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新しい福祉モデルの地域医療をつくる

新しい福祉モデルの地域医療をつくる

2013年7月31日更新

新しい福祉モデルの地域医療をつくる

ライフデザイン学部生活支援学科生活支援学専攻の吉浦輪(よしうら・とおる)准教授は、チームで協働できる医療ソーシャルワーカーを育成するため、学生に地域医療の現場を視察・学習させる学外研修を行っています。受講する学生たちは、若手医師やコメディカルスタッフ(医療に関わる専門職)と直接対話したり、現場スタッフとともに研究会や研修会に参加するほか、地域医療のプロを囲んでの学習会なども開催しています。地域医療の現場とそこで働く方たちへの関心を深め、将来の進路を考える絶好の機会となっています。

サイトライフデザイン学部生活支援学科生活支援学専攻

現地スタッフとの研究会(石巻市立開成仮診療所)の様子

ライフデザイン学部生活支援学科生活支援学専攻はカリキュラムに社会福祉士・精神保健福祉士の受験資格取得のための科目に加え、医療福祉に関する専門科目を設けて、地域医療の現場で活躍する、医療ソーシャルワーカーの養成に力を入れています。

医療ソーシャルワーカーとは

医療ソーシャルワーカーという資格はありません。「社会福祉士」「精神保健福祉士」の資格を取得した人が就くことのできる職種です。

主に医療機関において、社会福祉の立場から患者と家族のかかえる経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図ります。チームの中での福祉の役割を理解して、時には患者の利益のために担当医師と意見を闘わせることもあります。それゆえ福祉だけでなく、医学・医療に関する多面的な知識が求められます。

地域医療のプロとの直接対話

訪問する地域と医療機関の歴史や取り組みについて
のリポートを、学外研修の前にまとめます

医療ソーシャルワーカーを目指す学生は、2年次から医療福祉に関する専門科目を受講し、4年次には医療機関での実習を受けます。その学修の過程で、臨床教育プログラムとして重視しているのが「医療福祉 学外研修」です。ライフデザイン学部生活支援学科生活支援学専攻の吉浦輪(よしうら・とおる)准教授は、その狙いを次のように説明します。

「大学内の授業だけでは、地域医療の現場、そこで働く人たちに対する関心は希薄になりがちです。ところが実際の現場では、複数の専門職が協働し、利用者や患者の期待や要望に応えていく多職種協働(Inter Professional Working)が不可欠です。現場を知ったうえで、学習に取り組んでほしいという考えから、地域医療の現場を視察し、交流する学外研修を設けました」

「医療福祉 学外研修」をコーディネートするのは、本学大学院福祉社会デザイン研究科の非常勤講師であり、JA長野厚生連佐久総合病院の藤井博之医長。地域医療の世界で著名な藤井医長は、全国の医療現場との間に築いたネットワークを生かし、2012年度は石巻市立病院開成仮診療所、JA長野厚生連佐久総合病院、山梨市立牧丘病院などで学外研修を実施しました。

広い視野で福祉を考える

ライフデザイン学部生活支援学科生活支援学専攻の
吉浦輪准教授

「地域医療の現場では、目の前で起きている事態から最適な支援法を導き出すことが求められます。学外研修を通じて、医療・介護・福祉・保健といった専門職スタッフと一緒に、実際の医療の現場で起こっている深刻な問題を直視してほしいのです。この経験によって、学生は学ぶことに本気になります」

学外研修では、現代社会における医療現場や地域社会といったトータルな視野を持って、現場をクリエイティブに変えていける医師やコメディカルスタッフの話を聞きます。多職種の協働、専門職の役割など、その仕事ぶりを最前線で見ることができ、学生自身の進路を考えるうえでも貴重な経験となっています。

実際に、学外研修を経験した学生は目の色が変わり、地域医療の現場そのものに対する関心が高まり「地域の中で必要とされている病院の福祉職として働きたい」「被災地の医療機関で働きたい」など、より具体的な目標を持つようになります。患者の置かれた状況を知識として語るのではなく、自分の個性、感性、人間性で実態をとらえて、患者・家族と相互対話ができるようになり、現場や社会に出るうえで必要な力を身につけることができています。