応用生物科学科

自然、いのちに学び、未来を拓く。

動物細胞工学研究室(根建拓 教授)

神経細胞、筋細胞におけるストレス適応機構の解明

現代社会に生きる私たちにとって、蔓延するストレスとどう付き合っていくかはとても重要な問題です。ストレス過剰な生活がつづくとさまざまな病気の原因となってしまいます。私たちは、このようなストレスとどのように付き合っていけばよいのでしょうか。動物細胞工学研究室では、神経細胞や筋細胞を使って(1)ストレスが原因となっておこる病気のしくみを理解し、予防や治療に結びつく技術を開発する、(2)細胞のストレス適応のしくみを学び、私たち人間がストレスと向き合うためのヒントを得る、を目標とした研究を行っています。

(1)脳内のストレスを調節する成長因子プログラニュリン

高齢化社会の到来に伴って、大きな社会問題になってきているのが認知症です。認知症の中には若年で発症してしまうタイプのものがあり、その中でも、前頭側頭葉変性症 (FTLD)は、記憶障害は軽度である一方、意欲低下や攻撃性向の増大などの人格変化を示すことが知られています。最近、このFTLDの一部は、ストレスから神経細胞を守る「プログラニュリン」と呼ばれるホルモンが少なくなることによっておこる可能性が指摘されています。そこで、私たちはこのプログラニュリンが脳内でどのようにしてストレスから細胞を守っているのかについて調べています。

(2)細胞はストレスとどのように付き合っているのか

「ストレス」は一般的にネガティブな意味で用いられ、事実、細胞に悪い影響を持っていることが少なくありません。しかし、細胞には恒常性を維持するための精巧な仕組みがあり、ストレスを受けてもある程度までは柔軟に応答することができます。さらに近年では、ストレスが全く存在しない状態が必ずしも良い状態とは言い切れず、細胞に対するストレスを適切にコントロールすることが、細胞ひいては個体の健康を守るために重要であることも指摘されはじめています。私たちは、神経細胞や筋肉細胞がストレスに対するどのような適応機構を持っているのか、また、細胞に良い影響を与える「適度なストレス」とは何かを明らかにする研究を進めています。

Neurosphere
従来の骨格筋細胞
高度発達型細胞

この研究室を希望する方へ

動物細胞・ストレス・ホルモン・運動・栄養などに興味を持っている方、生命を新しい視点から眺めてみたい方の参加を歓迎します。「脳・神経や筋肉のことをもっと良く知りたい」でも構いませんし、「ストレスが原因となる病気の予防・治療に役立つ実学的な研究をやってみたい」「細胞のストレス適応を新しい視点からとらえて生命とは何かを考えてみたい」あるいは「将来つきたい仕事の役に立ちそうだから」とかでも構いません。共通して大切にしてもらいたいのは「〜したい」という気持ちです。積極的な方の入室をお待ちしています。

また、当研究室は「自主性」「協調性」「議論重視」を教育方針としています。すなわち、自ら考え行動すること、多様な価値観を尊重して協力しながら研究に取り組むこと、自分の考えを他人との議論を通して昇華させていくことを重視しています。

その他の詳細については、以下のホームページを参考にしてください。

Nedachi Lab