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健康スポーツ学科 「運動生理学実習」

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1.実験科学としての運動生理学

身体運動と「からだ」の関係を「からだの働」の視点から捉える学問が運動生理学です。たとえば、日常生活で身体を動かす(座っていた状態から、立ち上がって歩き始めることを考えてみます)と座った状態から急に立つと大脳への血流不足(立ちくらみ)を防ぐために、血圧を高くします。また、歩き始めると心臓の拍動が多くなり、呼吸数も増加し呼吸量も増加します。このような、変化は何故起こるのでしょうか。「からだ」が身体運動によって変化するのはそれなりに理由があります。日常生活だけでなくトップアスリーツがスポーツを行う場合にも、「からだ」の働きは変化します。本学陸上競技部の桐生祥秀選手が100m競技で9秒87(日本新記録)を出しました(残念ながら追い風があり参考記録となりました)。何故、このように速く走れるのでしょうか?このようなことを教えてくれるのが運動生理学です。運動生理学は実験科学(実験を主な方法とする科学)です。実験結果から身体の働きを考える学問です。どのように実験すれば「からだの働き」がわかるのでしょうか。

 2.運動生理学実習の実際

運動生理学実習は簡単な実験を行い、得られたデータから身体の働きを考えることを主として行います。項目としては(1)呼吸循環器系の働き、(2)神経―筋協調の働き、(3)無酸素的エネルギー出力(無酸素的パワー)および(4)筋の働き(筋電図解析)について実験を行います。呼吸循環器系の実験では運動中の心電図、血圧およびガス代謝(ガスマスクを装着し、マスクに呼気ガス分析器をつなげて、酸素摂取量、二酸化炭素排泄量、呼吸数、換気量・・・・を)測定することを行っています。
ガス代謝で排泄された二酸化炭素量と摂取された酸素量の比率をとるとその値は1.0から0.7の間の数値を示します。その値が0.91だったとします。その数値の運動ではエネルギー源になる栄養素が糖質74.1%,脂質29.2%の割合で使われていたことがわかります。からだの中で栄養素がどのような割合で使われていたのかを、酸素摂取量と二酸化酸素排泄量を測定するだけでわかります。肥満(脂肪が多く蓄積された状態)解消のためには歩行を長く行うことが肥満解消の運動として進められるのは、この数値が低く脂肪が運動のために使われていることが実験からわかったからです。このような実験から「からだの働き」を捉える学修をするのが運動生理学実習です。

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