1. トップページ >
  2. 東洋大学のカタチ > 2015年度 >
  3. 東洋大学のカタチ:第92回 東京箱根間往復大学駅伝競走「頂点への再出発~箱根駅伝展望~」
東洋大学のカタチ:第92回 東京箱根間往復大学駅伝競走「頂点への再出発~箱根駅伝展望~」

東洋大学のカタチ:第92回 東京箱根間往復大学駅伝競走「頂点への再出発~箱根駅伝展望~」

2015年12月10日更新

第92回 東京箱根間往復大学駅伝競走
「頂点への再出発~箱根駅伝展望~」

2連覇を狙って挑んだ第91回箱根駅伝は、総合3位という結果に終わった。
その悔しさを胸に始動した新チームは、2015年全日本大学駅伝で初優勝を達成するなど、着実に成長している。2016年の箱根路では鉄紺の駅伝力で王座を目指す。

2015年全日本大学駅伝1区
2015年全日本大学駅伝1区

前回の箱根駅伝からのチームの成長とこれからの展望を、『陸上競技マガジン』などのライターとして活躍し、本学箱根駅伝初優勝時のエピソードをまとめた『魂の走り』(埼玉新聞社刊)などの著書がある、本学卒業生の石井安里さん(2001年3月社会学部卒業)に語ってもらいました。

負けた経験を教訓に、悲願の全日本初優勝

全日本大学駅伝 優勝
写真提供/月刊陸上競技
全日本大学駅伝 ゴール
笑顔の服部勇馬
酒井監督胴上げ
「私たちが勝つためには100%以上の力を出さなければ勝てないと思っていました」
酒井監督はインタビューで涙ぐみながら初優勝までの道のりを振り返り、歓喜の輪の中心で宙に舞った。

前回の箱根駅伝は総合3位で、7年ぶりに優勝にも準優勝にも届かなかった。しかし、これまでの東洋大学は、敗戦の翌年度に想像を超える成長を遂げてきた。王座奪還を期す今年度は、「頂点への再出発」をテーマに、競技面での変革はもちろん、選手間のコミュニケーションを大切にし、チーム力を高めてきた。

10月の出雲駅伝は1区で12位と出遅れたものの、2区以降の追い上げで4位。そして11月の全日本大学駅伝では、1区でキャプテンの服部勇馬(4年)がトップに立つと、3区まで連続区間賞で先手を取った。4区からは青山学院大学との一騎打ちになったが、各選手が粘り強い走りを見せ、アンカーの副キャプテン・上村和生(4年)が差を広げてゴール。悲願の初優勝を果たした。この大会は、過去に2位が4度ある。勝てるチャンスを逃し、悔しさを味わってきた。大会前の優勝候補筆頭は、前回の箱根駅伝と今年の出雲駅伝を制した青山学院大学だったが、その本命を抑えての初優勝は、大きな意味を持つ1勝となった。

酒井俊幸監督は、「青山学院大学に勝つには、チームスローガンである“その1秒をけずりだせ”のような走りをしなくては勝てない。相手を勢いに乗せないレースをしなくてはならないと思っていました。走力は青山学院大学の方が上かもしれませんが、戦術や大会までの準備、各区間での走り方などは、これまでに負けた経験が生きました」と勝因を語った。レース後のインタビューでは、酒井監督がOBの名前を挙げて涙ぐむ場面もあった。3年前に当時1年生ながらアンカーを任され、駒澤大学に逆転を許した服部勇馬も、「先輩たちの分も、一緒にゴールにたどり着けたと思います」と、OBの思いを乗せて走った。今年だけではない、何年もかけて作り上げてきたチーム東洋としての勝利だった。

勝敗を分けたのは、各区間の終盤でのスパートだろう。一度は青山学院大学に離されかけながら、ラストスパートで抜き返した選手もいた。前回の箱根駅伝後には、服部勇馬が「自分を含めて、ほとんどの区間がラストで失速してしまった」と敗因を挙げたが、今大会は全員が最後まで諦めることなく、1秒をけずりだした。

自信と自覚が芽生え、いざ頂点へ

応援指導部
沿道には多くの人が駆けつけ、応援指導部を中心に声援で選手を後押しした。
口町選手
全日本で3区を走った口町は区間記録にあと3秒と迫る好記録で大会MVPに。
写真提供/スポーツ東洋
堀選手
2年生の野村、堀も初出場ながら優勝に大きく貢献。特に7区区間賞の堀は、2年生の中心的存在として大きな戦力となっている。
写真提供/スポーツ東洋
服部兄弟
1区・2区をトップでつないだ服部兄弟はチームに勢いをつけた。
写真提供/スポーツ東洋

ダブルエースの服部勇馬、弾馬(3年)兄弟は、日本の学生でトップクラスの実力を持つ。彼らの存在は大きいが、駅伝を戦ううえでは2人に頼らないチーム作りが課題だった。そこで、「脱・服部兄弟」を掲げて各選手がレベルアップ。服部勇馬は「後輩たちに、“自分がやってやろう”という強い思いが感じられるようになりました」と、意識の変化を喜ぶ。結果として、出雲と全日本で学生駅伝に初出場した口町亮(3年)、野村峻哉、堀龍彦(共に2年)らが台頭してきた。

注目は服部弾馬、口町、堀だ。安定した強さが光る服部弾馬は、全日本大学駅伝のエース区間2区で区間賞。兄弟で共に挑む最後の箱根駅伝を前に、「2人で区間賞が目標。お互いに最高の走りをして優勝したい」と意気込む。口町は出雲駅伝4区、全日本大学駅伝3区と、両大会で区間賞の快走。長身を生かしたダイナミックな走りで、主力になりつつある。2年生のリーダー的存在である堀は、全日本大学駅伝7区で区間賞を手にした。昨年秋に膝を手術、入院生活とリハビリを乗り越えて新たな競技生活のスタートを切った。

「これまでの自分たちに足りなかったのは自信でした」と服部勇馬。今回の全日本大学駅伝優勝で、新たに勝つ喜びを知った選手たちもいる。良い意味で自信をつけ、箱根駅伝にも勝ちたいという意欲が増している。勝利は簡単には手に入らないが、往路、復路とも序盤の2区間がうまく流れれば、勝機は十分にあるはずだ。

箱根駅伝では過去に4度優勝しているが、いずれも絶対的な柱を擁しながらも、総合力で勝利をつかんだ。今回もメンバーだけでなく、部員全員の結束力で2年ぶりの頂点を目指す。