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教員が語る大学院の魅力(私法学専攻 鎌田耕一教授)

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労働法の研究は職業生活に直結する

鎌田先生

Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。

 労働法の研究は職業生活に直結する

ブラック企業、非正規雇用、最低賃金、長時間労働などなど、労働法の研究者にとって、題材に事欠きません。ところが、日常的に行われていることがらのうち何が法律違反となるのか、よく分からないことが多々あります。労働法は、専門的な研究分野ですが、その題材は日常の職業生活に直結し、研究が働く人一人一人の生活に大きな影響を与えます。研究者としては、研究と実務が密接に結合しているところに、研究の意義を実感できます。

Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。

 研究者志望のきっかけは、近代日本の幕開け、明治維新直後に制定された法制度

私は、大学3年生のとき民法のゼミに所属していましたが、そこで、明治時代の初期、近代日本の生成期に、近代国家の財政を賄う「地租改正事業」を研究テーマに選んだことが、研究のきっかけでした。封建時代から近代日本に至る途中で、明治政府は、地租(今でいう固定資産税)を国民に賦課しようとしましたが、封建的土地所有制度においては、誰が土地の所有者なのか、はっきりしていませんでした。そこで、明治政府は、国家的事業として、土地所有者(地租負担者)を決定していったわけです。ゼミ論文のテーマが研究者の出発点といえます。

Q.教員としてご自身のご専門分野について、現在までにどんなテーマを研究されているのかご紹介ください。

労働者派遣法などの非正規雇用に関する法領域が中心

法律の分野でいうと、労働者派遣法、職業安定法、若者雇用促進法などの労働市場に関する法領域は主要な対象です。同時に、派遣労働者、契約社員、社員、パートなどの非正規雇用問題も研究してきました。このほか、うつ病などの精神疾患、パワーハラスメントなどで自殺したり、退職した人の補償問題などにも関心をもっています。

Q.研究者として、つらかったことや、嬉しかったこと?

 嬉しいことは新たな発見があったとき、つらいことは、研究成果が認められないとき

研究の結果、霧が晴れるように、視界が広がるときは本当に嬉しくて、研究していて良かったと思います。これに対して、自分としては、立派な研究成果だと思ったことが、ほとんど他の研究者に注目されないことはつらいです。社会科学も、他の科学と同じく、自分の研究成果をPRしないとなかなかその意義を理解してもらえません。

Q.大学院で学ぶことの魅力とは?

 大学院の魅力は、最新の実務的課題について教員と徹底的に議論できること

労働法は、経済、社会情勢の変化に応じて法改正が比較的頻繁になされる分野です。最新の法改正が実務にどのような影響があるか、まだ誰もはっきり見通せない問題を、教員、他の大学院生と少人数で徹底的に議論できます。必要な場合、実務家をお呼びして、意見交換を行います。大学院の学習は、未踏の大地に道を作る作業ですので、そこに魅力があると思います。

Q.大学院で学びを考えている受験生にメッセージを一言。

労働法・社会保障法の専門家を志す方に

東洋大学法学研究科私法学専攻では、いろいろな法律を専門的に研究します。労働法・社会保障法についていえば、今年度から、社会保険労務士コースを設け、特定社会保険労務士を講師により実務に密着した科目も用意しています。自分の職業キャリアに労働法及び社会保障法の資格を考えている方、労働法・社会保障法の分野の最新の問題に関心がある学生にとって、充実した学習・研究ができる場所だと思います。


プロフィール

氏名: 鎌田 耕一(かまた こういち)

経歴: 現在、東洋大学大学院法学学研究科私法学専攻 教授

    昭和51年 中央大学法学部卒業、同大学院法学研究科民事法博士課程。

    平成17年より、東洋大学法学部。

専門: 労働法学、民法学

著書: 『契約労働の研究』(2001年)など
(掲載されている内容は2016年5月現在のものです)