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食環境科学科学生が産官学連携で減塩効果が期待される海藻添加麺を開発、研究報告会で発表

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2月20日(木)本学と神奈川県水産技術センターは、平塚市内の企業を対象に、減塩効果が期待される海藻添加麺の研究成果報告会を開催しました。開発したのは、神奈川県内で獲れた低利用素材であるアカモク(海藻)とワカメの茎を添加した麺「花まつも麺」。アカモクの石川県や能登半島における呼称「花まつも」から、「花まつも麺」と食環境科学科学生がネーミング。その研究開発を食環境科学科4年の櫻井里奈さん、齊藤詩乃さん、鈴木奈々さんと太田昌子准教授(食環境科学科)、水産技術センターが合同で発表しました。
食環境科学科学生発表の様子食環境科学科太田先生、学生、落合平塚市長が花まつも麺を持っているところ
 食環境科学科学生発表の様子             左から太田昌子准教授、鈴木奈々さん、平塚市長落合克宏氏、
                               
齊藤詩乃さん、櫻井里奈さん

アカモクやワカメには、アルギン酸やフコイダンと呼ばれる増粘多糖類(食物繊維)が含まれます。これらの物質は、ナトリウムを尿中に排泄することを促進し、血圧を下げる効果が期待されています。
アカモクの写真
写真:アカモク

神奈川県水産技術センターはこの機能に着目しており、その趣旨に賛同した太田准教授と共に高塩分食である中華麺において利用することを検討しました。
その中で、食環境科学科4年の櫻井さん、齊藤さんは、スープの味わいや食感を変えずに中華麺にアカモクを混合させる方法を研究しました。
液体のアカモク抽出液を小麦粉に混ぜて中華麺を製造すると、茹で汁中にアカモク成分が流出してしまうという問題点がありました。そこで、加熱処理したアカモクを凍結乾燥(フリーズドライ)した粉体を用いて、太田准教授によりサイクロデキストリンによる麺内に取り込ませる手法や、乳化剤と真空ミキサーを併用した製造法を検討したところ、流出防止効果があることが確認されました。そして適正な添加剤の種類や量については、学生が試行錯誤しながら実験を繰り返し、ようやく実用的な組合せを得ることができました。
花まつも麺を使用した中華麺の盛り付け後
写真:花まつも麺を使った中華麺


鈴木 奈々さん(データ整理・収集や、企業の方々とのやり取りを担当)

社会人にならないと経験できないと思っていた商品開発に携われたこと、企業の方と関わりを持てたことが大きな収穫。

齊藤 詩乃さん(実験を担当)

企業の方や市の役員の方と関わり、一緒に研究できる機会はめったにないと思う。この経験は、実際に社会に出て役に立つと感じた。卒業前にこのように形になって嬉しい。

櫻井 里奈さん(実験を担当)

仕事で商品開発をしたい、という思いで大学に入り、研究では商品開発に携われるテーマを選んだ。実際に携わってみて、思っていたより、楽しさよりももっともっと大変な部分がある、ということを身を持って体験できた。研究で夜遅くまで残ったり、思ったような実験結果が得られずうまくいかないこともたくさんあった。商品開発は楽しくないのではないか、と悩むこともあった。その過程を経て、こうして研究が形になり感無量。ここで学んだ経験を生かしていきたい。(製麺会社に就職)


太田 昌子准教授

本研究を通し、研究面のみならず多くの面で学生が成長したように感じる。
社会人とのやり取りから、事務文書の書き方やメールの送り方、報告・連絡・相談など基礎的なビジネスマナーが身に付いていた。この力は、社会人になって役立つものだと思う。
また、産業界における研究と大学の研究は進捗方法が異なる。このような産官学連携の研究では、産業界の実際のニーズや開発スピードを、身を持って知ることになる。産業界への理解は、就職活動の中でも役に立ったはず。
実験操作における成長も大いにあるが、多くの方々とのやりとりの中で、社会人としての基礎力を学んだことは、貴重な経験になったと思う。

神奈川県水産技術センター 臼井 一茂氏

はじめは右も左もわからず不安そうだった学生が、自分で計画を考え、独立して研究できるようになった。一緒に研究を行い、成長を感じた。また、学生の奇抜なアイデアは、研究員にとっても刺激になる。うまくいかず大変なことも多かったと思うが、自信を持ってやれることを見出したときの嬉しそうな顔は、忘れられない。
研究においては、センターだけでできる部分とそうでない部分が明確にある。センターでは、分析はできても、生理機能として有効に働いているか、という実証実験までは行えない。これは、大学と連携するメリット。今回は、機能性を持った状態のアルギン酸を含む麺を完成させただけでなく、実際に体内で働いている、という部分まで実証できたことが大きな成果。

株式会社 麻生 常務取締役 麻生 昭彦氏

麺を作ることはできても、自社のみではその麺の効果や機能面まで調べることはできない。このような、産官学連携の取り組みは、既存の商品の打ち出し方を考えるきっかけにもなる。また、提案したことを受け入れ、検証してくれることをありがたく感じている。大学からの提案も受け入れることで、互いに試行錯誤が重ねられ、より良いものが生み出せる。


謝辞:
本調査を遂行するにあたり、下記の皆さまにご協力をいただきました。この場を借りて深謝申し上げます。
(株)小松製作所平塚工場、日産車体(株)本社・湘南工場、古河電気工業(株)平塚事業所、(株)横浜ゴム平塚製造所
学生の発表風景
研究報告会には、平塚市内の関係企業のほか、メディアも来訪。
櫻井さんと花まつも麺太田准教授と学生たち
研究報告会の後、試食会も行われた。 花まつも麺の完成を喜ぶ太田准教授と学生たち