

Q.大学院で学びを考えている受験生にメッセージを一言。

人生は長いです。

大学4年も通い、さらに2年(もしくは5年)も・・・と思って、踏みとどまっていませんか。現在では寿命は80数年、そこから考えれば、2年は短いものです。それよりも、若い時の2年、思いっきり学問するほうが、自分のこれからの人生を考えても良いことだと思いませんか。

若いうちは、人生を彩るための種を蒔き、水や栄養分を与え、そして大きく綺麗な花を咲かせられるように、上を向いて伸びる時期です。踏み出してみてください。


プロフィール

氏名: 岡﨑 友子(おかざき ともこ)

経歴: 現在、東洋大学大学院文学研究科日本文学文化専攻 教授

    2004年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。

    2004年から2006年まで大阪大学助手、

    2006年から2012年まで就実大学講師・准教授、

    2012年より東洋大学文学部。

専門: 日本語学(国語学)

著書: 『日本語指示詞の歴史的研究』(2010年)など


(掲載されている内容は2016年5月現在のものです。)