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公民連携専攻 依田さん(北区副区長)×根本教授 特別interview

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公民連携専攻 修了生の依田園子さんが、北区の副区長に就任しました。

依田さん成29年4月1日付けで、東京都北区の副区長に、公民連携専攻を修了(2013年3月)した、依田園子さんが就任されました。 

依田さんは、昭和33年生まれ。広報課長、産業振興課長、企画課長、政策経営部長などを歴任し、このたび、北区では、女性ではじめての副区長となりました。

今回、副区長就任にあわせ、公民連携専攻へ入学するきっかけ、在学時代の研究が、現在にどう活きているかなどをお伺いしました。

 

 

 

Q.依田さん、副区長に就任されて3ヵ月、様々な課題に取り組む中で、毎日いかがお過ごしでしょうか?

依田さんやっと新しい環境に慣れてきました。これまで以上に大きな視点そして経営的な視点から北区の将来や、東京や日本の中の北区の立ち位置を考えることを心がけています。また、副区長というポジションに着いたことについて区民を始め多くの皆さんから祝福していただきました。特に女性から、嬉しいという言葉、自分も頑張るという希望、そしてたくさんのエールをいただきました。とても嬉しいことです。
情報の入り方の違いや、発言の与える影響、責任の重さ、を意識しながら、より新鮮な気持ちで毎日を過ごしています。同時に、判断に必要な情報収集とさらなる勉強の必要性を痛感しています。

 

 

 

Q.依田さん、公民連携専攻に入学を決めた理由は?

依田さん若いときは福祉関係が多く、区民の皆さんに直接接し、苦情もあり感謝もありの日々でした。課長になってからは、広報課、産業振興課、企画課を経験し、広報課長と産業振興課長の時は、地域のお祭りやイベントの見学、商店街や中小企業訪問など、とにかく地域に出て顔を覚えてもらい話を聞く、ということを心がけました。どこへ行っても女性課長ということで、すぐに顔を覚えてもらいかわいがっていただけたのは幸運でした。
企画課長の時、UR都市機構主催の赤羽台団地再生の勉強会で根本先生にお会いしました。先生本人にも興味を持ちましたが、まちづくりに経営の視点、PPPの視点が必要だ、との意見にとても刺激を受けました。北区でも、人口減少、少子高齢化の進展、施設の老朽化、厳しい財政事情等の課題を抱えており、何とかしなければ、と思っていました。公共サービスを行政だけでやるのではなく、民間と連携することで双方がウィンウィンの関係になることを模索していました。ですので、東洋大学大学院の公民連携専攻は気になっており、入学するかどうか2年ほど迷っていました。政策経営部長になるのに合わせ、しっかり理論を学びたい、先進事例を知りたい、実現するためのノウハウを学びたい、入学するなら今しかない、と思い受験を決めました。
また、産業振興課長の時、商店街などが補助金の切れ目が事業の切れ目、という状況を見てきました。商店街が主体的にまちづくりに関わり補助金に頼らない商店街活性化とまちづくりのヒントがほしいと強く思っていました。
大学院には、PPP関連はもちろん、まちづくり関係の授業もありましたのでそれも入学した動機の一つです。

Q.根本教授、依田さんの入学当時はどんな学生でしたか?

根本教授もともと、まちづくりの委員会でご一緒したのがご縁です。公務員は、地域にとって良いことは何事も良いことだという認識がありますが、地域にとって良いことにはお金がかかります。税金が無限にあるわけではない以上、地域にとって良いことにも順番を付けないといけません。確かそのような話をさせていただいたときに、熱心に耳を傾けていただいていたことを覚えています。こういう背景があったうえでの入学でしたので、最初から驚くほどのスピードで学んでいかれました。ご本人にとって本意かどうかわかりませんが、一言で言えば、「優秀」という言葉が当てはまる学生さんでした。

根本 祐二教授
東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻長。日本政策投資銀行を経て、現職。「朽ちるインフラ」(日本経済新聞出版社)でPPPの可能性を拡大。

Q.依田さん、入学前は相当忙しかったと思いますが、よく受験される決断をしましたね。

依田さん仕事と勉強が両立できるか悩みましたが、土曜日出席するだけでも単位が取れる、とのことでしたので決めました。平日の夜間は週1~2日東京駅に近い大手町キャンパス、土曜日は白山キャンパスで朝から夕方まで授業を取りました。職場からも自宅からも近く、通学が便利だったのも良かったです。夫も半ばあきれていましたが、覚悟ができているなら良いよと、応援してくれました。
その年は東日本大震災があった年で、大震災が3月11日、大学院の入試が翌日で、忘れられない受験日となりました。震災後、大学院では自分たちでできる支援はないかを皆が考えており、大学院として、またゼミで、それぞれの支援ができたと思っています。そのことも入学して良かったことの一つです。

Q.依田さん、公民連携専攻での研究は、何が大変でしたか?

今思うと大変さよりも、刺激的でおもしろかった、という感想です。新しいことを学ぶ楽しさ、民間企業の方も多かったので、発想や視点の違いも面白かったです。公民連携の手法、公共施設の今後の方向性等、区役所内部を説得する為の理論武装もできました。「東京のおかあさん」と言われながら一緒に若い人と机を並べられたのは幸せだと思います。大変だったとすれば、授業で仲間と議論をするための事前勉強の時間が十分に取れなかったこと、レポートの提出など、時間との戦いです。経済学の基礎がなかったことも大変でした。そして学んだ知識や手法をどう区政に反映させるかを悩みました。

Q.根本先生、依田さんは在学中2年間、どんな研究や調査にかかわれたのですか?

積極的にさまざまな経験を積まれていました。私自身との縁としては、自治体の特定の課題に対して、履修者がチームを組んで解決方法を提案するという演習科目において、赤羽駅の放置自転車対策について提案コンペを行ったことです。発表当日には区長様にもご出席いただき、皆緊張して発表したのを覚えています。事前に皆で視察に行ったのも良い思い出です。

Q.根本先生、公民連携専攻には、公務員の方、民間の方がおられますが、双方にプラスになるのですか?

公共サービスは公務員だけで提供できるものではありません。民間と上手に組むことによって、より質が高く、より費用の少ない方法で必要なサービスを提供することができます。公務員にとっての問題を解決することが、民間のチャンスになるということですので、お互いにプラスになります。お互いにプラスでない限り長続きしないので当然のことだと思います。公民連携専攻は、日ごろはなかなか接点のない官民の人材がフラットな関係で仲間になれる貴重な機会だと思います。

Q.依田さん、教員や同期の学生にはどんな方が?そしてどんな研究が、いまの仕事に活きていますか?

依田さん
同期は、民間企業の方が公務員より多かったです。経歴も様々で仕事外の時間に勉強しに来るだけあって積極的で、人間的にも魅力的でした。先生方は、民間の方が多く、理論もそうですが実践を伴っていますので、とても参考になりました。ゼミでは、フィールドワークとして、北区の飛鳥山公園、豊島区の雑司ヶ谷のまちをどうするか、街の魅力をどう引き出し、持続可能な街にするのか、など、実際にまち歩きをしながらまとめ上げていきました。また、様々な分野で活躍している方々のミニ講演会の授業は、最先端の考え方や、成功事例を直接聞くことができ、質疑応答で理解も深まり、北区に応用していく勇気をもらいました。
同期の懇親会やゼミの後の飲み会は楽しく、年齢や職歴に関係なく、同じ時を過ごした仲間として緩やかなネットワークができ、今でも情報交換や相談にのってもらっています。
また、25年7月に、根本先生にご協力いただき、今後の公共施設の管理の方針となる「北区公共施設再配置方針」を策定しました。管理にマネジメント手法を取り入れ、今後20年間で公共施設の総量を15%削減する、というものです。少しは学んだことを活かすことができたと思っています。今後、包括委託やコンセッションなどのPPP手法を北区に適用できないかを考えていきます。

Q. 根本先生、依田さんをはじめ、修了生はどんな分野で活躍されていますか?

もともと、自治体や民間企業でPPPの担当をしている人たちが多いので、修了しても仕事の内容は変わりません。ただし、入学前と比べると、知識も人脈も格段にグレートアップしていますので、従来とは一味違う問題の解決方法を考え出せていると思います。依田さんは副区長という重責を担われることになりますが、PPPは市区町村長から新人職員まで必要な知識ですので、それぞれのレベルで十分活用していただけると思います。また、年長の修了生の中には、転職して新しい場で自分の可能性にチャレンジする人も出ています。内閣府地方創生推進室の地方創生人材派遣制度を活用した大学からの派遣者としては2年連続して本専攻修了生が選ばれています。それだけ、官民双方の原理の分かる人材が貴重だということだと思います。

Q.依田さん、北区の魅力は何ですか?

北区東京都北区と言えば、このところ赤羽が注目されています。テレビや雑誌で多く紹介されていますし、住宅情報誌SUUMOの調査では「穴場だと思う街(駅)」ランキング2位になっています。朝から飲めるまち、便利なのに家賃が安い、という紹介が多いですが、子育て支援が充実している、今年の4月に東洋大学情報連携学部・大学院情報連携学研究科が開校したことも魅力の一つになっています。
「住めば、北区東京。」というシティプロモーションを進め、JRや地下鉄南北線など交通アクセスが抜群、赤羽や十条の商店街が充実、飛鳥山や旧古河庭園の緑、荒川・隅田川をはじめとする4つの川と豊かな河川敷、緑や癒やしの空間が身近にあるうれしさ。住むにはこれほど良いところはありません。
「子育てするなら北区が一番」を推進し保育園に入りやすい区として子育て世帯の転入が増えています。
徳川吉宗が桜を植えた飛鳥山、渋沢栄一が晩年を過ごした飛鳥山、日本の洋紙発祥の地、旧陸軍の赤レンガ倉庫をいかした中央図書館など、魅力を上げればきりがないのが北区です。是非北区にお越しください。

Q. 依田さん、根本専攻長、入学を検討されている方へひとことお願いします。

依田さん
社会人で大学院への入学をご検討されているみなさん、新しい知識を吸収すること、仲間ができることは楽しいし財産になります。東洋大学は国内で唯一PPPを専科とする大学院です。理論と実践の両輪を学べます。時間は自分で工夫すれば、何とかなります。是非、思い切ってチャレンジしてください。あなたが思っている以上に得るものが大きいはずです。


根本専攻長
日本は人口減少時代に突入しました。今までとは全く異なる地域経営モデルが必要です。官か民かという単純な二分論ではなく、官と民の良いところを着実に発揮できるPPPが必要です。地域の課題に対してどうすれば良いかという問題意識をお持ちの方は、官民問わず是非入学していただきたいと思います。

 

ご協力ありがとうございました。