電気電子情報工学科

明日の地球につながる技術

光エレクトロニクス研究室(中野秀俊 教授)

光波による高密度情報処理技術基盤の研究

チタンサファイアレーザ

画像、視覚情報などで古くから馴染みの深い「光」は、非常に周波数の高い電磁波です。FTTH (Fiber To The Home)などで既に家庭内にも入り込んでいる「光通信」は、光の有用性を象徴する技術の代表であり、その普及によって「21世紀は光の世紀」とまで言われています。ここで重要な点は、「光波」(電磁波としての光)の周波数が、通常の電子技術で到達できる周波数の上限を凌駕することです。その端的な例が、電子回路技術のみでは決して到達することができない極小時間領域へのアクセスです。最先端のレーザ技術を用いれば、世の中で最速の光ですらウィルスの大きさ程度の距離しか進むことのできない程の狭い時間幅をもつ光パルスを安定に発生させることもできるのです。このような光パルスを用いれば、単位時間(例えば1秒)当たりに今よりも遥かに多くの情報を収容することができるはずです。

私たちは、このような先端レーザの技術を基盤として、光波の超高速、超広帯域特性、ならびに空間並列性を組み合わせた超高速超高密度光波情報処理、通信技術の基盤技術の確立を目指した活動を行っています。このような技術を実現するためには、さまざまな色の光に対して高速に、しかも高感度で応答する材料が必要です。このような新規材料の探索を目的とした高速応答特性評価、またその手法の開発も行っています。