松姫物語

松姫物語

『松姫物語』は世阿弥による謡曲「車僧」を物語化した発心談で、都五条に住む中納言しげただの息子の中将と、山科の里の左衛門の尉の娘松姫の悲恋を描いている。本学所蔵は『松姫物語』と題する唯一の写本で、大和絵十五段を詞と交互に配する絵巻物。絵巻物とは、室町時代に婦女子の読物として書かれた通俗的な物語草紙の類で、物語絵を伴うものを指す。

〈画像1〉中将からの文を受け取る松姫。
松姫物語1

〈画像2〉松姫からの返事を受け取る中将。
松姫物語

〈画像3〉中将は松姫と契りを交わし、家に迎える。
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〈画像4〉松姫との結婚を反対する中将の父。
松姫物語4

〈画像5〉中将は宿願あって清水寺に7日間参籠する。
松姫物語5

〈画像6〉松姫は中将の母に北野へ誘われる。
松姫物語6

〈画像7〉男に殺される松姫。
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〈画像8〉行方不明の松姫を探し回る中将。
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〈画像9〉ある日、松姫とよく似た女性を見かけ、追う中将。
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〈画像10〉松姫に似た女性を追い、中将は袖をとらえて問い詰める。
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〈画像11〉中将は松姫を確認し、一夜を過ごしたその夜明け。
中将の傍らにいたはずの松姫は変わり果てた姿になっていた。
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〈画像12〉中将は出家し、諸国を廻る。牛のいない車に乗るところから、いつしか「車僧(くるまそう)」と呼ばれるようになったという。これは能の五番目物「車僧」の前日譚にも見える哀しい恋の物語である。
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書名『松姫物語』
数量1軸
書写/刊記/伝来江戸初期写
島津久基博士 旧蔵
装訂/
大きさ
巻子本
16.9×1371.6cm
奥書「大永六年〈丙戌〉八月廿五日/尋貞」
翻刻横山重・松本隆信編『室町時代物語大成』第12巻(角川書店 1984年)
影印奥平英雄編『御伽草子絵巻』(角川書店 1982年)