1. トップページ
  2. Research//研究
  3. 研究所・センター
  4. 現代社会総合研究所
  5. 基調講演要旨(第2回環境シンポジウム)
MENU CLOSE

基調講演要旨(第2回環境シンポジウム)

  • English
  • 日本語

シンポジウム

循環型社会の形成と環境経営の理念

関東学院大学経済学部教授 安田 八十五

 日本の現代社会というのは終末的状況にあって,ごみ問題はこの現状を象徴している社会的問題ではないかと私は考えている。具体的に言うと,廃棄物最終処分場,つまりごみ埋立地が今なくなりつつある。日本全体で産業廃棄物の最終処分場・埋立地はあと3年位で無くなる。そして、一般廃棄物(主に家庭から排出される廃棄物)の最終処分場は,あと7~8年で無くなってしまう。こうした状況への対応として、大量生産・大量流通・大量消費型の使い捨てワンウェイ社会から「環境にやさしいごみゼロ資源循環型社会」への社会システムの転換が求められている。
地域社会においても環境に配慮した循環型社会への転換が不可欠である。循環型地域社会を構築するための公共政策の課題と展望について考えてみる。ことに、地域社会で実践されている循環型社会構築の実践例を紹介しながら、成功と失敗の鍵はどこにあるのかを探ってみたい。実際例としては、東京都千代田区のポイ捨て罰金条例、山形県立川町・長井市および横浜市金沢区等で実践されている生ごみリサイクルの事例、東京都日野市および千葉県野田市等で実践されている一般廃棄物有料化政策等を紹介してみたい。そこから地域社会における公共政策の理論と実際について考えてゆきたい。

目次 

1.ごみ問題とは何か?  ――ペットボトル問題を事例に考える――

 (1)散乱問題とアメニティ(快適な環境)
 (2)ごみ焼却工場問題(ダイオキシン等)
 (3)埋立地と最終処分場問題
 (4)資源・エネルギー問題
 (5)地球環境問題  Think Globally, Act Locally
 (6) ごみ処理経費問題-効率性と公平性

2.ごみ問題はなぜ起きたのか?――直接的には廃棄物処理施設の不足問題――

 (1)焼却場建設問題(ダイオキシン問題)
 (2)最終処分場(埋立地)不足

3.昭和60年(1985年)以降ごみが急増!(図を参照)

 (1)事業系一般廃棄物が急増
 (2)家庭系では容器包装廃棄物が問題(容積で約6割)――ワンウェイ流通革命が原因
 (3)産業廃棄物は一般廃棄物(年間5千万トン)の約8倍(約4億トン)

4.3R原則の実行

 (1)Recycle:リサイクル(再資源化)
 (2)Reuse:リユース(再使用)
 (3)Reduce:リデュース(減量化)

5.プレサイクル(Precycle)の思想とごみゼロ三原則への転換

 (0)プレサイクル(Precycle)の考え方
 (1) ごみを作らない(生産)
 (2) ごみを売らない(流通)
 (3) ごみを買わない(消費)

6.ごみリサイクル政策の考え方

 (1) モラル型政策(有効性と限界)
 (2) 公共政策による社会システムの転換(構造改革ではなくシステム転換)
 (3) 規制・禁止型政策(東京都千代田区のポイ捨て罰金条例の事例)
 (4) 環境経済政策
 (5) 廃棄物処理有料化政策
 (6) デポジット・リファンド・システム(預り金払い戻し制度

7.ごみリサイクル政策の実践と課題

 (1) 新つくば方式(安田方式)空き缶回収リサイクルシステムの開発と実践(1985年筑波万博)
 (2) 自治体における分別排出・分別回収による再資源化システム(沼津市・名古屋市等)
 (3) 自治体におけるごみ処理有料化政策の導入と評価(野田市・日野市・北九州市等)
 (4) 容器包装リサイクル法の欠陥構造と改正を求めて
 (5) 生ごみリサイクルの成功例(山形県立川町・長井市および横浜金沢区の飼料化のケース)
 (6) 家電リサイクル法の評価と課題(安田岩波論文を参考)
 (7) 家庭におけるエコライフスタイルの実践(エコライフ革命の提唱)