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TOYO people:卒業生インタビュー(株式会社ウラタ 経営企画室 小林若菜さん)

TOYO people:卒業生インタビュー(株式会社ウラタ 経営企画室 小林若菜さん)

2015年2月4日更新

JICA青年海外協力隊に参加
カンボジアでのボランティア活動の道へ

ライフデザイン学部健康スポーツ学科 2012年卒 株式会社ウラタ 経営企画室 小林若菜さん
ライフデザイン学部健康スポーツ学科 2012年卒
株式会社ウラタ 経営企画室 小林若菜さん

2012年、ライフデザイン学部健康スポーツ学科を卒業後、海外でのボランティア活動に参加した小林さん。
卒業後、なぜ就職ではなくボランティアの道を選んだのか、海外での経験がどんな扉を開いたのか? お話を伺いました。

自分を見つめるきっかけとなった就職活動

自分を見つめるきっかけとなった就職活動 小林若菜さん

祖父母の介護をする家族の姿を見て育ったからでしょうか。小学生の頃から、困っている人のために何かしたいという気持ちをずっともっていました。開発途上国の支援にかかわりたいと思ったのも、そうした気持ちから自然に生まれた夢でした。けれど、自分に一体何ができるのかは分からない……。模索する中で知ったのが、スポーツを通じて障害のある方、高齢者、児童をはじめとする幅広い方々の健康づくりを目標に掲げる、ライフデザイン学部健康スポーツ学科でした。途上国では、病気になっても病院の数が少なく、薬を買う経済的余裕もありません。そんな人々にとって、まず病気にならない体づくりが大切です。この学科で学べる健康指導のスキルは、まさに途上国でも必要とされるもの。これこそ「私にできること」だと直感しました。

在学中は、どの授業も私が途上国で実際やりたいことと直結するため、常に目的意識をもって積極的に学ぶことができました。また、ライフデザイン学部は先生や職員の方々と学生の距離が近く、何かあれば親身になって相談にのってくださるのも大きな励みでした。いよいよ就職活動のシーズンに入ってからは、一般企業に就職するか、JICAの青年海外協力隊に参加するかで迷いもありました。けれど、企業の面接を受けた時、自分自身の口から出るのは「途上国支援」や「ボランティア」という言葉ばかり。改めて自分の夢を再確認し、やるなら熱い思いのある今しかないと、卒業後すぐにボランティア活動に入る道を選びました。その意味で、就職活動は、自分自身と向きあえるいい機会でした。

カンボジアの子ども達に伝えた「Undokai(運動会)」の素晴らしさ

協力隊での派遣先は、カンボジアのクラチェ州という地域の中学校。主な活動内容は、「Undokai(運動会)」を通して生徒会活動を普及させることでした。と言うのも、当時カンボジアの学校にはUndokaiどころか部活動や学校行事もなく、体育の授業すらちゃんと行われていない状態だったからです。子ども達は、「ルールを守る」「協力する」といった基礎的なことも理解していませんでした。それらを学んでもらうために、種目はすべてムカデ競争や台風の目、四人五脚といった団体競技としたのですが、練習しようにも、最初は、時間どおりに集まってくる子さえごくわずか。まったくゼロからのスタートでした。

※「Undokai」は「運動会」のこと。カンボジアは元々運動会が無く、「スポーツ大会」は選抜者が出場する本格的なものを指すため、初回開催した学校の校長先生と話し合い、インターネット検索でも使える「Undokai」とした。今はカンボジア国営放送でも「Undokai」と呼んでいる。

カンボジアの学校向け「Undokai(運動会)」マニュアル
小林さんが製作したカンボジアの学校向け「Undokai
(運動会)」マニュアル。競技の解説はもちろん、整列の
仕方まで図解で分かりやすく説明している。DVD付きで
クメール語による「ラジオ体操 第1・第2」「エアロビクス」
の手本映像は、小林さんが実技を行っている
カンボジアのUndokai(運動会)
カンボジアの学校で行われた「Undokai(運動会)」

いざ練習がはじまっても、カンボジアの子ども達は、途中で負けたと思うと、そこでスッとやめてしまいます。「負けるのは恥ずかしい」という気持ちが強いからだそうです。それでも、現地の先生が「Undokaiは勝ち負けの問題じゃない。途中であきらめずに最後までみんなでやりきることが大切なんだよ」と言ってくださったこともあり、徐々にみんながやる気になってくれました。

現地の教員・生徒と一緒にUndokaiのマニュアルを作成し、それを見て「これはどういうこと?」と質問する他生徒もでてきて、最後の練習はかなりの盛り上がりでした。そして本番当日は、生徒の家族だけでなく、地域の方々も集まってくださり大成功。「助け合うことを知った」「団結するって楽しい」などと生徒が感想文を書いてくれて感激でした。

また、Undokaiを見た地域の方々から「私たちも運動したい」と声が上がり、夕方からエアロビクスの指導もはじめました。スポーツを通じて豊かな人生や生活づくりをサポートするという大学で学んだ「健康スポーツ学」を、私なりに実践できたのではと思っています。今ではカンボジアの他の州でもUndokaiが広がっています。

協力隊の活動では、最初はやはり言葉の壁にぶつかりました。私のつたないクメール語が現地の校長先生に通じず、思い違いがあったり辛いこともありました。そんな時は、日本の歌を聴いて自分を奮い立たせていました。その甲斐あって、今ではクメール語に困ることはほとんどありません。もし、校長先生とコミュニケーションをとることを諦めていたら、クメール語は今ほど上達していなかったと思います。

カンボジアの新聞に小林さんの健康づくり活動が紹介
日本の人・企業が積み重ねてきた貢献活動によりカンボジアは親日的で、2014年12月23日のカンボジア新聞では
在カンボジア日本国大使のあいさつとカンボジアにおける日本の活動が紹介された。JICAの学校や地域での
健康増進に向けた活動も報じられ、小林さんが写真で登場した

海外でのボランティア体験から次のステップへ

「就職はどうするの?」と、両親もずいぶん心配したようです。けれど、カンボジアの赴任派遣中に出会った方の紹介で、現在の就職先が決まりました。ちょうど日本とカンボジアの共同出資で現地に新しい企業を立ち上げるところだったのです。建設関係の人材育成が主な仕事で、私のクメール語や協力隊での経験をかってくださったのだと思います。

私自身、日本を離れたことで先に就職した仲間に遅れを取るのではと悩んだこともありました。結果的には、大学で学んだことをボランティア活動に活かせて、その経験が今度は就職先にもつながりました。また、建設を通じて「カンボジア人がカンボジアをつくる」ための手助けをしたいという新たな夢も見つかりました。回り道をしたようで、そうではなかったのです。これまでは「新卒じゃないから」とか「もう○○歳だから」と型にはまった考えをしがちでした。でも、海外に出てみてわかったのは、周りの人々に支えられているということと、やる気さえあえれば何でもできるということです。後輩のみなさんには、ぜひ積極的に世界へ出てチャレンジして欲しいと思っています。

プロフィール

小林若菜(こばやし わかな)

2012年3月 ライフデザイン学部健康スポーツ学科卒業。同年6月よりJICA青年海外協力隊の「青少年活動」隊員としてカンボジア・クラチェに2年間赴任。その後プノンペンの国立体育教員養成校での活動を経て、2014年12月帰国。2015年1月建設会社「株式会社ウラタ」本社経営企画室勤務。3月よりカンボジアへ赴任予定。

サイトライフデザイン学部

サイト株式会社ウラタ