生命科学科

生命は、謎に満ちている。

神経機能制御研究室(金子律子 教授)

(1)脳に影響を及ぼす様々な因子とその作用メカニズムの解明

脳の不思議

脳は、魚~哺乳類まで同じようなものだと皆さんは思っているかもしれない。でも魚の脳ならば小さな傷を受けても、神経細胞が増殖して治してしまう。哺乳類の脳ではそうはいかない。なぜだろう?哺乳類でも脳にできた傷を治せるようにできないだろうか?

脳の性転換や性の決定

「ティラピア」という魚は、雄は巣穴を掘るが(写真(1))、雌は掘らない。ところが、魚の男性ホルモンを注射すると、それまで絶対に巣穴を掘らなかった成熟した雌が、巣穴を掘るようになる。つまり、ホルモン一つで「雄」に特有の行動を「雌」に起こすことができる。脳の中で何が起きたのだろう?実はこの時、脳の小さな場所で、一群の神経細胞が変化している(写真(2))。神経細胞はどんなメカニズムで変化したのだろう?ネズミの仲間(哺乳類)では、オス型かメス型の神経回路になるかは出生前後に決定し、その後脳の性転換できない。哺乳類の脳の性決定はどんなメカニズムで起こるのだろう?私たちは雌雄で異なった発現をしているタンパク質を見つけた。現在、そのタンパク質の働きを調べている。

他にも、内分泌かく乱物質など、脳に影響を与える色々な因子についても調べている(写真(3))。

写真(1)
写真(2)
写真(3)

(2)マイクロチップを使ったiPS細胞由来の細胞などを使った疑似血管毛細作製とリスクファクターの解析

マイクロチップを用いた疑似毛細血管の作製

(2)のテーマは、民間企業と一緒に研究をしている。マイクロチップの細い空間を利用して、血管の壁の細胞(内皮細胞)を培養し(写真(4))、中を通す液の血糖値を変えたり、温度を変化させている。血管障害が起きやすい人の血管の壁はどんな変化に弱いか等を調べる目的で、iPS細胞由来や人に近いサルの内皮細胞などを使って研究している。

写真(4)

この研究室を希望する方へ

体って不思議です。自分の好奇心を大切にしてもらいたいと思っています。また人の役に立つことを勉強したいと思っている方は、その気持ちも大切にしてもらいたいと思います。私の研究室は、医療関係の会社に就職する学生が多いです。人の役に立ちたいという気持ちを失わないで、好奇心を持って、主体的にしっかり勉強することで、自分の将来のイメージが固まってきます。それを是非、就職活動やその後の仕事に活かしてください。

人を含めて、生き物には未だ解明されていない不思議が満ち溢れています。研究室では、学生一人一人の興味に合わせて実験テーマが決まります。テーマは一人一人違い、まだこれまで誰も実験していないことに挑戦します。卒業までに、是非「自分のオリジナルな発見」をしてください。