1. トップページ
  2. Academics//教育
  3. 学部・学科
  4. Faculty of Economics, Department of Policy Studies//経済学部総合政策学科
  5. 総合政策学科優秀卒業論文「駅ナカ・駅チカ商業施設の現状と展望 ―地下鉄飯田橋駅のリニューアル提案―」
MENU CLOSE

総合政策学科優秀卒業論文「駅ナカ・駅チカ商業施設の現状と展望 ―地下鉄飯田橋駅のリニューアル提案―」

  • English
  • 日本語

氏名:小林 佳代子
主査教員:根本 祐二

論文要旨

本論文は、駅構内の商業施設について、様々な統計や情報をもとに将来を展望するものである。本論文では、駅ナカを、昔から存在していたKIOSK(キヨスク)および近年注目されている駅構内一体型商業施設『ecute(エキュート)』や、『Dila(ディラ)』等を意味する総称的な概念として捉えている。駅の改札内にあるものが一般的であるが、地下鉄駅の場合ではスペース上の問題から、“駅チカ(駅地下)”と呼ばれる、改札外に商業施設を設ける『Echika(エチカ)』も存在しているとする。
第1章では、現在の駅ナカの概念を整理するとともに、業界としての側面を財務統計的に分析している。また、キヨスクから発展してきた駅ナカの軌跡を辿り、駅ナカについての基礎的な情報を整理している。
第2章では、駅ナカ施設がある駅の共通点を数値的に洗い出し、駅ナカを設置するための乗降客数や周辺の商業集積などの一定条件を示している。また、駅ナカが小売業としてどのような戦略を行っているかを考察している。
第3章では、『東京地下鉄と都営地下鉄の経営統合問題』を取り上げ、これを新たなビジネスチャンスとして、首都圏を中心に発展している駅ナカを更に発展させる方策を検討している。中でも、経営統合問題でも取り上げられている九段下駅と本郷三丁目駅のホーム壁が取り払われることを基にして、両駅がどのように発展しうるかの可能性を検討している。
第4章では、新たな駅構内商業施設の例として、飯田橋駅に駅チカ商業施設を設置する提案を行っている。提案のための駅データを分析することで駅チカ適地であることを示したのち、歴史や街の雰囲気を基に、和風の空間を駅チカモデルとして提案している。最後に、提案を踏まえて、駅ナカや駅チカは今後どう発展していくべきか、新たな駅ナカ・駅チカ施設の在り方についての考えを整理した。

主査講評

本論文は、執筆者がもっとも関心を持ち、また、実際に就職する業界である地下鉄をテーマにして、日々大量の人々が集散するというポテンシャルを発揮する方策としての駅チカの可能性を具体的に追った論文である。総合政策学科では、「政策」を国、地方自治体という公共セクターの行政方策に限定することなく、民間企業における経営戦略(資本政策、人事政策など)も一つの大きな柱として捉えている。限られた資源を活用して最大限目的を達成する方法を考えるという意味で両者に本質的な差はないからである。その点では、東京メトロという実在の企業を対象に、鉄道インフラ企業が持つ公共性の特長を生かしつつ民間企業としての利益をも拡大できる「駅チカ」という領域に光をあてた点は、総合政策学科優秀賞論文にふさわしいものである。
日常なじみやすいテーマであるため、ともすれば情緒的に流されてしまう懸念があるが、本論文では、乗降客数などデータを用いて客観的に分析したうえに、飯田橋駅という具体的な駅の環境や構造にまで踏み込んで案を示していること、特に同町の歴史に踏み込んで和風の駅チカというまったく新しいアイデアを提示していることなど、ビジネス的にも直ちに応用できる優れた成果を上げている。
入社後いつの日か、実際に担当し、論文のアイデア実現の一翼を担うことを強く期待している。

受賞の感想・今後の抱負

私は受賞よりも、将来の仕事に関する好奇心を突き詰めて研究した論文が、他の人に認めていただけたことが更なる自信に繋がりました。春から新社会人になるにあたって、自分が携わる業界や会社のことをより深く知る良い機会となりましたし、その成果が学科内で評価されたことは純粋に嬉しいです。学生最後の集大成として、真剣に卒業論文に取り組んで良かったと思っております。
今回の論文を通し、自分の提言を読み手に効果的に伝えるためには、それなりの根拠やデータが必要であることを学びました。また、自分の文章能力について見つめ直すことができました。そのため、今回の卒業論文によって気付かされた点を活かし、読み手に親切な文章を考えられるよう、邁進したいです。今回研究した駅構内の商業施設に関しましても、入社後にまだまだ突き詰められる点はあると思いますので、現状の知識に驕ることなく、更なる知識を増やしていきたいです。

平成23年度卒業論文優秀者一覧ページへ