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TOYO people:「国際法模擬裁判」で仲間たちと頂点をめざす 東洋大学国際法ゼミ

TOYO people:「国際法模擬裁判」で仲間たちと頂点をめざす 東洋大学国際法ゼミ

2014年10月8日更新

「国際法模擬裁判」で仲間たちと頂点をめざす
東洋大学国際法ゼミ

東洋大学国際法ゼミ
ゼミ長の法学部企業法学科4年生 向祐志さん(右)、副ゼミ長の法学部法律学科4年生 鈴木佑佳さん(左)

東洋大学国際法ゼミ(指導:法学部 齋藤洋教授)は、大学対抗「国際法模擬裁判」の大会のひとつ、2014年3月開催「宇宙法模擬裁判 日本大会」で総合準優勝を飾り、更に個人賞で被告側弁論の第1位を獲得しました。

国際法ゼミ長であり被告側弁論第1位となった向祐志さん、副ゼミ長で総合準優勝に貢献した鈴木佑佳さんに、大会までの取り組みや、ゼミの活動について語ってもらいました。

膨大な文献を根拠に、チームの立論を練り上げる

ゼミ長 法学部企業法学科4年生 向祐志さん
ゼミ長であり、被告側弁論の第1位を獲得した
法学部企業法学科4年生 向祐志さん。
手にしているのはその時の賞状だ

向さん 国際法ゼミが出場している「国際法模擬裁判」とは、国際社会で起こる問題が国際司法裁判所(ICJ)に付託されたという設定下で、原告と被告に分かれ、国際法※に基づく立論を立てて、裁判官のジャッジのもと、書面提出と法廷での弁論によって勝敗を競う、大学対抗の大会です。年間スケジュールは7月「ジャパン・カップ国際法模擬裁判大会」、12月「ジェサップ国際法模擬裁判大会(以下、ジェサップ)」、3月「宇宙法模擬裁判大会」が行われます。

「宇宙法模擬裁判」は、宇宙を舞台に架空の国家間で起きた問題を、実在の宇宙条約をもとに解決する模擬裁判です。審査を行う裁判官は宇宙法・国際法の研究者、法曹実務家及び有識者を招聘して任命、各大学からは原告側と被告側それぞれ1チームずつ出場します。

※国際法(International Law):国家間の合意に基づいて成立した条約、国際慣習法、法の一般原則などを指す。


鈴木さん 大会開催は3月ですが、問題は12月末に英文で発表されます。ゼミ内ではまず原告と被告にチーム分けをし、英文問題の解釈と理解に努めるところから始まります。今回は「A国の衛星の電波がB国の衛星に影響を及ぼしたかもしれない」という問題で、相手側に請求する内容は問題に定められているので、どの条文を用いて、どこをどう解釈して、その請求まで行きつくのか、筋道を考えます。ここが大学毎に異なっていくところで、いかに説得力のある立論を立てられるかが、勝敗の分かれ目になります。

約2カ月の準備期間中、チーム全員で徹底的に文献を読んでいきます。ネット上に公開されているものから、国会図書館にあるものまで読んで分析、論点によっては省庁に電話して「私たちの法律論と実務を引き合わせた時にどうか」を問い合せたりもします。そうしてチームで考えた解釈・筋道の根拠を裏付けていく訳です。毎日集まって23時まで作業するような日々で、出来上がった書面の最後に入れる参考文献だけでも優に100を超えます。ゼミの時間だけでは足りず、それぞれが自分の時間も使い取り組んでいきます。

周りの見る目を変えた総合準優勝と個人1位

副ゼミ長であり、総合準優勝に貢献した法学部法律学科4年生 鈴木佑佳さん
副ゼミ長であり、総合準優勝に貢献した
法学部法律学科4年生 鈴木佑佳さん

鈴木さん 大会当日の模擬裁判では、原告・被告にそれぞれ2名の弁論者がいて、そこに補佐人がつきます。弁論者と補佐人はルール上、話をすることも目を合わせることもできないので、弁論の提案などをメモ書きで見せるなど、筆談で弁論者を支えます。残りのメンバーは他の法廷を観戦して、他校の論理や質疑応答などの情報を収集していきます。

向さん 弁論は、【原告による弁論(約20分)→ 被告による弁論(約20分)→ 原告の反論 → 被告の再反論】というのが主な流れです。弁論中には質問も入り、即座に応じながら自身の弁論を続けていかなければなりません。

多くの弁論者は暗記して身振り手振りを加えながら話す中、私は質問で弁論の流れが変えられるのは予測していたので、暗記はせずに陳述書を見ながら話しました。ただ、立論はしっかり作り込んでいたので、他の弁論者には多数の質問が入ったのに対し、私への質問は2つだけ。それにも上手く返答することができ、再質問はありませんでした。

更に、後輩の弁論者が質問に回答できずに弁論を終えてしまったのですが、私はこれを逆にチャンスだと捉え、すぐに回答を作って「私が弁論する前に、彼が回答できなかった点について答えます」と全ての質問に答えました。後から聞くとこれが裁判官に評価されたようです。

鈴木さん  審査結果は当日夜のレセプションで発表されます。模擬裁判大会には私たちのようにゼミで3年生から参加ではなく、サークルで1年生から関わる大学もあり、そうした大学が上位常連の強豪校となっています。100人超のメンバーで取り組む大学もあって、十数人だけの私たち国際法ゼミは、参加大学の中でも少人数。それで総合準優勝と、個人賞被告側弁論第1位の受賞はまったく思いもよらないことで、とてもうれしかったですね。この結果にたどり着けたのは、先輩方が培ってきた日頃の活動や大会への取り組み方をしっかり教えてくださったこと、また齋藤先生のご指導のおかげだと思います。

成長を促してくれた仲間との出会い、学問との出会い

国際法ゼミのメンバー
国際法ゼミのメンバー
オープンゼミで国際法模擬裁判を再現した様子
オープンゼミで国際法模擬裁判を再現した様子

向さん どの大会でも同じく難しいのは、ゼミ全体のモチベーション維持です。ゼミには個性的な人が集まっていて、各大会への出場を決めるところから議論になります。たとえば、「ジェサップ」は、日本語大会と英語大会があって、日本語大会では国際大会に出ることができない。しかし多くのメンバーは日本語大会参加を希望しました。英語が得意ではないメンバーが多く、また、日本語大会なら結果が出るのではと思っている節がありました。そういう姿勢では結果はついてこないと、ゼミ長としてメンバーの気を引き締める思いもあり、英語大会への出場を説得しました。

鈴木さん 私は英語と法律が好きで国際法ゼミを選んだこともあり、「ジェサップ」出場では英語の弁論者として出場し、とても良い経験になりました。法廷英語は特殊で、質問に対しとっさに専門用語が出てこず苦戦しましたが、おかげで英語も法律もさらに勉強するモチベーションが上がりました。世界各国で文化や言語、法律は異なるけれど、どこか一点、同じ争点でぶつかり合えるのが国際法で、そこに面白さを感じています。そこから、今は国際ビジネスに興味が出てきています。

向さん 「ジェサップ」の翌日のこと、大会の成績に落ち込んでいた私に、ゼミの皆がサプライズで誕生祝いをしてくれて、すごく励まされたことが大切な思い出です。ゼミのメンバーとは意見を言い合い、ケンカもよくする分、深い関係が築けていると思います。きちんと自分の考えを言い合える仲間に恵まれて、本当に良かったです。