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マイクロメカトロニクス研究室

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マイクロメカトロニクス研究室

光を利用した血液の総合分析システムチップの開発

マイクロメカトロニクス

 当研究室では、半導体のチップサイズの基盤上に微細な流路を設け、血液をこれに導いて分析することで、様々な病気に関する情報が採取できるセンサチップの実現を目指して開発をしています。

 みなさんも健康診断などで、血液を採取されたこともあると思います。これにはかなりの血液が必要で、時間もかかり痛い思いもします。検査も、数ヶ月から1年ごとですから、なかなか病気の前兆がとらえられないケースもあります。

 本研究の対象とするチップは、マイクロ総合分析システム(Micro Total Analysis System: μTAS)とよばれ、流路や液溜まりが非常に小さいために、血液はごく微量でよく、採取の苦痛も少なくて済みます。チップ内の流れの絶対速度は小さいですが、チップ自体も小さいために、移動や検査試薬との反応時間も早く、スピーディに検査できます。人体にじかに付ければ連続的に血液の情報が採取でき、携帯端末を介してネットワーク化することで、データの蓄積・分析・判断などが可能になりますので、今後の予防医学の進展にも貢献できます。

 現在当研究室で試験的に手がけているチップは、3cm x 1.5cmで、厚さが1mm以下です。流路断面は約15μm x 20μmで、微小な形状にも思えますが、実際は赤血球の直径の2倍程度です。分析には可視域のレーザ光を使います。流路中を移動する血球細胞を狙って、チップの外からレーザ光を照射するのは難しいので、外部光源からいったん光ファイバを用いて光をチップの端まで導き、ここからチップ中に形成された導波路と呼ばれる光の「ガイドレール」のような部分を経由して、特定の流路位置まで光を導いて、血球に光を照射します。ガイドレールの役割をする部分をコアと言いますが、最近作製した試料ではその断面は6μm x 9μm程度にまで微小化されています。血球(現在は樹脂の球を使用)に照射された光は四方八方に散乱されますが、これも同様に導波路で集め、最終的には光ファイバを経由して高感度なセンサで検出し、分析しています。 


大久保 俊文 教授

専門分野:超高密度小型光メモリの開発、走査型プローブ顕微鏡のメモリ応用、等