1. トップページ >
  2. TOYO people > 2013年度 >
  3. <2014年の展望>消費者心理の変化が経済再生のカギを握る
<2014年の展望>消費者心理の変化が経済再生のカギを握る

<2014年の展望>消費者心理の変化が経済再生のカギを握る

2014年3月4日更新

<2014年の展望>消費者心理の変化が経済再生のカギを握る

経営学部マーケティング学科の大瀬良伸講師

2014年の出来事で気になるのは、やはり4月1日からの消費税増税です。5%から8%に増税されることで、どれだけ消費に影響するのか。ただし、実際に大きな影響を及ぼすのは、円安やデフレの終息、給与の引き上げなどに伴う消費者心理の変化です。安倍首相の要請通りに企業が給与水準の引き上げに動けば、消費者の購買意欲も向上し、日本経済もさらに回復基調に向かうでしょう。

大型のスポーツイベントも、景気の上昇に影響しそうです。今年は2月のソチ・オリンピックに続き、6月にはブラジルでサッカーのワールドカップが開催されます。最近はスポーツバーやパブリックビューイング会場などで、集団でスポーツを楽しみ、盛り上がる若者が増えています。ツイッターなどのSNSがその盛り上がりに拍車をかけます。日本選手が活躍すれば日本全体が盛り上がり、日本経済の活気にもつながるでしょう。

3月は日本一高いビルとなる「あべのハルカス」がオープンし、4月には東日本大震災で大きな被害を受けた三陸鉄道が全線で運転を再開。7月には国立競技場の解体工事も始まり、2020年の東京オリンピックに向けた歓迎ムードも徐々に高まってくるでしょう。

消費者の購買行動は、こうした明るいニュースが生むムードにも影響されます。

購買行動の変化にどう対応するか

2014年はスマートフォンによるネットショッピングがいっそう活発化するでしょう。6月までには医薬品のネット販売に関する規制緩和が実現するなど、法制面の整備も進みます。

ただ、店頭で商品を見てネットで購買する「ショールーミング」が増えるなど、消費者の購買行動は常に変化しています。

企業にとってはこうした消費者行動の変化を見極め、ネットとリアルの店舗をどうからめ、どうすみ分けていくかを探る年になりそうです。すでに自社のサイトを活用することでショールーミングに積極的に対応している量販店や、逆にリアルの店舗を開設して消費者の多様なニーズに応えようとするネット企業も出始めています。

消費者行動を把握するには、さまざまな情報を分析することが必要です。POSシステムやWebのアクセス解析などすでに多くの情報が容易に入手できますが、今年はビッグデータの活用も進むでしょう。

一方、消費者には価格やレビューといったネット上の情報を上手に処理して賢く購買する知恵が必要となるでしょう。ハードとしては、スマホに替わるウェアラブル端末に注目しています。

景気は消費者の心理が大きく影響します。2014年の日本が、明るいムードに包まれることを期待しています。

○ 2014年主な出来事

1月
  • 第90回箱根駅伝で東洋大学が完全優勝
2月
  • ソチ・オリンピック開幕
  • 東京都知事選挙で舛添要一氏が当選
3月
  • ソチ・パラリンピック開幕
  • 大阪で日本一高いビルとなる高さ300mの近鉄・阿倍野橋ターミナルビル「あべのハルカス」が完成
  • 宇宙飛行士若田光一氏が日本人初の国際宇宙ステーション船長に就任
4月
  • 消費税が8%に増税
  • 三陸鉄道が全線で運転再開
5月
  • 改良5000円札発行
6月
  • サッカーワールドカップ・ブラジル大会が開幕
  • ユネスコ世界文化遺産委員会で群馬県の富岡製糸場と絹産業遺産群の世界文化遺産登録を審議
7月
  • 国立競技場解体工事が着工予定
8月
  • ペルセウス流星群の活動が最も活発になり観測に絶好の条件がそろう
10月
  • 皆既月食
月日未定
  • リニア中央新幹線着工予定
  • 小惑星探査機「はやぶさ2」打ち上げ予定

プロフィール■大瀬良 伸(おおせら しん)
2008年早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程修了。早稲田大学商学部助手、駒澤大学非常勤講師などを経て、2008年4月より現職。専門はマーケティング論、流通論、消費者行動論