応用生物科学科

自然、いのちに学び、未来を拓く。

応用生体触媒研究室(道久則之 教授)

有機溶媒耐性微生物や有用酵素に関する研究

地球上には、われわれの住む平均的な環境から離れた局所的環境があり、極限環境と総称されている。たとえば、温泉、高濃度の塩水湖、砂漠、海底などは、極限環境である。しかし、このような世界にもしばしば微生物等の生命の存在が知られている。このような過酷な環境で生育している微生物は、とくに「極限環境微生物」と呼ばれている。また、極限環境微生物は極限環境において働く酵素を生産しており、このような酵素は「極限酵素」と呼ばれている。道久研では、極限環境微生物の中でも主に「有機溶媒耐性微生物」や有機溶媒耐性微生物から見出された有用酵素に関する研究を行っている。有機溶媒耐性微生物は、有機溶媒が存在する条件でも有機化合物の生産や変換を行うことができる。このため、水には溶けにくいが、有機溶媒には易溶性の疎水性物質などを有機溶媒に溶解して、微生物培養液に添加して効率的な変換反応を行う試みがなされている。これまでに、当研究室では、有機溶媒耐性微生物を用いてステロイド化合物や光学活性な有用物質の生産などが行っている。また、広く研究されている大腸菌を用いて有機溶媒耐性機構を調べている。有機溶媒耐性微生物の生産する酵素の中には、有機溶媒や様々な変性剤の存在下でも安定なものがある。現在、当研究室では、健康診断などの際に、血液中のコレステロール値の測定に用いることができる臨床検査用の酵素であるコレステロールオキシダーゼという酵素の研究を行っている。これまでに、コレステロールオキシダーゼ生産菌として新規な Chromobacterium 属細菌DS-1株を探索した。本菌のコレステロールオキシダーゼは既知のコレステロールオキシダーゼの中では最も耐熱性が高く、有機溶媒や界面活性剤に対しても高い耐性を示すことが分かった。また、酵素の立体構造も決定し、さらに研究を進めているところである。

コレステロールオキシダーゼ生産菌(Chromobacterium 属細菌DS-1株)
コレステロールオキシダーゼの立体構造(Chromobacterium 属細菌DS-1株由来)

この研究室を希望する方へ

研究室に配属になるのは学部4年生になってから(仮配属を除く)である。学部4年時は、就職活動の時期とも重なるため、多くの学生は、就職活動をしながら実験をすることになるが、就職活動が終わるまで、なかなか研究が進まず、多くの場合、充分な研究時間が確保できないのが現状である。どこまで就職活動が優先されるのかということが曖昧な点が問題であるが、とにかく、研究室配属後は、1日の活動の大部分は研究であってほしい。また、やむをえず就職活動に時間を割かれる場合には、いかに効率的に実験を進めるかが重要となる。このためには、しっかりと「スケジュール管理」を行い、約束した時間を守ることや研究時間を確保することが重要である。これができない人は就職もうまくいかないはずである。アルバイトは研究活動に支障が無いように、極力控えるべきである。また、「研究に興味をもつ」ということも重要であり、そうするためには、研究について主体的に調べる等の自身の努力も必要である。研究について理解が深まれば、研究が楽しくなるはずである。