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TOYO people:卒業生インタビュー 建築家 鶴巻 崇さん

TOYO people:卒業生インタビュー 建築家 鶴巻 崇さん

2015年3月2日更新

今の自分を作ったのは
なりたいものへの強い憧れ

建築設計事務所「ヘザウィック・スタジオ」鶴巻 崇さん
工学部建築学科卒
建築設計事務所「ヘザウィック・スタジオ」シニアデザイナー鶴巻 崇さん

イギリス・ロンドンの建築設計事務所ヘザウィック・スタジオで、デザインや設計の仕事に携わる鶴巻さん。現在は革新的なデザインで話題の橋「ガーデン・ブリッジ」の設計に取り組んでいます。海外で活躍するようになった軌跡や思い、後輩へのメッセージなどを伺いました。

革新的なデザインを追い求めて

鶴巻さんの現在のメインプロジェクトは、新しくテームズ川に架かる「ガーデン・ブリッジ」の実施設計。これは橋の上に樹木が生い茂る庭を作るという世界初の試みで、ロンドンで も大きな話題になっています。

前例のないデザインのため、建築物として完成させるのはかなり難易度が高いですが、鶴巻さんにとってはそこがやりがいにつながっている様子。

「私は大学を出た当初からこうした独創的 なものに憧れ続けてきました。日本の建設会 社を辞めてロンドンに渡ったのも、もっと革新 的なデザインに取り組みたいという理由からです」

テームズ川に架かる「ガーデン・ブリッジ」

ガーデンブリッジからの眺め

大学卒業後は日本で建設会社に勤務。着々と実績を積みながらも、革新的な建築物への憧れを抑えきれず、30代半ばでロンドンへの留学を決意します。

「当時、私は結婚もしていたのですが、先の保証もないまま『とにかく行こう!』と渡英してしまいました。ロンドンではまず建築関係の大学に留学し、卒業後は現地のデザイン事務 所に何とか就職。そこを基点にして、一からキャリアを積み直したのです」

留学生活と仕事を通して英語を身につけ、ロンドンで建築家としての新たなスタートを切った鶴巻さん。苦労も多かったそうですが、現在の仕事について語る姿からは、夢をかなえることができた喜びが伝わってきます。

「ロンドンでは、先進的なデザインの建築物に関わったりアーティストとして作品を提供したりと、さまざまなことに挑戦できていす。 憧れてきたことが一つずつ現実になり、今は本当に楽しいです」

きっかけは大学時代のゼミと旅行

鶴巻さんが建築デザインの世界を目指すようになったのは大学時代。きっかけは、ある先生との出会いでした。

「今の私があるのは、大学時代にゼミの担当教授だった内田祥士先生(現・東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科教授)のおかげです。先生から建築の思想やその奥深さを学んだことで、『建築への取り組みは生涯をかけるに値する』と思うようになりました」

さらに、4年生のときに行ったヨーロッパ旅 行も大きな刺激に。ヨーロッパの国々はなんて面白いんだろうと感動し、「いつかここに戻って来なきゃ」という思いを抱くようになったと言います。この思いが、のちにロンドンに渡る選択につながりました。

ここで得たものを日本社会に

夕焼けのガーデンブリッジ

現在は、多様な国籍の人々とともに働く毎日。それぞれ文化も性格も違うため、対応の仕方に悩むことも少なからずあるそうですが、経験から「結局は日本人としてではなく、自分個人として正しいスタンスや態度をとることが大事」と語ります。また、以前勤務していたフォスター・アンド・パートナーズという老舗の建築設計事務所では、ヨーロッパを始め北米、南米、中東、中国、東南アジアのプロジェクトに関わり、さまざまな国の慣習に接する機会があったそうです。アップル新カリフォルニア本社の設計で働いた際には、グローバル企業の精神にも学ぶ機会を得たそうで、これらの経験は、今後多様な文化の中で仕事をして行く上でとても大切な糧になると感じているようです。

今後の夢は、ロンドンで得たものを日本に持ち帰り、日本社会に何かしら還元できるような建築を実現すること。鶴巻さんの挑戦はまだまだ続きます。

「学生の皆さんも、自分がなりたいと思うものへの憧れを強く持ってください。例え途中で目的から少しずれても、突き詰めてやっていけば後で必ず武器になります。時間をかけて、好きなものをとことん追求してください」

プロフィール■鶴巻 崇(つるまき たかし)さん
1970年生まれ、千葉県出身。95年、東洋大学工学部建築学科卒業。一級建築士。日本で建設会社の設計部に勤務したのち、ロンドン大学バートレット建築校にて修士課程を修了。ロンドンのデザイン事務所、設計事務所などを経て現職。主な参加プロジェクトに、インペリアル・カレッジ校舎(ロンドン)、アップル本社(カリフォルニア)、シェイク・ザイード国立博物館(アブダビ)など。

サイト理工学部

サイト建築設計事務所「ヘザウィック・スタジオ」