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教員が語る大学院の魅力(公法学専攻 萩原滋 教授)

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適正な処罰と人権保障の確保

萩原滋先生

Q.教員としてご自身の専門分野を踏まえ、「研究者として研究」することの意味とは?

 適正な処罰と人権保障の確保

刑法は罪を犯した人を罰する法律であるが、罪を犯していない人や罪に当たらない行為をしたにすぎない人に刑を科することがあってはならない。その意味で刑法は社会防衛のための国家装置であるとともに、いわれのない科刑から市民を守るマグナ・カルタであるともいわれる。

研究者として刑法を研究する意味は、判例や学説を深く理解するというだけでなく、隣接科学の諸成果をも踏まえて、適正な処罰と人権保障を確保するという刑法の目的達成のために学問的な側面から貢献することにあると思う。

 

Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。

 恩師との出会い

私は、研究者になろうという強い意志の下で大学院に入学したわけではなく、オイルショックのあおりでよい就職先が見つからなかったこともあって一種のモラトリアムとしてひとまず大学院に入学したという格好であった。

それでも大学院では、恩師である西原春夫博士の薫陶もあり、刑法学の面白さを知った。修士論文のテーマは西原博士から与えられた罪刑法定主義であった。

 

Q.教員としてご自身のご専門分野について、現在までにどんなテーマを研究されているのかご紹介ください。

 罪刑法定主義、実体的デュー・プロセス

罪刑法定主義とは「法律なければ、刑罰なし」という、大陸法において確立された形式的な人権保障原理であり、成文の刑法を持たなかった英米系の刑法には本来存在しない原理であった。

英米刑法において大切にされている原理はデュー・プロセスの保障(適正な過程を経て刑罰を実現すること)であり、それは主として刑事訴訟に適用される原理であったが、第2次大戦後のアメリカではその原理は実体刑法にも適用されるという考え方(実体的デュー・プロセス)が広まっていた。

それで、大学院博士課程に進学してから現在に至るまで上記のテーマを追って研究を続けている。

 

Q.研究者として、つらかったことや、嬉しかったことは?

 就職難、安定した生活

大学院生時代に順調に研究成果を蓄積できたわけではなく、希望していた大学教員の職を得るのは容易ではなった。

結局、専任教員の職と安定した収入を得ることができるようになったのは40歳を超えた頃であった。その間に博士(法学)の学位を取得できたことが役立ったように思う。

 

Q.大学院で学ぶことの魅力とは?

 研究に没頭できること

前期課程の在学中は、修士論文のテーマに関係することですら良く知らない歴史的事実や関連判例や学説を学習したり、文献を読み込むだけで2年間があっという間に過ぎ去ったという印象がある。ある程度深く学習した人でないと、研究の面白さや奥深さは分からないように思う。

後期課程になると実体的デュー・プロセスの研究に取りかかり、日本刑法学会の入会も果たした。学会の大会は年に1回開催され、その折にいわゆる大家と呼ばれるような学者の方々とも面識を得ることができた。刑法学会は大会のほかに各地の部会も行われており、大学院生もこれへの参加が許されている。

 

Q.大学院で学びを考えている受験生にメッセージを一言。

 来たれ、研究意欲のある人

大学院法学研究科への入学をめざす人は学者や研究者志望の人ばかりでありません。公務員や専門職に就くためのキャリアの一環として本研究科に入学し、勉学を続けている人も少なくありません。本研究科では、そうした人々に適した学術研究コースとして公務員コースが設けられているほか、資格試験の学習に対応した履修科目も設定されています。

東洋大学大学院法学研究科は様々な目標をもって星雲の志を抱く人々が各人の目標達成のために、たがいに切磋琢磨し、研鑽を積む場を提供しています。教員と学生の距離も近く、丁寧な学生指導には定評があります。

本研究科の門戸は研究意欲のある人のために常に開かれています。

 


プロフィール

氏名: 萩原 滋(はぎわら しげる)

経歴: 現在、東洋大学大学院法学研究科公法学専攻 教授

         昭和51年 早稲田大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科前期課程修了

         平成22年より、東洋大学法科大学院

専門: 刑法学

著書: 『実体的デュー・プロセス理論の研究』(1991年)、『罪刑法定主義と刑法解釈』(1998年)など

http://ris.toyo.ac.jp/profile/ja.98c14e15691e14127063733cd9177903.html


(掲載されている内容は2017年5月現在のものです)