生体医工学科

医学・工学両分野を学び、幅広い対応力を身に着けた視野の広い人材の育成。

ナノメディスン研究室(吉田善一 教授)

ナノテクノロジーの医療応用

ナノメートルサイズの炭素系物質を総称してカーボンナノ構造体と言いますが、それらはエレクトロニクス・材料・生命科学・情報通信などさまざまな分野で実用化が期待されています。カーボンナノ構造体の中でも非常に有名なのがカーボンナノチューブやフラーレンです。しかし、これらを用いた実用化の例は非常に少ないのが現状です。その原因の一つには、望んだ構造・性質のカーボンナノチューブやフラーレンを思い通りに制御して作ることができないということがあります。そこで、当研究室ではカーボンナノチューブやフラーレンを主な対象として、新しい生成装置を開発し構造・性質の制御を目的に研究を行っています。

その研究の一つが、鉄内包フラーレン合成です。プラズマ物理の世界拠点であるハンガリー科学アカデミー・原子核物理研究所と重イオン癌治療の世界拠点である日本の放射線医学総合研究所と共同して、世界で初めて「新物質合成用電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオン源装置」を開発しました。この装置で生まれた成果すべてが次世代ものづくりイノベーションを支える基盤技術でもあります。特に、炭素60個からなる「かご」であるフラーレンの中に鉄原子を入れることによって、ナノテクノロジーの分野で多くの偉業が達成されます。その一つが、がん細胞造影及び治療用磁性微粒子であり、二つ目が、ナノストラクチャー部品のビルディングブロック(原子分子レベルのレゴブロック)です。生命科学や医療分野イノベーションのために世界レベルでの共同研究を展開しています。

また、ナノメータスケール加工技術やナノ材料を用いて、手のひらサイズの血液検査装置や無痛注射針を作製する研究もしています。

この研究室を希望する方へ

当研究室は実験が主体の研究室です。カーボンナノチューブやフラーレンなどの最新の生成装置もありますし、レーザやイオンビームなど世界最高レベルの実験ができる装置もあり、それを評価する電子顕微鏡や分析装置も本学の共用装置を使うことができます。そして、それらの装置を日々進化させようと改良に努力しています。当研究室では、研究・開発において重要なさまざまなプロセスを踏んで論文を仕上げることになります。当研究室で得た経験は、たとえ社会に出て異なる分野に進んでも役に立つ経験だと思います。私は皆さんが有意義な経験をできるように努力します。そして何より皆さんにも努力してもらいたいと思います。実験が好きな人、クリエイティブでありたい人、アクティブな人、計画的な人、モノづくりの楽しさを知りたい人、が集まっている研究室です。