1. トップページ >
  2. Close-up! > 2015年度 >
  3. Close-up!:産学官の連携で「食の未来」を創造する! 食環境科学科の研究レポート
Close-up!:産学官の連携で「食の未来」を創造する! 食環境科学科の研究レポート

Close-up!:産学官の連携で「食の未来」を創造する! 食環境科学科の研究レポート

2016年2月12日更新

産学官の連携で「食の未来」を創造する! 食環境科学科の研究レポート

江崎慎人さん(左)、太田昌子准教授(中)、清水小鈴さん(右)
食環境科学部食環境科学科 太田昌子准教授(中)、食環境科学科4年生 江崎慎人さん(左)、清水小鈴さん(右)

食環境科学部食環境科学科では、企業、大学、行政による「産学官」の連携で、さまざまな食品開発プロジェクトを行っています。2014年には減塩効果が期待される健康食品「花まつも麺」の製品化に成功するなど、大きな実績を残しています。今回は、食環境科学科4年生の江崎慎人さんと清水小鈴さん、そして太田昌子准教授に、現在取り組んでいる卒業研究について伺いました。

食の現場に密接した研究

食環境科学科4年生 江崎慎人さん

食環境科学科4年生 江崎慎人さん


様々な牛肉の部位

物質測定を行う牛肉の部位

江崎さん:僕は「咀嚼、嚥下(えんげ)困難者でも食べられる牛肉の選定方法」をテーマに研究・開発をしています。たとえば、調理前の牛肉のおいしさを計る指針といえば、霜降りのような見た目で判断されていることが多いですよね。しかし、そこに「やわらかさ」という新しい指標、選定方法をつくることができれば、食品開発に役立つのではないかと考えたのです。もともと食品会社への就職を考えていたこともあり、先生に相談したところ、牛肉の物質測定の研究テーマを教えていただきました。大学で牛肉の測定し、肉の部位による固さの違いを示した「牛肉マップ」というものを作っています。
太田准教授:実は、人が「おいしい」と感じる要素の7割は「食感」が占めているのです。この「食感」を極めることは、今後の食品開発に非常に役立つはずです。
江崎さん:研究のために「物質測定器」という新しい機械を使用したのですが、どの値が実際の柔らかさに相当するかの判断が難しく、企業の担当者と相談を重ねました。現在は企業からサンプルをいただいている段階で、そろそろ実験の本番に入る予定です。

江崎さんの研究は、群馬県と鳥山畜産食品株式会社、東洋大学との産学官連携で研究を進めています。「やわらかさ」という牛肉の新しいおいしさの基準を作り、食感に優れた牛肉ギフトの開発を目標としているそうです。




食環境科学科4年生 清水小鈴さん

食環境科学科4年生 清水小鈴さん


魚肉片の食感を改良したかまぼこ

魚肉片の食感を改良したかまぼこ

一方、清水さんは「魚肉練り製品のユニバーサルデザインフード」の開発に取り組んでいます。
清水さん:「ユニバーサルデザインフード」とは、やわらかくて飲み込みやすさに特化した食品のことです。その食べやすさをかまぼこに応用するため、企業が持っている現場の技術に、私たちの研究でどのようにアプローチできるのかを考えています。まだまだ試作段階ですが、今年度中の完成を目指して急ピッチで進めています。
太田准教授:これも、神奈川県と鈴廣かまぼこ株式会社との産学官連携で取り組んでいるプロジェクト。この研究での経験を生かして、卒業後も社会で活躍してほしいと思います。

食の未来を作る産学官連携プロジェクト

食環境科学部食環境科学科 太田昌子准教授

食環境科学部食環境科学科 太田昌子准教授

食環境科学科では、4年生の1年間は卒業研究に取り組みます。太田准教授はこの1年を「ただの卒業研究では終わらせてほしくない」と話します。

太田准教授:座学のテストのためではなく、実際に研究・開発の現場を「体験」してほしいのです。4年生になってはじめのころは私から学生たちに細かな指導をするのですが、企業のスピート感で研究を続けて半年もすれば、学生の方から自主的に報告書が上がってくるようになります。もちろんプレゼンの資料などもすべて学生が自分たちで作ります。研究を通して得られるこの貴重な経験は学生たちの今後に役立ちますし、多くの時間と労力をかけた研究結果を、社会に還元していきたいと思っています。
江崎さん:研究の最初のころは不安もあるのですが、先生とアイデアを出し合ったり、意見をいただいたりしながら進めていて、3年生までに学んだ知識が生かされているのを感じています。研究室の雰囲気もいいですよ。
清水さん:私はもともと食べるのが好きでしたので、食で人を笑顔にしたり、人の役に立つ食品に携わりたいと思って太田先生の研究室に入ったんです。先生は食品メーカーで働いていたご経験があるため、豊富な知識でさまざまなアドバイスをいただけるし、食品業界との交流も深く、いろいろな活動ができました。
太田准教授:大学にはさまざまな設備が揃っていますので、実際に企業の方が食品の測定にいらっしゃることもあるんですよ。学生たちには卒業後も大学に戻ってきてほしい。社会人になり開発の現場に立ってからの方が、悩みや疑問はたくさん出てくるものですが、大学ならば解決できる環境があります。卒業生たちとはこれからも学術的な関係を築いていきたいです。

太田准教授のもとで学ぶ2人の夢は、「現在行っている研究を生かし、ロングセラー商品を作りたい!」(江崎さん)、「たくさんの人においしいと思ってもらえるものを開発したい」(清水さん)。
本学の学生や卒業生が日本の食の未来を変えていく、そんな日も遠くないかもしれません。

サイト食環境科学部食環境科学科