都市環境デザイン学科

自然と調和した都市システムを生み出すスペシャリストを育成。

サステイナブル材料・施工研究室(横関康祐 教授)

コンクリートの生産性、耐久性、環境性に関する研究

コンクリートは、我々の生活、産業、防災などに欠かせない材料です。古代ローマ時代にもコンクリートは使われていましたが、現代のコンクリートの歴史はおよそ200年程度、大量に使用され始めて50年余りといった古いようで新しい材料です。
近年、地球環境問題として二酸化炭素の排出削減が各産業部門で検討されていますが、セメントの製造においては、4~6%程度のCO2を排出していると言われています。また、建設産業全体のCO2排出量も非常に大きいと言われています。この問題を解決すべく、コンクリートにCO2を吸収させる技術を研究しています。CO2吸収コンクリートの製造・施工方法、耐久性の評価、新しい活用法などの研究を行っています。

建設業の生産性は、他の産業に比べて大きく劣っていると言われています。少子高齢化に伴う労働人口の減少、国際化や建設費用の低減など多くの課題が影響しています。そのため、最新の材料技術やITなどを駆使して、早く・安く・よいものを作る技術、すなわちコンクリート施工に関する生産性の向上技術に関する研究を行っています。
さらに、わが国では、土木構造物の老朽化が社会問題となっています。既存構造物を安全・安心に、より長く品質を保持していく維持管理が非常に重要となります。維持管理においては、コンクリートの劣化予測に関する技術が鍵になると考え、これに関する基礎的な研究を行っています。具体的には、塩害、溶脱、凍害、中性化といったコンクリートの劣化メカニズムを解明し、合理的な劣化予測技術を研究することで、いつ補修をすればよいとか、どのような材料で補修するのが合理的かなどの判断に資することができると考えます。

当研究室には、コンクリートやモルタルを製造するための様々な設備、力学などの構造性能を評価する各種大型試験装置、また、X線回折分析装置、熱分析、顕微鏡、全炭素分析装置、塩分分析装置などの高度な材料分析装置などを有しています。コンクリートのミクロからマクロに至る物理化学性能を高度に分析・評価・解析し、サステイナブルな社会に貢献できる材料・施工技術に関する研究を行っていきたいと思います。

この研究室を希望する方へ

土木とは、目立たずとも人命や社会・経済を支える影の力であり、有史以来欠かすことのできない、世のため人のために生涯を賭して身を捧げるだけの価値がある学問・産業分野です。近年の少子高齢化や過疎化、震災からの復興、今後発生が予想される南海・東南海地震や首都直下地震に対する防災・減災、インフラの高齢化、グローバル化など様々な社会問題がある中で、今後ますます土木分野の重要性が増していくものと考えます。このような崇高な志や意義、問題の原因究明、解決手法を学生さんとともに探求していきたいと思います。

明るく元気で、自分の考えを表現できる人、もの作りが好きな人、体力に自信がある人、ゼネコンや研究者志望の人、新しいことにチャレンジしてみたい人、社会貢献に興味がある人などを募集します。

Research Activities INTERVIEW
https://www.toyo.ac.jp/research/interview/05/