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Information :「東洋大学IR室設立記念国際シンポジウム」開催

Information :「東洋大学IR室設立記念国際シンポジウム」開催

2014年7月31日更新

大学の教育改革とIRの役割
「東洋大学IR室設立記念国際シンポジウム」開催

7月12日(土)、白山キャンパスにおいて「東洋大学IR室設立記念国際シンポジウム」を開催しました。約350名の参加者により熱気に包まれた、シンポジウムの内容についてレポートします。

東洋大学IR室設立記念国際シンポジウム
IRに関する国内有識者や、IRに関して先進国であるアメリカのIR担当者が登壇、広く意見交換を行った

会場には約350名の参加者が集った
会場には約350名の参加者が集った

本学IR室長である竹村牧男学長より開会の挨拶
本学IR室長である竹村牧男学長より開会の挨拶

文部科学省高等教育局 大学振興課長 里見朋香氏
文部科学省高等教育局 大学振興課長 里見朋香氏

筑波大学教授・日本高等教育学会会長 金子元久氏
筑波大学教授・日本高等教育学会会長 金子元久氏

同志社大学教授・同大学教育支援機構副機構長・学習支援・教育開発センター所長 山田礼子氏
同志社大学教授・同大学教育支援機構副機構長・学習支援・
教育開発センター所長 山田礼子氏

ジョージア大学IRセンター長 Meihua Zhai氏
ジョージア大学IRセンター長 Meihua Zhai氏

ウィノナ州立大学 計画・評価・調査部長 藤枝エリ氏
ウィノナ州立大学 計画・評価・調査部長 藤枝エリ氏

東洋大学 劉文君 IR室准教授
東洋大学 劉文君 IR室准教授

東洋大学 高橋清隆 学長室長
東洋大学 高橋清隆 学長室長

東京大学 大学総合教育研究センター教授小林雅之氏がパネルディスカッションのモデレーターを務めた
東京大学 大学総合教育研究センター教授 小林雅之氏が
パネルディスカッションのモデレーターを務めた

近年、大学の機能の一つとして求められているIR(Institutional Research)。IRとは、大学の教育・研究活動に関する情報、そして学生の学修動向、教育の成果などの調査・収集・分析を通じ、大学の業務改善や意思決定の支援を行う取り組みです。東洋大学でも2013年9月、学長直轄組織として東洋大学IR室を設置。本学におけるIRを今後どのように進めていくか。本シンポジウムではそれを考える上で大変意義のある、講演、意見交換が行われました。

開会にあたり竹村牧男学長が挨拶し、本シンポジウムの意義や、シンポジウムに寄せる期待について次のように述べました。

「本学は2012年の創立125周年を契機に、『哲学教育・国際教育・キャリア教育』を柱に、教育改革に取り組んでいます。

変化が激しく、価値観が拡散する21世紀の地球社会にあって、しっかりした自己の生き方の基軸を持ち、むしろ他者の幸福のために働きうる人財。このようなグローバル人財の輩出が、大学の社会的使命です。

その使命を果たすためには、大学における教育、研究をつぶさに点検評価し、改善すべきは改善していかねばなりません。そこで、昨年9月、学長に諸施策を提言する機関として、学長直属のIR室を立ち上げました。

このたび、現在の大学が共通して課題としているIRに関し、斯界の権威の先生方、とくにIR先進国であるアメリカのIR担当者の方々をお招きし、一堂に会して議論できることは大変有益です。ここでの議論が、日本の大学の、IR活動推進への大きな契機となることを期待しています」。

引き続き第1部は、文部科学省高等教育局 大学振興課長の里見朋香氏の講演からスタートしました。

里見氏は講演の中でグローバル化、少子高齢化、経済環境の激化といった状況にあって、人材育成機関である大学への期待を述べました。またそのなかで、IRの3つの重要な機能として、「改善・改革すべき事項をいち早く特定できること」「質保証のための様々な情報収集・分析ができること」「学長が学内の情報を把握した上で、データに基づいた改革を実行できること」などを挙げました。

次に筑波大学教授・日本高等教育学会会長 金子元久氏が基調講演を行いました。金子氏は中央教育審議会で活躍するとともに、東京大学教育学研究科に大学経営・政策コースをつくるなど、人材育成にも貢献しています。講演では、大学生や教員へのアンケート調査などのデータを挙げながら、日本における大学教育の課題を分析した上で、教育のインプットの把握、授業内容や学習行動、教育成果といった情報を収集・体系化・分析し、フィードバックすることで、データに立脚した議論に基づき学内の合意を形成するという、大学の教育改革におけるIRの役割等を指摘しました。

第2部では日米におけるIRについて、同志社大学教授の山田礼子氏をモデレーターに、日米のIR担当者が講演を行いました。山田氏はいちはやくIRに着目し、アメリカの大学におけるIRを研究するなど、日米のIRの橋渡し的な活動を行っています。

山田氏により、日米のIRを比較する意義などが述べられた後、4人の講師による講演がありました。

ジョージア大学IRセンター長のMeihua Zhai氏は、アメリカの大学において実際にIRが果たしている役割・機能や、現場におけるIRの仕組みなどを解説。アメリカにおいては大学評価の社会的関心が高くあるなど興味深い言及もありました。

一方、ウィノナ州立大学 計画・評価・調査部長を務める、藤枝エリ氏は、大学教育におけるアセスメント=教育改善努力において、同学でいかにIRを活用しているかについて述べ、IR先進国であっても、個々の大学により実践方法が異なったり、さまざまな課題があることを説明しました。

東洋大学からは、劉文君 IR室准教授、高橋清隆 学長室長が登壇。劉准教授はさまざまなデータを挙げながら、日本におけるIRの現状と課題を挙げ、またそれをもとに、日本でIRが機能していくためには、組織の設置、実績の積み上げ、教員の積極的な参加、専門人材の育成などが必要、と指摘しました。

次に高橋学長室長が、東洋大学IR室の役割について解説しました。東洋大学のIR室は学長直轄のもと、学内データを一元的に収集・分析し、その結果に基づき学長へ情報提供・政策支援を行い、学長はその情報をもとに新規施策の構築や、学部長会議・教授会等を通じて学部・研究科に改善を求める。なお、学長室がIR室・大学評価支援室・FD推進支援室の業務を兼務していることで、学内データの収集が非常にやりやすくなっていると、組織体制の特徴を説明しました。またIR専門員育成、世界ランキングへの対応といった将来の展望についても触れました。

第3部のパネルディスカッションでは、東京大学 大学総合教育研究センター教授の小林雅之氏がモデレーターを務めながら、講演を通して参加者より寄せられた多くの質問に対し、それぞれの講演者が回答し、シンポジウムは盛会のうちに終了しました。