1. トップページ >
  2. Close-up! > 2014年度 >
  3. Close up!旬な取り組みを紹介:「Smile F LAOS」ラオスの子どもたちの衛生環境改善のために
Close up!旬な取り組みを紹介:「Smile F LAOS」ラオスの子どもたちの衛生環境改善のために

Close up!旬な取り組みを紹介:「Smile F LAOS」ラオスの子どもたちの衛生環境改善のために

2014年8月29日更新

自分たちの目で見て、感じて、考えた。
だからこそ生まれた支援の発想

社会学部社会文化システム学科「社会文化体験演習」から、学生主体の団体「Smile F LAOS」が誕生しました。 ラオス産コーヒー豆のフェアトレードを通じて、ラオスの子どもたちの衛生環境改善を支援することを目的としています。

2014年7月に、コーヒー豆の製品化と販売が本格始動した「Smile F LAOS」。授業を担当する箕曲在弘助教と団体代表 大島真理子さんに、活動の経緯と意義をうかがいました。

学生主体の団体「Smile F LAOS」
7月25日(金) 白山キャンパス6号館にて、フェアトレード学生団体「Smile F LAOS」デビューイベントが開催された

「フェアトレード」とは何か?

社会学部社会文化システム学科 箕曲在弘助教
社会学部社会文化システム学科
箕曲在弘助教

2013年から社会学部社会文化システム学科で開講している「社会文化体験演習」は、「グローバルな視野をもって地域社会に貢献する人材の育成」を教育目標に、理論と同時に国内外のフィールドに実際出て学ぶ体験型の授業です。

「Smile F LAOS」は、箕曲在弘助教が担当するラオスのフェアトレードを学ぶ授業のなかから誕生しました。

フェアトレードとは、途上国の原料や製品を適正な価格で購入し、先進国市場で販売する仕組みのこと。「fair=公正」な「trade=貿易」という名称の通り、単純な利益追求ではなく、現地の人々に仕事の機会を提供したり、生産能力を高める取り組みを共に考えるなど、生産者の生活改善や自立を支援し、地域社会を発展させていこうとするものです。

「Smile F LAOS」も、そんなフェアトレード団体の一つして結成されました。


自分たちにも、何かできないか?

「きっかけは、2013年12月、学生たちと一緒に、実際ラオスへ行ったことでした。コーヒー農園が集中する南部ボラベン高原に位置するパクソンという群。私はフィールドワークで1年半滞在し、その後も交流を続ける場所でもありました。」

「最初からフェアトレードをすることが前提だったわけではなく、まずは、直接現地の人々の仕事ぶりや生活に触れ、話を聞くことで、何かを感じてほしかった。そこから自発的に、自分たちなりの問題意識や目標をもってくれればいいと考えていました。」

コーヒー豆の産地といえば、赤道直下の熱帯地方をイメージするが、海抜約1200メートルのボラベン高原は、まるで“夏の軽井沢”のようなところだそう。

「Smile F LAOS」代表
「Smile F LAOS」代表を務める
社会学部社会文化システム学科3年
大島真理子さん

参加者の一人で、現在「Smile F LAOS」代表を務める大島真理子さんは、そのときの印象をこう語ります。

「気候が良くて景色がきれい。なにより、素朴で温和な現地の方々の人柄が素晴らしいんです。仲間のほとんどが、ラオスの魅力にすっかりハマってしまいました(笑)。」

同時に、子どもたちの教育や衛生面での環境の劣悪さを目の当たりにして、大きなショックも受けました。

「土を触ったその手でそのまま食事をしたり、濁った雨水で食器を洗ったり……。そのために、感染症や下痢などで命を落とす子どもたちも多いと聞きました。そんな現状を知った日の夜、宿舎の部屋にメンバーが集まって、自然に『自分たちで何かできないか?』という話し合いが始まったんです。」

「実は、その場に、私はいませんでした。後になって『へえ、学生同士、そんなことを語り合っていたのか』と知って感激しました。」と、箕曲助教。「自発的な問題意識を」との思いが通じた瞬間でした。

東洋大学発「Champa Coffee」完成!

「Smile F LAOS」デビューイベント受付

「Champa Coffee」お披露目
「Smile F LAOS」デビューイベントで
お披露目された「Champa Coffee」

ラオスでの体験が、具体的な目標につながります。「これまで授業で学んできたフェアトレードの仕組みを利用して、収益の一部でラオスの小学校に浄水器を設置しよう。 」「Smile F LAOS」は、こうして活動を開始しました。

現在、学生メンバーは25人。製品の味からパッケージの選定、白山キャンパス周辺のカフェに製品を置いてもらう交渉などを担当する「製品班」、SNSの運営やパンフレットなどを作成する「広報班」、イベントを企画・運営する「イベント班」、ラオスに関する情報を収集・発信する「ラオス班」の4班に分かれ、それぞれ連携し活動を行っています。

そして、2014年7月。学生たちが描いた目標は、いよいよ形となります。ラオスのコーヒー豆を使った製品がついに完成、販売が始まったのです。製品名は「Champa Coffee(チャンパコーヒー)」。「Champa(チャンパ)」はラオスの国花プルメリアという意味。花言葉は「気品」「上質」で、その言葉通り、香り高くコクのある上品な味わいのコーヒー豆ができあがりました。7月25日に白山キャンパスで製品お披露目パーティが行われたのを皮切りに、今後、各所での販売イベントが予定されています。

体験こそ、未来への力

ラオス教育支援の必要性についてプレゼンテーション
ラオス教育支援の必要性プレゼンテーション2
「Smile F LAOS」イベントでは、ラオスへの教育支援の
必要性についてプレゼンテーションが行われた

「たとえスモールスケールであっても、自分たちでコスト計算し利益を出すという体験は貴重です。キャリア部門の授業を受けたからといって、学生は、すぐに将来の道を決められるわけではありません。しかし、どんな職業を選んでも、こうして一つのプロジェクトを実際運営した経験は、必ず何かに生かせるはず。」と、箕曲助教の言葉。

それを受けて、大島さんもこう語ります。

「大学に入ってから『将来、自分がやりたいことは何だろうと』と、ずっと探していました。まだ具体的な答えを見つけたわけではありません。でも、この活動を通して、人とかかわることが好きな自分を発見できた。何かしらの形で海外の人々と協力し合える仕事ができたらいいなと考えるようになりました。」

「Smile F LAOS」の「Smile」は、ラオスに笑顔を届けること、そして、学生自身が楽しんで活動することだそう。新たな発見と出会い、そして真剣に取り組んだ結果が、未来を切り拓いていきます。

プロフィール

箕曲在弘(みのお ありひろ)

社会学部社会文化システム学科助教。専門は文化人類学・開発人類学。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。ラオスにおけるフェアトレードの生産者への影響などを研究テーマとし、民間企業でのラオス事業アドバイザーとしても活躍。全国の大学生で組織されるフェアトレード団体「ドリップパックプロジェクト」の発案者でもある。


サイト社会学部社会文化システム学科

サイト社会文化体験演習

サイトSmile F LAOS (Facebook)