化物婚礼

書名化物婚礼(ばけもののこんれい)
装丁/写刊/数量/大きさ絵巻物1巻 26.5×1348.7cm
作者惺々暁斎(1831-1889)画
成立年代江戸時代末期~明治初期頃

 妖怪の婚礼の一部始終を鮮やかな色彩で描いた絵巻物。妖怪の表情はそれぞれ愛嬌があるので、怪異を描いたというより、戯画(ふざけた絵)的要素が高いといえる。ほかに、国際日本文化研究センター、松井文庫、福井市所蔵の「化物婚礼絵巻」が知られ、内容がほぼ同じであるところから、おそらく共通の粉本(絵手本)があったかと思われる。

化物婚礼サムネイル1
①媒嫁ノ方へ婚姻申入ル図
婚姻の話を申入れる。娘は両親の後ろで恥ずかしそうに、口元を袖で隠しているが、うれしさは隠しきれない様子。

化物婚礼サムネイル2
②媒婿ノ方へ嫁ノ相談ニ来ル図
つぎに、媒酌人は、婿の家へ嫁の相談をするために来る。襖の陰で聞いているのが婿。こちらも笑みが浮かんでいる。

化物婚礼サムネイル3
③嫁婿見合ノ図
茶店で待ち合わせて嫁と婿がお見合いをする。茶店の看板には「うしみつ屋」とある。恥らう嫁の愛らしさに、婿は茶をこぼす始末。奥の茶釜は狸が化けたものらしく、頭と尻尾が見えている。

サムネイル4
④婿ヨリ結納贈ル図
婿の家より嫁の家へ結納が贈られる。鯛は自ら台に乗ったまま歩いていく。

化物婚礼サムネイル5
⑤結納請取渡し図
結納が嫁の家へ届く。
まだ、行列がすべて到着していないが、すでに酒と狸は着いており、使者が目録を手にして先方へ渡そうとしている。

化物婚礼サムネイル6
⑥嫁婚礼衣装仕立図
嫁の家では、婚礼衣装が着々と縫われている。

化物婚礼サムネイル7
⑦嫁化粧ノ図

化物婚礼サムネイル8
⑧嫁ノ道具運ノ図
このあたりより、「百鬼夜行図」に似て、琵琶や琴の付喪神が登場する。

化物婚礼サムネイル9
⑨婚礼行列図

化物婚礼サムネイル10
⑩婚礼儀式盃ノ図
新郎と新婦の間には、縁起物である島台がおいてある。島台の高砂の松、翁と嫗、鶴亀はどれもめでたさの象徴。

化物婚礼サムネイル11
⑪婚礼祝膳ノ図

化物婚礼サムネイル12
⑫擷帯ノ祝儀 一家祝ニ来図
子供ができて、帯祝いが行われる。一般に人間の場合は妊娠五ヶ月だが、化物の場合はどうなのだろう?

化物婚礼サムネイル13
⑬安産ノ図
生まれた赤ちゃんに産湯(うぶゆ)を使わせる。

化物婚礼サムネイル14
⑭産ノ祝酒宴馳走図
親族は早速祝いの宴を開いている。

化物婚礼サムネイル15
⑮宮参図
子どもが生まれて後、初めて氏神に参詣する。

化物婚礼サムネイル16
⑯化物日ノ出ニ驚逃散図
化物一家も子孫繁栄と見えたが、ここで日の出にあいみな一目散に逃げ出していく。
この場面は「百鬼夜行図」を意識したものであろう。

化物婚礼サムネイル17
⑰千秋萬歳寳入船
祝いの言葉とともに宝を満載した船がやってくる。めでたしめでたし。