応用生物科学科

自然、いのちに学び、未来を拓く。

フィールド動物科学研究室(伊藤元裕 講師)

①動物の環境応答メカニズムの解明と将来予測、および②動物の不思議な生態の解明

地球上に生息するすべての生物は長い進化の歴史の中で環境に巧みに適応してきました。そんな動物たちは、一度環境変動が起こると、素早く生態や行動を変化させて応答を見せます。そのため、動物を細かく観察し、その生態を調べ上げていくことで、今地球上で起こっている環境変動を迅速に察知し、それが生態系に及ぼす影響を明らかにすることが可能となります。野生動物の調査を通して、動物たちの魅力溢れる巧みな生き様を目の当たりにするとともに、そこから得られた結果を、環境問題の影響の将来予測や環境保全活動に役立てていくことを目指しています。

当研究室では、陸地から海洋まで幅広い自然環境をフィールドにして、野生動物の生態を調べます。私自身の専門は主に海鳥を対象とした、動物行動学、海洋生態学ですが、所属学生は自らの興味に従って、魚類・哺乳類・鳥類など対象種を問わずテーマを主体的に決めています。フィールド主義をモットーに、とにかくまず野外に出て動物を観察することで、巧みな動物の生き様を見つけ出すことを大切にしています。繁殖モニタリングや胃内容物分析の他、安定同位体分析や超小型ロガーを用いたバイオロギング調査など多岐にわたる手法を積極的に取り入れた研究テーマに取り組んでいます。

  1. 海洋環境変動等に対して海鳥の繁殖がどのような影響を受けるのか?また、どのように行動的な応答を行うのか?環境変動が将来的に生態系にどのような影響を与えるか?
  2. 海鳥が3次元的に広がる広大な海でどのような戦略をもって採餌行動を行っているか?
  3. 海鳥をサンプラーとして海洋生態系構造やサケやホッケなどの幼魚期の生態を解明する。
  4. 利根川水系を中心とした外来魚食性魚類や鳥類の生態解明と漁業被害の実態を評価する。
  5. 都市に生きる小型哺乳類の生態を解明する。

東洋大学の周りに広がる群馬県の身近な自然の他、北海道・東北地方をはじめとした島嶼地域、また英国、米国、カナダの研究者と共同して、アラスカ、南極、スコットランドも研究フィールドとして精力的に野生動物研究を行っています。

この研究室を希望する方へ

道端を歩いていてふと気になる野生動物への小さな疑問は大きな科学的問いへの入り口です。実は、研究と言うのは肩肘を張って特別に大それたことをするわけではありませ。身近な、フィールドに出て、動物を調べることで動物の生態や環境とのかかわり詳しく知ることが出来ます。身近に転がるほんの小さな事柄に目をつけ、疑問を感じ、科学的問を導き出すかが、世界を驚かせる研究に直結しています。

この研究室に入室を希望する皆さんに望むのは、身近な事柄に対し「不思議だ」と思うことと、それらに目を向けて少し立ち止まって考えてみる習慣をもつことです。これは、好奇心という言葉にも置き換えられるでしょう。もちろん研究ですから、しっかりした座学と大変な作業に忍耐つよく取り組む姿勢は不可欠ですが、好奇心があれば全て乗り越えて大きく成長することが出来るはずです。好奇心と野心と双眼鏡や釣り竿をもって、まずは一緒に大自然に出かけましょう。