応用生物科学科

自然、いのちに学び、未来を拓く。

植物細胞工学研究室(梅原三貴久 教授)

植物の生長調節物質に関する生理・生化学的研究

植物は、食糧増産、環境保全、エネルギー獲得などさまざまな場面で我々の生活に貢献してくれています。今、その植物の潜在能力を引き出し、持続的な社会を構築することが求められています。私の研究室では、植物のかたちをコントロールする植物ホルモン(あるいは植物成長調節物質)や人の健康に関わる機能生成分など、植物が生産するケミカルに注目した研究を進めています。特に、現在では植物ホルモンのオーキシン、サイトカイニン、そして最近発見されたストリゴラクトンに注目した研究を展開しています。これらの植物ホルモンは、植物体内には1 gの組織に数十〜数百pg(1pgは1×10-12g)と極微量にしか存在していませんが、東洋大学には先端分析機器が多数揃っており、それらの量を精密に検出・定量することができます。現在、1)ストリゴラクトンによるイネの葉の老化調節機構の解明、2)窒素欠乏条件で増加するストリゴラクトン生産機構の解明、3)トマトの枝分かれ過剰突然変異体の探索とその特性評価、4)シロイヌナズナのMAX遺伝子多重欠損変異体の作出などのテーマで研究を進めており、これら4つのテーマでは、遺伝子の機能が欠損した突然変異体を用いて植物ホルモンの機能解析を行っています。また、新たに5)タケが生産する新規ストリゴラクトンの同定、6)不定芽形成中のトコン節間切片中に含まれる内生オーキシンおよびサイトカイニンの分布という新しいテーマも進めています。

生命科学部は、群馬県の板倉キャンパスに設置されています。群馬県は農業県で、いろいろな農作物が生産されています。将来、これらのケミカルに加えて、農作業の効率化や省力化につながる新しい植物成長調節物質を見つけ、それを育種・園芸分野に応用し、群馬県の地域農業活性化に貢献したいと考えています。

イネ(Oryza sativa) 水耕栽培
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)
マイクロトム(Solanum lycopersicum)
モウハイチク(Phyllostachys meyeri)節培養
トコン(Carapichea ipecacuanha)不定芽形成

この研究室を希望する方へ

まず、植物を研究対象にしていますので、植物の栽培が好きであることを前提とします。逆に、植物嫌いでも構いません(例えば、嫌いな野菜を食べやすくしたいなど別の動機があるからです)。次に、コミュニケーションがとれることが重要です。研究室は教員、大学院の先輩、学部の卒業研究生が集まった小さな集団社会であり、個人ではなく、研究室全体が活性化していくことが望ましい姿だからです。そして、料理が得意な人がいいですね。いろいろな試薬の混合、加熱・冷却処理などは料理に通じるものがあり、概ね料理が上手な人は実験も上手です。いろいろな実験を継続して行うには、体力も重要です。最後に、何よりも重要な点は、この研究テーマで大発見を引き出してやるという意気込みです。卒業研究では3年生までの学生実習とは異なり、必ずしもいい結果が出るとは限らず、ギャンブル的要素も加わります。それでも決して諦めない姿勢が重要です。「継続は力なり」です。