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スポ東だより:第93回 箱根駅伝展望

スポ東だより:第93回 箱根駅伝展望

2016年12月23日更新

第93回 箱根駅伝展望

第91 回 東京箱根間往復大学駅伝競走
出雲駅伝スタート直後

『陸上競技マガジン』などのライターとして活躍し、本学箱根駅伝初優勝時のエピソードをまとめた『魂の走り』(埼玉新聞社刊)などの著書がある本学卒業生の石井安里氏(2001年3月社会学部卒業)に、第93回箱根駅伝の展望を伺いました。

2年ぶりの王座奪還に挑んだ前回の箱根駅伝は、優勝した青山学院大学に7分11秒差の2位で終えた。そのときに走った10人のうち、5人が卒業した今年度は東洋大学にとって新時代のスタートの年。下級生の頃から地道に力をつけてきた4年生を軸に、次年度以降まで見据え、新戦力を育てるチーム作りに取り組んできた。

学生三大駅伝の初戦となった10月10日の出雲駅伝では、3区でエースの服部弾馬(4年)が区間3位の好タイムで走ったが、全体的に精彩を欠いて9位。続いて、連覇が懸かった11月6日の全日本大学駅伝でも、1区の服部が区間賞で好スタートを切ったが、2区で6位に後退。その後、一時は7位に落ち、6位までに与えられる次年度のシード権獲得も微妙な展開に。しかし、最後にアンカーの山本修二(2年)が区間4位の好走を見せて6位に入り、シード権を守った。

出雲駅伝は6人中、1年生2人を含む3人が初出場。8区間の全日本大学駅伝でも1年生2人を起用し、3区以降の6人が初出場というフレッシュな顔ぶれで臨んだ。両大会とも、主力の口町亮(4年)が故障による調整不足で出場できず、初出場の選手にチャンスを与えたが、経験不足が響いてしまった。箱根駅伝で初優勝した2009年以降、駅伝では常に4位以内をキープしてきたが、今年度は厳しい戦いが続いている。

ただ、出雲駅伝から全日本大学駅伝までの短い期間にも、徐々に立て直してきた。2年生の山本、全日本3区4位の相澤晃(1年)など、若い芽も着実に育っている。酒井俊幸監督は「全日本では、出雲よりも収穫がありました。2ヶ月あれば、学生は大きく変わります」と巻き返しを誓う。キャプテンの橋本澪(4年)も、「負けを経験して、チームの雰囲気も変わってきています。強い東洋を取り戻すためにも、箱根は勝ちにいきたい」と意気込む。

今季のテーマは「怯まず前へ」。箱根駅伝では1秒を大切に、攻めの気持ちで、ひたむきにタスキをつなぐ東洋大学らしさで頂点に挑む。

初の出雲駅伝で6区を任された4年生の山本采矢

出雲駅伝でチームを牽引したエースの服部弾馬(4年)

1年生ながら区間4位の力走を見せた相澤晃(1年)

粘りの走りでシード権を守ったアンカー山本修二(2年)

箱根駅伝の見どころ

箱根駅伝を知り尽くした石井安里氏に、駅伝がもっと楽しめる、各区間の注目ポイントを教えてもらった。

1区
大手町→鶴見 21.3km

チームの流れを作る区間。前半は集団で互いの様子をうかがう。後半の15km以降、特に多摩川を渡る18km付近の六郷橋での駆け引きが見どころだ。区間上位、あるいはトップが見える位置でつなぎたい。

2区
鶴見→戸塚 23.1km

エースが集う“花の2区”。駅伝の醍醐味であるゴボウ抜きが見られ、順位変動も大きい。14km手前の権太坂を過ぎ、20km付近から約3km続く上り坂が最大の難所だ。東洋大学は前々回、前回と服部勇馬(現・トヨタ自動車)が2年続けて区間賞を獲得した。

3区
戸塚→平塚 21.4km

近年は準エース級の起用が増えたが、今大会から4区の距離が延びることもあり、各校の戦略が分かれるかもしれない。12km手前から平塚中継所まで約10kmにわたって海岸線を走るコースは絶好の景色だが、風に左右されやすい。

4区
平塚→小田原 20.9km

前回までは、10区間中で唯一20kmを切る18.5kmだったが、81回大会以来、12年ぶりに20.9kmに変更された。近年は1年生の起用も多く見られたが、81回以前のように準エース区間になりそうだ。延長された2.4kmに、上り坂が待っている。

5区
小田原→芦ノ湖 20.8km

山上りの5区は前回までは最長区間で、エース級を起用する大学もあった。だが、12年ぶりに2.4km短縮されたことで、山のスペシャリストがいっそう注目を集めそうだ。東洋大学は初優勝した2009年の85回大会から、柏原竜二(現・富士通)が4年連続区間賞。

6区
芦ノ湖→小田原 20.8km

復路のスタートを切る6区。山下りといわれるが、5kmまでは上り坂で、ここを無理なく入りたい。ラスト3kmは坂が緩やかになるが、一気に山を駆け下りてきた選手には上りに見えてしまうほど苦しいところ。終盤に粘れるかどうかで、数十秒も変わることがある。

7区
小田原→平塚 21.3km

主力を配置することもあれば、1年生や初出場の選手が走ることもあり、各校の戦略が分かれる区間。リオデジャネイロ五輪に出場した設楽悠太(現・Honda)が、東洋大学2年時の88回大会(2012年)で樹立した1時間02分32秒が現在の区間記録。

8区
平塚→戸塚 21.4km

前半の10kmは海岸線を走る。後半は約9kmにわたり、多少のアップダウンを含む上り坂がだらだらと続く。特に16km付近から500mほどの遊行寺の坂が難所。8区あたりからは気温も上昇するため、脱水症状に気をつけたい。

9区
戸塚→鶴見 23.1km

花の2区を逆走する復路のエース区間で、チームの最終成績を大きく左右する。長い距離を安定して走れる選手が起用されることが多い。タスキを受けた直後に急な下り坂があるため、落ち着いて入ることがポイントだ。

10区
鶴見→大手町 23.0km

アンカーの10区は20km過ぎまで1区のコースを逆走するが、そこから銀座、日本橋を通り、フィニッシュ地点へと向かう長丁場。終盤の3kmは、10区間中で最も多くの観衆が沿道に駆けつける。混戦が予想される今大会は、最後まで目が離せない。

寄稿者プロフィール

石井安里氏(いしい  あり)

東洋大学社会学部在学中から、陸上競技専門誌に執筆を始める。卒業後、大学勤務の傍ら陸上競技の執筆活動を8年間続け、フリーライターに。『陸上競技マガジン』(ベースボール・マガジン社)への寄稿のほか、著書に『魂の走り』(埼玉新聞社)など。

サイト第93回箱根駅伝「選手紹介」

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