応用化学科

変革する社会に応える化学。

大気化学研究室(泉克幸 教授)

環境汚染物質測定用化学センサの開発

ザルツマン試薬を含浸させたNO2検出素子

この研究は、もともと、NTT環境エネルギー研究所が「多孔質ガラスを用いた環境センサの開発」として推進していたものであり、環境省から研究費の支援を受けた経緯がある。多孔質ガラスはガラスの内部にナノサイズの貫通孔を無数に有していて、貫通孔のサイズによっては透明のものがあり、空隙率は見かけの体積の30%にもなる。このため、多孔質ガラス内部に反応試薬を含ませること(含浸)が可能であり、無数のナノ孔の存在によりガス吸着能力が極めて高い特徴もあることから、これらの性質を利用し、光ファイバー、発光ダイオード(LED)と受光用ダイオード(PD)などを組み合わせることにより、小型のセンサを作ることが原理的に可能である。さらに、試薬を変えると、多種類の化学センサを開発できる可能性がある。使い方によっては、pH試験紙のように発色の程度により大まかな濃度を知ることも可能である。一般に、環境汚染物質の濃度測定を行うには煩雑な化学的操作が不可欠であり、特に、オキシダントや窒素酸化物、硫黄酸化物などの主要な大気汚染物質の測定には、公定法で定められた高額で大型の測定装置を用いる必要がある。さらに装置の使用に当たっては専門的な知識も必要とされる。以上のような背景から、本研究の最終的な目標は、「簡便に使用できる小型で安価な環境センサを開発すること」である。国立環境研究所、NTT環境エネルギー研究所との共同研究で、現在までに開発されていた多孔質ガラス基板素子は、

  1. ザルツマン試薬含浸NO2検出素子
  2. β-ジケトン含浸ホルムアルデヒド検出素子
  3. シッフ試薬含浸ホルムアルデヒド検出素子
  4. オゾン(オキシダント)検出素子

がある。(1)を多孔質ガラスにKMnO4を含浸させた酸化剤と組み合わせると、環境濃度レベルのNOを測定することが可能である。

この研究室を希望する方へ

環境問題の研究は地味です。環境問題に関心がある人、新しいことにチャレンジできる人、地道にコツコツとがんばれる人を歓迎します。卒業研究の1年間は学ぶことが一番多い1年間になります。目標を立てて有意義に過ごすようにしてください。