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国際経済学科長メッセージ

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東洋大学経済学部 国際経済学科長 続 三儀 
Xu Sanyi 〔Sangi Syoku〕

国際経済学科への招待


高校生の修学旅行先が海外になっても、話題にならなくなりました。スポーツ・シューズが中国製、ジーンズがベトナム製であっても、いまさら驚きません。スーパーの肉売り場ではオージービーフが、当たり前のように並んでいます。そのほかにもアメリカ産のオレンジ、チリ産のウニなど、私たちの身の回りには外国からの輸入品があふれかえっています。また、東京の街角はもとより、地方の鄙びた温泉でも、いろいろな国の方々が歩き回る姿に違和感を覚えなくなりました。“外国”はすっかり私たちの日常の暮らしに溶け込むとともに、こうした傾向が今後ますます進んでいくことを予感させます。

これほど“外国”が身近な存在になったのは、国際間のモノ・カネ・ヒト・情報の交流が、以前には想像できないほど世界中で活発になったことの結果ですが、そうした交流はなぜ生じたのでしょうか? これから世界はどう変わっていくのでしょうか? 国際経済学科は、このグローバリゼーションと呼ばれる現実とその今後について、経済の視点から理解を深め、世界を舞台に、世界を相手にビジネス界や官公庁で活躍できる人材の養成を目的としています。

そのため、私たち国際経済学科のスタッフは、カリキュラムにいろいろと工夫を凝らしました。2016年からのカリキュラムでは、国際金融、国際経済・企業、開発・環境、各国経済・地域、そして国際コミュニケーション力・国際人の養成という5つのジャンルを設けて、教育を展開させています。この中で、まず経済の仕組み、マクロ経済学、ミクロ経済学、グローバルエコノミー入門などを学び、同時に、経済の実情を理解する際に不可欠な統計分析の手法も重視して、経済データ分析を学びます。その上、国際的な視野を養うために、アジア、アメリカ、ヨーロッパの経済・社会の動向や、国際的なモノ・カネ・ヒト・情報の動きを理解するための科目を配しています。つまり、グローバリゼーションの表面をなぞるのではなく、経済学の理論や実証研究を通じてグローバリゼーションの核心にまで迫ろうという経済学の学習プログラムを構成しています。

しかし、なんといってもカリキュラムの中心になるのは、1年次から4年次まで設けているゼミナールです。ゼミナールとは、少人数クラスにおいて教員と学生が緊密な双方向コミュニケーションを繰り広げる授業を指します。このゼミナールでは、各分野の専門家である教員からきめ細かい指導を受けながら、プレゼンテーション・ディスカッション、レポート・論文の作成、社会情報や学術的な知識の探索といった在学時はもとより、卒業後にも不可欠なアカデミック・ツールを身に付けるとともに、問題発見・課題解決能力を育みます。そして最後の4年次のゼミでは、学業の集大成として卒業論文の作成を目指します。

ところで、外国との情報の受発信や、海外への雄飛を果たすうえで必須なのは、外国語の習得です。そのため、英語と他の外国語(独・仏・中国語)の講義を提供するほか、「TOEIC」「検定ドイツ語」「検定フランス語」「検定中国語」といった科目を用意し、英語必修を3年次まで、その他の外国語選択必修を2年次までにして、外国語能力を実用レベルにまで高める手助けをしています。それから、日本語の講義も設け、留学生の日本語による読み書き能力の向上を図っています。また経済学部では、国際経済学科を中心に学生の海外体験を促すため、中国、米国、欧州(フランス・ドイツ)における研修の機会を設けています。

学祖・井上円了は、諸学の基礎は哲学にあるとして、哲学を通して多様な価値観を理解し、信念・思想をもって社会の課題に取り組む人材の養成を目指しました。円了自身も、社会的意識に基づく真理の探求を生涯怠らず、そのために長期にわたって世界中を旅し、国際的な視野を育み、多様な価値観の理解に努めました。国際経済学科の使命は、円了のように豊かな国際的視野と強い意志をもって問題発見・課題解決に取り組む人材を世に送り出すことにあります。