生体医工学科

医学・工学両分野を学び、幅広い対応力を身に着けた視野の広い人材育成を目指す。

医学・生物科学と工学の両面の理解を深め、医工学に関する幅広い視野から実践的な問題解決ができる力を養いつつ、高度な医療機器や福祉・介護に役立つロボットなどの開発に取り組み、社会に貢献できる技術者・研究者を育てます。また学科の特色を生かしたキャリア形成プログラムを実施し、生体医工学が関連する分野に対する学習姿勢や意欲、社会への興味と知識を身につけます。

学問の魅力

医学、生物科学、工学を融合

医学、生物科学と工学を融合させた視野の広い学問です。身体の構造や人の心を正しく理解し、医学と工学のバランスのとれた知識と技術を身につけることができます。少子高齢化が進む日本では、より人に優しい医療機器や福祉・介護ロボットなどの開発が急がれており、医工学への注目はますます高まっています。また、生物の構造や機能を工学的に利用し、健康科学、スポーツ科学、医学などへの応用を目指すバイオミメティクスも柱となるテーマです。バイオミメティクスとは「生物模倣」、つまり厳しい自然環境に調和しながら生存する生物の機能を、人のために役立てる“ものづくり”へ応用する学問です。

学び方

からだの仕組みや健康と医療を幅広く学ぶ

人間のからだの仕組みや健康について幅広く学び、病気の原因を調べる医療機器やからだを修復する人工組織、医療材料などについて学びます。具体的には、まず生物学、生命科学、機械工学、システム工学の基礎を習得し、それからより専門的な医療機器、福祉機器、医用画像、バイオセンサ、再生医療、遺伝子工学、バイオ創薬などへの知識を深め、健康や医療に関わる資質のある人材を養います。さらに、キャリア形成の基盤を作る「ダ・ビンチ・プロジェクト」を導入し、入学時から生体医工学が関連する分野に対する学習姿勢や意欲、社会への興味と教養を身につけます。

グローバル化への対応

学生の英語能力向上のための英語科目の配置

4年間継続して英語を学ぶ環境を整えるため、3・4年次に「Basic Technical English」、「Advanced Technical English」を新設、卒業要件単位数も従来の6単位から8単位としました。これらによって、3・4年次の卒業研究や大学院での研究活動に活用するための、実用的な生きた英語力を強化します。また、グローバル時代に必要なキャリア形成を図るために、生体医工学科独自の人材育成プログラム「ダ・ビンチ・プロジェクト:プログラムⅠ〜Ⅳ」と連携して、英語による自己表現力を身につける授業を行います。これは英語専門教員と生体医工学専門教員が複数で担当し、より実践的な英語力の習得を目指します。

4年間の学び

「ダ・ビンチ・プロジェクト」で多角的な視点を持つ人材を育成

生体医工学科の基幹および専門教育の特色をさらに効果的に発展させるために、4年間継続して、具体的な学習課題を立てて少人数グループでプロジェクトを完遂させる「PBL:プロジェクトにもとづく学習、(通称)ダ・ビンチ・プロジェクト」を実施します。ダ・ビンチ・プロジェクトでは、「社会興味関心の向上」「人間形成の基礎となる常識力の向上」「生体医工学科専門科目に関する情報収集・編集・加工・発信力の向上」「語学に対する積極性向上」を目標に、2年生までにキャリア形成の基盤を目指します。そのうえで生体医工学の専門的な生命科学、機械工学、福祉工学を学び、実践的な実習と研究で医療知識を身につけます。そして高性能かつ高機能な医療機器や人工臓器、バイオセンサなどの医療材料の開発ができる人財を育成します。

新カリキュラムの特徴

基盤教育、理工学基盤科目に加えて、本学科独自の専門科目である「解剖学」、「機械工学」、「生物の科学」などを1年次から学ぶことが特徴です。「生体医工学序論」は、いくつもの専門領域から成り立つ生体医工学を大枠で理解するための科目で、生体医工学に関する生物学、医学、医工学、工学の各専門分野を、専任教員全員がオムニバス形式で紹介します。また4年次に「生体医工学研究Ⅰ・Ⅱ」「臨床工学研究Ⅰ・Ⅱ」を卒業関連科目として新設しました。これは配属研究室での卒業研究、外部連携機関との共同研究、臨床工学技士の国家試験受験資格取得への対応など、さまざまなことに適応できる人財を育成することを目的としており、生体医工学科の総仕上げとして位置づけられています。

カリキュラムマップを見る(PDF: 1ページ, 385KB) ※カリキュラムは改訂することがあります。

卒業論文のテーマ例

  • 小型筋電計による睡眠時ブラキシズムの検出
  • 低周波圧センサを用いた非侵襲右心機能モニターの開発
  • 立体ディスプレイを用いた手術支援用画像システムの開発
  • コンディショニングが運動動作に与える影響〜駅伝部選手サポートから〜
  • 魚の尾ひれ形状と推進力に関する研究
  • 鉄内包カーボンチューブを用いた誘導加熱がん治療の基礎研究
  • 脳における神経細胞分布の解析
  • ストレスに対する循環血流の変化の計測と可視化
  • 光トポグラフィによる運動学習過程の可視化
  • 樹脂注射針一体型マイクロニードルの作製
  • ストレスと運動における免疫能の変化と迅速測定システムの開発
  • がんに対するバイオ医薬シーズの開発  など

学びの取り組み

体験型自立創造学習プログラム

1年次から4年次までの4年間を通じた教育カリキュラムは、広い視野をもってさまざまな問題の発見、解決ができる学生の育成を目的としています。そのため、現実的・実践的なケーススタディを通して総合的な能力を養う、体験型自律創造学習プログラム(Problem based Learning:PBL)を教育の中核に据えています。その上で、生物学、物理学、医学、脳科学、工学のバランスのとれた知識を備えられるカリキュラムを構成し、演習や実習科目を経て、卒業研究へのスムーズかつ早期の移行を目指しています。具体的には「睡眠時の脳波や血流を調べて快適な寝具を研究する」、「心臓の仕組みを知り人工臓器の機能や素材について研究する」、「ナノテクノロジーとバイオテクノロジーを駆使して癌の早期発見システムを構築する」、「蝶のはばたきを調査・観察して、蝶型の飛行ロボットを製作する」など、現実的・実践的なケーススタディを通じて、社会に通じるキャリア形成能力を育てるのが特徴です。

サイエンスキャンプ

「サイエンスキャンプ」は、独立行政法人科学技術振興機構財団(JST)が主催する、先進的科学技術体験合宿プログラムです。先進的な研究テーマに取り組む大学・公的研究機関・民間企業等を会場に、高等学校や高等専門学校(1~3学年)等に在籍する生徒を対象としています。本学科はJSTの「サイエンスキャンプ」プログラムに採択され、平成25年度と平成26年度に3日間のサマーサイエンスキャンプを開催しました。全国から集まった25名の高校生に対して、「血圧ってなんでしょう?~血圧が上がったり下がったりする仕組み~」をテーマに、血圧の測定方法や高血圧モデルの作製を体験してもらいました。初日は血圧の基礎を解剖学的および生理学的に勉強し、2日目はグループ別にヒトの血液循環モデルを作製、最終日は2日間で培った知識をもとに作製した高血圧モデルを用いてプレゼンテーションを行いました。高校生に対する専門的な測定器具の説明やプレゼンテーションの指導を通じて、学生の生体医工学への興味をさらに深めるとともに、豊かな創造性が育まれる貴重な機会になりました。

生体医工学研究センター

生体医工学研究センターは、東洋大学大学院理工学研究科での研究教育を基盤とし、「脳科学を基盤としたストレスの可視化によるヘルスサポートシステムの開発」をテーマとしています。当研究はその社会的需要と先進性により、「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に採択されています。本学科の学生は、在学中に生体医工学実験や卒業研究を通じて、最先端の研究に参画する機会に恵まれています。ストレスマネージメントのための新しいコンセプトによる測定法、可視化手法および装置の開発を行い、バイオフィードバックシステムに代表される総合的ストレスマネージメントプログラムの開発を、指導教員とともに行います。バイオフィードバックシステムとは、「脳」「自律神経系」「内分泌系」「免疫系」のそれぞれの活動を目に見える形にして、その情報をシステムの利用者に伝え健康維持に役立てていくシステムです。少子高齢化時代を迎えた現在、安心・安全な社会の形成に向けて、医療のみならず生活の場にも適用できる新たな「医学」と「工学」の架け橋となる学生を、生体医工学研究センターで育てます。

副専攻コース